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旅にも出ない、ロマンも語らない、
ただそこにバイクがあるだけの毎日

その45 愛車自慢大会

ばいくらへん

まあ、ツーリングとかちょっとしたイベントなんかに行くときはやっぱどこか特別なんですよ。
自分の愛車をただ走らせて、行って帰ってよかったね〜って、そんなわけないんです。
出かけるからにはやはり自分の愛車をみんなに見て欲しいし、知って欲しいし、みんなの愛車も見てみたいんです。
言うなれば、若者が一生懸命オシャレをして街に繰り出して、街ですれ違うだけの人の流れの中で、オシャレなもの同士が刺激しあうような楽しさっつーんですか。
本人は「別にこんなカッコはフツーだよ?」なーんて意識でも、どうしても隠し切れない自己顕示欲が感じられてしまうものなのであります。

バイクもまた然り。
バイクに乗ってる人のこと言ってるんじゃーないですよ。
あくまでバイク。ここで顕示するのは自分が乗ってきたバイクなのです。
「いやぁべつにただ走りにきただけだよぉ」なんつっても、手塩にかけてかわいがってきた愛車は注目される存在であってほしいもの。
かくして、ツーリングでの休憩所やイベント会場での駐輪場なんかで、バイク自慢大会が自然と発生してしまうわけですが、これはごく普通で当たり前のことなんであります。

その自慢大会会場はなるべく自分の生活テリトリーから離れていればなおよいわけですが、この狭い日本、自分の近所は他人の観光地だったりすることもしばしばです。
つまり、自分が普段のつもりでゆるーく訪れたところでそんな大会がいきなり繰り広げられたりすると、なんだかものすごくあせってしまうわけです。

近所のバイク屋さんで、普段使いのスクーターのメンテナンスをお願いしていたところに、なんでか高そうなバイクや速そうなバイクが続々と集まってきて、突如開催される愛車自慢大会。
コンビニに買い物に来てたと思ったら、イキナリどっかのオシャレなパーティー会場になっていたような場違いな気分です。
普段は同じように原チャリ修理に来てるおっさん&おばちゃんとかしかいないのに!?

タイミングが悪かっただけとはいえ、なんともいえない場違い感は冷や汗もの。
「お、おいらだって家に帰ればかっちょいい愛車があるんだぞ? っていうかこのスクーターだってすげーんだぞ?」みたいな、わけの分からない言い訳が心の中で始まります。すごくどうでもいい言い訳です。

その場にないバイクの自慢とかされてもサムいだけです。
知らないオッサンが『昔乗ってたオレのバイクはすごかったんだぞトーク』を聞いてもいないのにベラベラしゃべりだすウザさを知っているだけに、今自慢できるバイクがない状態で自分がそこに混ざっていくことは非常にはばかられます。
ということで、なんだか愛車トークで盛り上がってる一団を横目に、修理が終わるまで待合室の隅っこのほうでバイクカタログをペラペラめくっているほかありません。

くそぅ・・・。こうなったら来週にでもバイクをピカピカに磨いてどっかツーリング行ってやるからな・・・!
などと勝手にライバル心を燃やしてみるものの、彼らに再び会えるわけでなし。
この場はおとなしく引き下がって次回の自慢チャンスを虎視眈々と狙うことにするのでありました。


・・・いつか見てろよ!

■前にLINEスタンプを作ったりしてみました。120円なのでお気軽に使ってくださいませ~
LINEスタンプ『ねこのとらじろう』 http://line.me/S/sticker/1001391
とはいえ作った本人があまりLINE使いこなせてなかったりするんですけども(;´Д`)


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