FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記  ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第8回 2016-Rd.1 マレーシア

2015シーズン、Team KAGAYAMA SUZUKI Asiaに合流し、アジア5か国を転戦するFIMアジアロードレース選手権(ARRC)スーパースポーツ600クラスに参戦を開始したナイトロ・ノリ。2年目のシーズンも引き続きこのチームで挑戦を続けることとなった。さらに、今年はなんと同じARRCでノリの長男とダブルでシーズンを戦う、というサプライズ付きだ!


●取材協力-Team KAGAYAMA SUZUKI Asia
FIMアジアロードレース選手権 Rd.1 マレーシア
3月31日~4月2日
ジョホール・サーキット(全長3.86km/コーナー数12)
Team KAGAYAMA SUZUKI Asia #41 SUZUKI GSX-R600 (スーパースポーツ600㏄クラス)
予選=タイム不計測 レース1=14位 レース2=13位  ポイントランキング=13番手

 Team KAGAYAMA SUZUKI Asiaの芳賀で~す。お久しぶりやけどね。ようやっと新しいシーズンがはじまったんや。今年もTeam KAGAYAMA SUZUKI Asiaで走ることになりよったんや。このコーナーも、前回でいったん終わりか、という感じやったんや。引き続きやるんや、よろしゅう。


 今年はみんなに報告することがあるんやて。それはね。ウチの瑛大(あきと)がロードレースにレースデビューすることなんや。これまでミニバイクレースしかやったことがなかった瑛大が参戦するのは、スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)っていうFIMアジアロードレース選手権に昨年から組み込まれているステップアッププログラムなんだわ。FU150っていうアジアで販売されている150ccの車両を使ったワンメイクレースでね、こっちもユキオ(加賀山就臣)がプロデュースしてて、ゼネラルマネージャーのユキオには感謝しとるよ。
 実際にシーズンが始まってみると、今年は違う世界がスタートする、という感じ~。親子で同じサーキットを走るって不思議な気分なんや。瑛大は、合同テストからちょびっとずつタイムアップはしておるようだし、早めに表彰台に上がれるよう、頑張らせたいと思っとるわ。



芳賀瑛大選手


スズキ・アジアン・チャレンジ
2002年1月21日生まれの瑛大くんは現在14歳。幼少のころから父親のレースの現場にいただけに、加賀山だけでなく、父と一緒に走ってきた、藤原克昭や玉田 誠といった、現在アジア選手権でアドバイザー役をしているライダーたちも注目。 スズキ・アジアン・チャレンジには、アジア9カ国から合計17名のライダーが参戦する(ケガで欠席となった選手が不在のため写真は15名)。芳賀瑛大選手以外に佐藤進之介(さとうしんのすけ/写真後列左から5番目)選手、服部真騎士(はっとりまきし/写真前列左から5番目)選手の3名の日本人も参戦する。

 で、自分の600のほうやけど、こっちは、チームメイトが変更になりよったんやわ。それこそ、瑛大が走っとるSACで昨年ランキング2位を獲得して、ステップアップのオーディションを上がってきたタイのパティス・チョープラテットっていう選手。こいつと一緒にやっていくことになりよったんや。



FIMアジアロードレース選手権スーパースポーツ600クラスに参戦するライダー


パティス・チョープラテット選手
FIMアジアロードレース選手権スーパースポーツ600クラスに参戦するライダー。日本からは、伊藤勇樹(前列左から3人目)、小山知良(同5人目)、高橋裕紀(同6人目)、羽田太河(後列左から4人目)といった選手が参戦。 今季チームメイトとなるのは、ゼッケン98をつけるタイ人のパティス・チョープラテット選手。600クラス初参戦。経験の少ない彼を引っ張りつつ、それでいて自身も上位を狙うという、ノリ選手にとっては、昨年以上に多忙なレース・シーズンとなる。パティス選手はレース1リタイア、レース2は19位という結果であった。

GSX-R600
SUZUKI GSX-R600に大きな変更はない。レギュレーションの変更で、今シーズンはスリックタイヤの使用が解禁となっている。

 今年最初のレースは、マレーシアの南端にあるジョホール・サーキット。開幕の前に合同テスト(3月22日~24日)があって、走り出しはよかったんやけどね、開幕戦のレースウィークにサーキットに戻ってきてみるとちょびっと路面コンディションが違ってて、最初からてこずっていたところもあったんや。ほんでなも、予選セッションでは、アタック1周目で転倒クラッシュ。そのまんまタイム計測なし、チーン。予選終了ってことになっちゃって。
 マシンは見た目以上に損傷がひどく、チームスタッフが懸命に直してくれたものの、予選とレース1が同日開催やったで、時間切れで決勝のグリッドには並べず、という厳しいレースから2016シーズンのスタートとなりよったわけ。ほんでも自分のミスでこういう結果になっちゃったわけやからプッシュし続けてね、なんとか14位でフィニッシュ。

 翌日はレース2。今度はちゃんとグリッドには並んだよ。気温が高い割にはラップタイムもよかったんやけどねぇ、他も同じようによぉて、最後尾から追い上げていったものの結果は13位。
 きちんとレースを走りきることでデータもとれたし、改善しなきゃなれへん部分を徹底的に洗い出して、次のタイ戦(5月6日~8日/チャン・インターナショナルサーキット)には、みんなの応援にすこしでも応えられるレースをしたいと思っています。皆さん応援よろしゅうお願い!



加賀山就臣ゼネラルマネージャーは、今季監督も兼任することに。全日本開幕直前ということもあり、レース2直前に現地入りするなど、今シーズンも多忙な中アジアと日本を行き来する。 スズキ・アジアン・チャレンジにやってくるレースクイーンも昨年同様、毎レース、メンバーが入れ替わる。今シーズンの新しいコスチュームはこれだ。

GSX-R600
最後尾スタートと厳しい開幕となったものの、きっちりポイント圏内でフィニッシュしたノリ選手。タイ戦の2つのレースで5ポイントを獲得。わずかだが、シーズンを通してこれが効いてくる、かも!?


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年~2015年にかけて鈴鹿8時間耐久レースでは3年連続3位表彰台を獲得している。


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