FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)参戦記  ナイトロ・ノリの「アジアはあぢ~でかんわ」第12回 2016-Rd.5 インド

前回のインドネシア戦から約2か月。FIMアジアロードレース選手権はシリーズ第5戦を迎えることとなった。その舞台は、インドにあるブッダ・インターナショナル・サーキット。ARRCスーパースポーツ600クラスに参戦するTeam KAGAYAMA SUZUKI Asiaのナイトロ・ノリもインドへ向かう。


●取材協力-Team KAGAYAMA SUZUKI Asia
FIMアジアロードレース選手権 Rd.5 インド
9月30日~ 10月2日
ブッダ・インターナショナル・サーキット(全長5・141㎞/コーナー数16)
Team KAGAYAMA SUZUKI Asia #41 SUZUKI GSX-R600 (スーパースポーツ600㏄クラス)
予選=12番手 レース1=10位 レース2=11位  ポイントランキング=11番手

ナイトロ・ノリ選手


ナイトロ・ノリ選手


ナイトロ・ノリ選手

 Team KAGAYAMA SUZUKI Asiaの芳賀です。FIMアジアロードレース選手権、今回の舞台となるのは、インドのブッダ・インターナショナル・サーキット。ここはチームも自分も、選手権の大半の選手にとっても初めてのコースや。コースのレイアウトは、2本の長い直線とテクニカルなコーナーが組み合わさっていて、いろんなサーキットのいろんな部分が取り込まれたようなコースで、どちらかというと好きなコースやね。600ccで走るよりも1000ccバイクで走ったほうがおもしれえやろうね。

 初めてのコース、そやから、練習走行セッションではコースを見ながら、セットアップを進めたんや。コース自体はまだオープンして5年ということで、路面はほとんど荒れていなくて、初日はバイクのバランスをいじっていいセットを見つける作業を続けたよ。マシンはいい方向性に持っていけて、タイムは徐々にアップしていったんや。しかしほかのチームだってタイムを削っていくわけで、結局そのタイム差は縮まらず、というか逆に広げられてしまった部分もあり、やね。

 レースウィーク走行2日目は予選&決勝日。予選を終えたら、そのまま決勝レース1や。12番グリッドからのレース1のスタートは悪くなかったんや。でも、そのオープニングラップでチームのパティスが転倒したことで、赤旗が出されてレースは中断。んで、同じグリッドから再スタートやわ。ほんでもしっかりとスタートは決めたわ。けれど、最初のスタートのほうが良かったかな。今度は1-3コーナーで混戦となってそこから抜け出すために4コーナーの進入でアウト側から仕掛けたんやけど、イン側を走っていた日浦選手と接触、そいで弾かれてオーバーラン。最後尾まで順位を下げてしまったんやわ。そこから気合い入れて追い上げて行って、レース1は10位。

 レース1での車体フィーリングはベストじゃぁなかったんや。そやからレースウィーク3日目にはレース前のウォームアップ走行の時間を使ってフロント周りのセッティングを試したん。ほんでもそれが思った方向にはいかんで。ほんで前日の状態に戻しながらもちぃっとアレンジをした状態で決勝レース2に臨んだん。

 レース1よりは車体のフィーリングはよかったわ。スタートでいったんは7番手まで上がったでね。でもスピードがちびっと足りず、伊藤勇樹選手と終始9番手争いをすることになってしまったんや。最終的には自分の後ろを走っていた羽田大河選手も加わっての9番手争いになってしまって、最終ラップでその2人に前に行かれ、順位を落としてしまって、がっかり、や。

 全体的にみるとレースそのものはまとめきれたとは思うわ。次はタイのチャン・インターナショナル・サーキット(12月2日~4日)。ここは1シーズン唯一2回開催するサーキットで、昨年からこれまで3レース走ってきたコースや。これが今シーズンの最終戦やで、シーズンの総決算となるよう、何かしらのチャンスも狙いつつ、がんばりたいと思っとる。皆さん応援よろしゅうお願いしま~す。



サーキット


サーキット
ニューデリーの南東に位置するF1を開催するために2011年に作られたサーキットである。高低差のあるコースは1コーナーから3コーナーまでが登り、そこからのバックストレートはなだらかに下がりつつ、さらに下る4コーナーの手前にはジャンピングスポットがある。後半セクションもアップダウンがあり、カントのついたすり鉢状の複合コーナーまで用意されたテクニカルなコースである。


シリーズ初開催


シリーズ初開催
シリーズ初開催であり、このコースを知っているライダーはほぼいない。各チームもデータの蓄積がない。全チームが同じスタートラインに立ったといえる。その中でレースを制したのはアンソニー・ウエスト(Akeno Speed WJRレーシングチーム)だった。


ライダーもサイン会などに大忙し


チームの加賀山就臣ゼネラルマネージャー兼監督
インドのスズキ関係者およびスズキ・ジクサー・カップ関係者も応援に駆け付けた。TEAM KAGAYAMA Asiaの2人のライダーもサイン会などに大忙し! チームの加賀山就臣ゼネラルマネージャー兼監督も隼オーナーを引き連れてのパレード走行を行なうなどイベントも盛りだくさん。


パティス・チョープラテット選手


レースクイーン
芳賀のチームメイト、スズキ・アジアン・チャレンジの150ccのマシンからSS600へのステップアップを果たしたパティス・チョープラテット選手は、レース1のオープニングラップで転倒リタイア。レース2も大事を取って欠場に。 ARRCのレースの一つとして組み込まれているスズキ・アジアン・チャレンジはインドでは開催しない。その代わりといっては何だが、スズキ・ジクサー・カップ(インドで開催されている150cc単気筒モデルによるワンメイクレース)が開催され、Suzuki Gixxer Cupレースクイーンが来場。


芳賀紀行(はがのりゆき)

1975年生まれ。ワールドスーパーバイクをメインに活躍してきた、世界戦43勝を誇るライダー。TEAM KAGAYAMAに合流し、2013年~2015年にかけて鈴鹿8時間耐久レースでは3年連続3位表彰台を獲得している。


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