NC700X／NC700X＜ABS＞ 649,950円／699,300円（2月24日）

★ホンダ NC700X／NC700X＜ABS＞ 車両解説

“ニューミッドコンセプト”シリーズ第一弾、ミドルクラス“オン・オフ”NC700X登場

並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることで車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームの組み合わせにより“ニューミッドコンセプト”が誕生している。

この共通のプラットフォームを使い回すことで、より多様なニーズに合わせたモデルの展開が可能となったという。

その第一弾がこちら“オン・オフ”モデルとして開発されたNC700Xだ（国内第一弾。海外ではすでにINTEGRAを発売）。昨年の第42回東京モーターショーにデビューした“ニューミッドコンセプト”シリーズ3車の中でも一番注目を集めたモデルがトップバッターとして選ばれたのだろう。

エンジンは、昨年9月に発表されていたとおり、水冷4ストローク並列2気筒、ボア×ストローク：73mm×80mmの総排気量670ccで、低中回転域での力強い走りを実現しながら、ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式のロッカーアームには二輪車初のアルミ材を採用、燃費向上も図っている。

排出ガスの浄化効率を高めるため、キャタライザーをエキゾーストポート直下に配置するなど、従来の縦型シリンダーエンジンとは異なるアプローチができるのもニューミッドコンセプトの特徴だろう。

ただ想定されていたのとは若干異なり、VFR1200Fで採用されたデュアル・クラッチ・トランスミッションをさらに軽量化、コンパクト化を図ったという“第2世代デュアル・クラッチ・トランスミッション”モデルの設定は、今回は行われていない。

通常の6速マニュアルミッション仕様のみで、市販化へのスケジュールを最優先したのだろうか。いずれ“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様も登場するはずだが。

モーターショーで紹介された開発コンセプトは「都会でも、自然の中でも映える躍動感あふれたデザインに、アップライトなポジションによるオフロードでの快適性と行動半径を広げる機動力を両立」させたマシン。ロードモデルでは躊躇してしまうような、ちょっとしたオフもテリトリーとする“道を選ばない”柔軟性と目に新しいスタイリングと“オン・オフ”の教科書通り。

★HONDA プレスリリースより　（2012年2月17日）

操る楽しさと優れた燃費性能を両立したスポーツモデル「NC700X」を新発売
＝「ニューミッドコンセプト”シリーズ」の国内第一弾モデル＝

Hondaは、力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた新設計の水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒700ccエンジンを搭載したスポーツモデル「NC700X」を2月24日（金）に発売します。

このNC700Xは、「ニューミッドコンセプト”シリーズ」として開発した3モデルの内の1台で、国内では第1弾となります。

開発の狙いは、市街地走行やツーリングなどの常用域で鼓動感にあふれる力強いトルクを発揮させることで扱いやすさを追求するとともに、ミドルクラス※1において圧倒的な燃費性能を有するスポーツモデルをお求めやすい価格で提供することです。

エンジンは、低・中回転域で力強い出力特性と、さらに燃焼効率の追求による低燃費化を目指し、理想的な燃焼室形状や低フリクション技術を多岐にわたって採用。燃費は41.0km/L（60km/h定地走行テスト値）を達成しています。

車体は、剛性に優れたダイヤモンドフレームに、路面追従性に優れた前・後サスペンションを採用しています。また、燃費性能を高めたことにより、燃料タンクの小型化を実現しシート下に配置。従来の燃料タンク位置には、フルフェイスヘルメットも収容可能な21L※2のラゲッジスペースを装備することで、使い勝手に優れたものとしています。

スタイリングは、Hondaのモーターサイクルづくりの新たなコンセプト「クロスオーバーコンセプト」の思想に基づき、躍動感にあふれ力強く洗練されたデザインとしています。また、アップライトなライディングポジションによって、市街地走行やツーリングなど幅広いシチュエーションで快適かつスポーティーな走行を楽しむことが出来ます。

※1 排気量500cc～750cc程度の欧米における中型車
　※2 Honda測定値。ラゲッジスペースには、ヘルメットの大きさによっては入らない場合があります。

●販売計画台数

（国内・年間） シリーズ合計 3,500台

●メーカー希望小売価格

NC700X

649,950円（消費税抜き本体価格 619,000円）

NC700X＜ABS＞

699,300円（消費税抜き本体価格 666,000円）

※価格には（リサイクル費用を含む）保険料・税金（消費税を除く）・登録などに伴う諸費用は含まれておりません

＝NC700Xの主な特長＝

●エンジン

燃焼の高効率化と燃費の向上に寄与する低フリクション技術を徹底的に追求した新開発のエンジンは、ボア×ストロークを73mm×80mmに設定。最適なバルブタイミングの設定や、ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式のロッカーアームに二輪車初の軽量アルミ素材を採用しています。また、270°位相クランクによる不等間隔爆発と1軸1次バランサーの採用により、振動を低減しながら心地よい鼓動感を味わえるエンジンを実現しています。排出ガス浄化システムは、効率の最大化を図ることを目的に、エンジン始動時にキャタライザー（三元触媒）を早期活性化させるため、エキゾーストポートの直下に配置して燃焼ガスの温度が高温の状態で触媒を通すようにしています。また、電子制御燃料噴射装置（PGM-FI）※3の採用などによって、力強くスムーズな出力特性でありながら、優れた環境性能を実現しています。

※3 PGM-FI（Programmed Fuel Injection System）は、Hondaの登録商標です

●車体

ニューミッドコンセプトシリーズの重要なテーマである車体レイアウトの自由度と利便性の高いスペースを生み出すために、エンジンの搭載はシリンダー前傾角62°（車両搭載角）にしています。このエンジン搭載レイアウトとシート下に搭載した燃料タンクによって、従来の燃料タンク位置には使い勝手に優れたラゲッジスペースを確保しています。なお、サスペンションには、フロントにクッションストローク153.5mmのテレスコピックタイプを、リアにはアクスルトラベル150mmのプロリンクサスペンションを採用することで、路面追従性に優れたスポーティーな走りを可能としています。

●カラーバリエーション

パールサンビームホワイト、マグナレッド、ダークネスブラックメタリック、デジタルシルバーメタリックの4色バリエーションで、幅広いお客様の要望に応えられるものとしています。

＝クロスオーバーコンセプト＝

Hondaの二輪車の開発における新たなチャレンジの方向性で、これまでの考えに固執することなく新たな可能性を追求し、異なる価値を高次元で融合させる思想です。

具体的には、次の要素を各モデルのコンセプトに合わせて融合させることで、アグレッシブで洗練されたデザインを実現するとともに、さまざまな走行環境で機動性に優れた走りが楽しめるモデルを目指します。

・スポーツモデルの運動性能

・ツアラーモデルの快適性とユーティリティー

・ネイキッドモデルのシンプルな外観

・オン・オフロードモデルの機動性とアップライトなライディングポジション

・路面状況への追従性

★主要諸元

※〈　〉内はNC700X＜ABS＞のデータです。