DUCATI MULTISTRADA 950 run

DUCATI MULTISTRADA 950
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ライダーの身長は183cm。(※写真の上でクリックすると両足時の足付き性が見られます)
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■ムルティストラーダ小史

「誕生」

 ドゥカティがマルチパーパスバイク、ムルティストラーダを発売したのは2003年のこと。そのコンセプトモデルが2001年にミラノショーに出展され、大きな話題となる。このセグメントにドゥカティは無縁だとファンは思っていたからだ。
 初期型のムルティストラーダは、トレリスフレームに空冷Lツインエンジンを搭載。片持ちスイングアームとハイマウントサイレンサーの採用など、当時のスーパーバイク、999を思わせるスピード感あるデザインが特徴だった。暗にマルチパーパスだけど、オフロードにはすり寄らないよ、というメッセージもあったように思う。
 それを裏付けるようなエピソードとして、峠へのワインディングでは、ドゥカティのスーパーバイク、998、999に一泡吹かせる走りを見せた。
 アップライトなポジションと快適なフェアリング。双方をタイトなスタイルとするため、スクリーンだけがハンドルと同位相で動くとうアイディアも盛り込まれていた。
 搭載されたエンジンは1000DS(DSはツインプラグの意味)空冷OHC2バルブLツイン。オーリンズサスペンションやカーボンパーツを装備したSモデルの追加や、排気量拡大した1100DSエンジンへと変更されたり、小排気量Lツイン搭載のムルティストラーダ620を加え、2009年までモデルラインを担った。

 
「そして4 Bikes in 1誕生」

 そして2010年。ムルティストラーダは大きな進化を遂げる。美しいデザイン、電子制御技術を組み合わせカッティングエッジなイメージと、ドゥカティらしさを鮮明かつ濃厚に打ち出して登場した。ライダーはキーを持つだけ。キーレス仕様としたのもこの2代目からだ。エンジンは空冷Lツインから、スーパーバイク系の水冷1200㏄テスタストレッタエンジンに変更。マルチパーパスツアラーとしての特性を得るべく、バルブオーバーラップを11°に設定。それでも本国仕様で150馬力を生み出すパワフルさを持つだけに、正に才色兼備。一気にクラス感を押し上げている。
 また、ダート走行も視野にいれて開発された事はその走りやデザイン画にもしっかりとダートイメージが込められているのが解る。それでいて泥臭さは無しというのが巧い。
 また、魅力の核心でもある電子制御技術としてライディングモードがある。街乗り(アーバン)、ツーリング、スポーツ、エンデューロ(ダート走行)という4つのライディングモードを選択するだけで、ABS、トラクションコントロール、エンジンドライバビリティー、サスペンションの減衰圧、イニシャルプリロードなどボタン一つで統合制御する、というもの。4台分の機能を1台に、というコンセプト通り、多才さを簡単に引き出せるのが大きな魅力となった。そしてムルティストラーダは、ドゥカティのモデルの中でも販売数で1位になる人気を保つようになる。
 
 後期型となる2013年以降のモデルにはエンジンの改良、前後セミアクティブサスペンション、ドゥカティ・スカイフック・サスペンション、DSSを搭載。ヘッドライトをLED化するなど最先端を行くイメージを堅持した。

 
「そして現行の3代目へ」

 2015年、ドゥカティの看板モデルになったムルティストラーダは、4 Bikes in 1コンセプトを踏襲し、フルモデルチェンジを果たす。エンジンは刷新され、吸排気カムのバルブタイミングを可変させるデスモドローミック・バリアブル・タイミング(DVT)を搭載。吸排気カムに可変バルブタイミング機構を搭載した最初の市販車となった。
 これにより、特に低回転でのトルク、エンジン回転のスムーズさが一段と進化。そこからアクセルを開けても気持ち良いパワーを全域で楽しめる特性になった。また、環境性能向上にも一役かっている。
 電子制御セミアクティブサスペンションもDSS EVOへと進化。サスの動き方、センシング方法をアップデイトしたことで、よりナチュラルな乗り味となった。1200SモデルではフルLEDヘッドライトを採用したほか、夜間、特定のバンク角になると点灯するコーナリングランプも装備。

 2016年、ドゥカティはムルティストラーダに1200エンデューロを追加した。基本骨格やテスタストレッタDVTエンジンはそのまま、前後に200mmストロークのサスペンション、30 リッター入りの燃料タンクを装備した悪路走破性と航続距離を高めたモデルを追加。この登場で正真正銘アドベンチャーバイクとしてこのセグメントに勝負を賭けたのである。
 
 そして2016年秋、ミラノでミドルクラスムルティストラーダとして950が発表される。
 

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エンジンは専用チューンのユニットへ。

 2016年12月。ドゥカティはミラノで発表して間もないムルティストラーダ950のメディアローンチを行った。会場となったのは、ムルティストラーダとのプレスローンチを行ってきた縁が深いカナリア諸島。今回はアフリカ大陸に最も近い島、フェルテベントゥーラがその舞台となった。

 12月とは言え、初夏のような気温、眩しい太陽があるこの島は、バイクのテストにうってつけの条件が揃っている。また、この島には950をテストするのに相応しい道が待ち構えている。まずムルティストラーダ950はどんなバイクなのか概要を説明したい。

 
ハイパーモタードと同型のエンジン・ユニット。

 エンジンはユーロ4適合のもの。ボア×ストロークは94.0mm×67.5mm。排気量は937㏄、吸排気カムシャフトのオーバーラップを11°としたテスタストレッタ11°(イレブンディグリー)エンジンだ。113馬力+96.2Nm。また、最大トルクの80%を3500回転~9500回転で生み出すようチューニングされている。
 
 駆動系ではサーボアシスト+スリッパー機能付きクラッチを搭載し、操作力の低減と圧着力の確実化、バックトルクでリアタイヤがホッピングしにくいようにメカニカル面でもしっかりとサポートをしてくれる。
 
 嬉しいニュースとしては、オイルメンテナンスのインターバルが伸び、バルブクリアランスの点検もしくは調整は3万キロ毎、となっているのも特徴だ。

 
19インチの前輪と17インチの後輪。

 950のハイライトとなる足回りは、前後に170mmのストロークを持つサスペンションが与えられている。イニシャルプリロード、減衰圧などフルアジャスタブルのものが装備されている。また前輪に120/70ZR19、後輪に170/60ZR17とアドベンチャー系バイクの普遍的なサイズをチョイス。タイヤはピレリ・スコーピオントレールⅡだ。これはムルティストラーダに昨年加わったアドベンチャー系モデル、1200エンデューロと同サイズとなる。エンデューロはスポークホイールなのに対し、950は専用意匠のキャストホイールを採用する。リアスイングアームも1200エンデューロと同型の左右2本出しのものとなる。

 
電子制御も多数搭載。

 ツーリング、スポーツ、アーバン(市街地向け)、エンデューロ(未舗装路向け)の4つの場面でコントロールしやすいよう設定されたライディングモードの変更により、アクセルレスポンス、最高出力、ABS、トラクションコントロールの介入度を最適化させるライディングモードは950にも搭載されている。
 これは現行ムルティストラーダの、4 Bikes in 1のコンセプトの核心でもあり、ボタン一つでバイクのキャラクターをその場面にフィットさせるものだ。
 
 また、コンベンショナルなキーとキーシリンダー方式の採用やクルーズコントロールの未採用、ヘッドライトをハロゲンとするなど、一部上級モデルから装備を割愛しているところもある。

 

 
気になるのはその価格。

 装備はコンベンショナルに、といっても、ムルティストラーダ1200からクルーズコントロールや6軸センサーからの信号をベースに演算する装備の一部が無いほか、ハンズフリーキー、ブレーキ回りなどグレードの違いは感じるが、ムルティストラーダ950の使命でもあるより多くのファンに、そしてミドルレンジをカバーするモデルに、となると、納得できる造りだ。そして価格も気になる。 
 このミドルクラス帯を俯瞰すると、BMWのF800GS(142万円~)F800GS ADVENTURE(166.6万円)、KTM 1050 ADVENTURE(140万円)、ホンダのAfrica Twin(135万円~149.04万円)、スズキのVストローム1000ABS(140.4万円)などがある。装備の違いやキャラクター、クラス感の違いもあるから、単純には比較ができないが、ムルティストラーダは高い方から1200パイクスピーク290万円、1200エンデューロ269.9万円~273.9万円、1200S253.9万円~257.9万円。1200が223.9万円となっている。
 
 マルチパーパスモデル、アドベンチャークラスとして考えても、価格はプレミアムクラスだ。注目は、電子制御セミアクティブサスやLEDヘッドライトをもつ1200Sと、持たないコンベンショナルな1200の価格から想像すると、ムルティストラーダ950の価格は180万円台中盤から前半ではないか、と想像していた。40万円ほどお買い得なら、と思ったのだ。
 しかし、ドゥカティジャパンが発表した価格はそれを下回るもので、レッドが173.6万円、マスターシルクホワイトが177.6万円というものだった。これはムルティストラーダが身近な存在に思えて嬉しい事実だ。発売時期は2017年4月導入予定とアナウンスされた。

 
イメージ映像に濃縮されたキャラクター。

 試乗を前に行われた製品解説では、ムルティストラーダがドゥカティの中でも売れ筋のモデルであること、なぜならば多才で乗りやすく、プレミアムなツーリングモデルの適正に優れ、それが街中でもダートでも発揮されるから、と説明された。各部の説明もその補強になるようなものだった。
 中でも前後のタイヤサイズを19+17とした、とはいえ、決してコーナリングでの性能を落としたわけではない、という。
 
 プロモーション映像では、日常、休日での950の親和性を印象付け、時間経過と移動距離、そして多様性を巧くまとめられていた。その最後には、My First. My Last. My Everything.とキーワードで締めくくられている。
 
 実際に走るとムルティストラーダ950はどう写るのか。興味深く走り出す。

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アスファルトがいい。

 スタート地点に綺麗に並んだムルティストラーダ950は、1200同様、極めてクールで美しい。 サイズ感に1200との違いはない。19インチの前輪が醸し出すアピアランスは、170mmのフロントフォークとマッチしていて、17インチを履く1200よりも、どこかしっくりと感じる。
 跨がると840mmの高さを持つシートは尻を包み込むようなソフトな印象で快適さを伝えてきた。足付き感はシート前方がタイトな造りになっているので悪くない。20mm低いローシートも試したが、こちらは座面に幅が加わり、足の付け根が少々開くようなかたちになる。足付き感が良かったのは実は840mmのほうだった。
 ハンドルバーは1200同様、高さ、幅ともいわゆるアドベンチャー系モデルの標準的、かつ他のムルティストラーダと同様、自然に感じるものだ。ステップの位置も同様。やや後退した位置だが、決して手首に体重が乗るほどではなく、やはり自然。長い距離を楽しめる設定であり、バイクをコントロールしやすい予感に満ちたものだ。
 
 イグニッションキーを捻るのがちょっと新鮮なのは、他のムルティストラーダ全車がハンズフリーキーだからだろう。それに合わせて左右のハンドルスイッチのレイアウトも950専用となった。
 
 排気音はいつものムルティストラーダらしいもの。サイレンサーもエンデューロ同様、細身で高い位置にあるので、耳にその音が届きやすいのかも知れない。
 
 クラッチを合わせる。スムーズな回転感。エンジンも軽快な印象だ。ライディングモードはアーバンに合わせてある。前輪が19インチ、170mmのコンベンショナルなサスペンション。この組み合わせは、僅かな距離を走っただけで親しみの持てるものだ。低速での安定感が良い。市街地をスイスイ切り抜けるには抜群の運動性だと思った。
 
 そして前後のサスペンションはソフトな動きを示し、作動性が良く快適に市街地のギャップを舐めて行く。40km/hぐらいでは、電子制御サスにも負けない動きをする。KYB製のフロントフォークは良い仕事をしているようだ。
 
 市街地から流れの速い一般道へ。その先、いくつかのランナバウトをこえながら進む。制限速度はその度に下がり、そして上がる。50、70、90と変化する速度変化に順応しながら走るのが楽しい。加速する時、1200と比較すればトルクの厚みは確かに薄いが、ファイナルを1200の2.666から2.866へと変更しているため活発感がある。それでいてギクシャク感を出さない巧い設定としている。
 
 またブレーキの良さも印象的だった。フロントのブレーキは制動力、制動感が申し分なく、減速時にフロントフォークがタイヤに綺麗に荷重をかけてゆく過程がライダーにとても解りやすい。リアブレーキもそんな場面で速度調整がしやすく信頼感が持てるものだった。

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ワインディングへ。

 ランナバウトが減り、道は島の郊外へ。道は茶褐色の大地を抜け、ペースが上がって行く。4000回転あたりからアクセルを大きく捻り、追い越し加速を引き出すと、950は逞しい吸気音でライダーを魅了した。タンク内側から聞こえるそれは刺激的。ジェントルに右手を開けるときはそうでもないが、一気に全開近くまで開けるとその魅惑の音に包まれる。
 
 ここまでのハンドリングも市街地同様に安心できる軽快さと意のまま感を楽しんでいる。前後17インチのムルティストラーダで感じるような舗装路でもロードスポーツのような旋回性、曲がる時の手応えとは違い、19インチタイヤならではの自在感なのだ。バイクを寝かす、フロントタイヤがそれに追従し切れる瞬間も、幅の広いハンドルバーと同調し、素直さがある。速度が乗ったワインディングでも旋回中は弱アンダーで解りやすいハンドリングだから、アクセルが開けやすい。170サイズのリアタイヤも寝かして行く時の感触が解りやすく気持ちが良い。
 
 フェルテベントゥーラの道は場所によってはかなり埃っぽく、アスファルトの粒の間に小石が転がっているような場所も少なくない。それで滑る、ということはないのだが、吹きだまりのように小石が待っているような場所もあった。
 
 つまり、17インチよりも良い意味で鷹揚な19インチのほうが見知らぬ道を行く上ではリラックスしていけるのだ。午前中、最後に越えた峠道ではこの特性がツボに嵌っていて、かなり走りを楽しめた。こんな場面でライディングモードをスポーツにすると、エンジンと右手が一体になったようなレスポンスになる。タンデムや市街地を考慮したのだろう、4000回転以下でやや穏やかなレスポンスとなるツーリングよりも、スポーツモードを使った方が、バイクがコンパクトに感じるほどだ。スポーツモードを少々辛口にして、ツーリングを現状のスポーツモードと同等にしてもよいのでは、と思えるほど、このスポーツが扱いやすい。とても気にいった。
 
 パワーもトルクも程よく、細くブラインドの多い道でも、接地感のあるタイヤや優秀なサスペンションにより安全にファンライディングが楽しめた。

 
パニアケース付きもテスト。

 ランチブレークのあと、パニアケース、センタースタンドなどオプションを装着したモデルにも試乗した。午前中と同じ峠を越えるので、フロントのイニシャルプリロードを1.5回転掛け、リアは5クリック分イニシャルプリロードを掛けたセットで走り出す。
 
 午前中に乗ったモデルのサスは推奨のコンフォート設定、午後のセットは推奨のスポーツ設定ということだそうで、ダンパーを触らずだけど、大丈夫? と思ったがこれが良かった。ブレーキング時のノーズダイブが緩和され、旋回に移る時の一体感が一段と上がっている。それでいてトリッキーな面がない。速度を落とした状態でも乗り心地にイタズラすることも無いから、満足感はそのまま。ここでも、前後170mmという程よいストローク、19+17インチタイヤの美点を感じる。
 
 中身に荷物を満載したら少し印象は変わるだろうが、パニアケースにカメラを収めたバッグをいれたぐらいだとハンドリングへの影響は少なく、存在感を感じずにすんだ。これはツアラーとしては大切な部分だと思う。
 
 乗り出す前、実は1200S、エンデューロが搭載しているセミアクティブサスこそムルティストラーダの真骨頂、と思っていたが、午前と午後、二つセットアップ(しかもイニシャルプリロードの変更だけ)を試せたことで、コンベンショナルなサスを持つムルティストラーダも侮れない事を改めて知った。
 
 ホテルへの帰り道、このバイクの速度を問わない走行性能の確かさ、楽しさ。950というミッドサイズ排気量が生み出す親しみやすさに、My everythingという意味がわかった気がした。正直、今までそのプライスタグに指をくわえて見ていた人に、このモデルはドゥカティが提案するこのセグメントへの招待状となる。1200に対し5kgしか車重は減らないが、なんだかとっても気分が軽くなる走りにも満足してテストを終えたのだ。

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スポークも立体的なホイール。リアブレーキはφ265mm、片押し2ピストンキャリパーを組み合わせる。そのコントロール性の良さ、制動感、タッチなど上質。 排気系レイアウトは1200エンデューロと同様のスタイル。2-1-2となる。エンジン下部に大型のサイレンサーを持ち、アウトレット部を高めにセット、縦型細身としてパニアケースとスペース的に干渉しないようになっている。ステップのラバーは着脱式。
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大型のリアキャリアを装着する950。その下に覗くテールランプはLED光源のもの。 ハザード、オプションのフォグランプスイッチ、スターターボタン一体型のスライド式キルスイッチが納まる右側スイッチボックス。
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左側スイッチボックスでは、ライディングモードの選択(上下キー)とウインカーキャンセルスイッチを組み合わせて変更をする。走行中でも変更可能だ。 長めのハンドルポストで程よい高さになったハンドルバー。フォークキャップトップからプリロード、減衰圧を調整可能。
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油圧式プリロードアジャスターを持つリアショック。ザックス製ユニットは減衰圧を含めフルアジャスタブルだ。 LCDメーターパネルのデザインは1200と同様。1200S等に付くTFTカラーモニターの華やかさはないが、見やすく、表示切り替えで欲しい情報を取りやすい。メーター上にあるノブはスクリーンを上下に動かす時に操作するもの。ピンチ&スライド式で、片手で操作ができる。
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937㏄テスタストレッタ11°エンジン。ヘッド回りのオイル回路が見直され、セカンダリーエア導入をすることでドライバビリティーを改善、スロットルはバイワイヤー式。スロットルボディー本体はφ53mmのものを使う。クラッチはサーボアシスト+スリッパー機構付きで左手の負担も低減している。
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前後セパレートのシートを採用。標準シートの乗り心地の良さは印象的。リアシート下には小物入れがあり、USBアイテムを充電できるソケットも付く。 幾重にも重なるパーツを見事にまとめたデザインが魅力のムルティストラーダ。ハンドルバーから生えるミラーステーはエンデューロと同様のパーツを使っている。スタンディングでもミラーステーが腕と干渉しにくく邪魔にならない。
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フロントブレーキはφ320mm、ラジアルマウントのブレンボ4ピストンキャリパーを搭載。充分な制動力とタッチの質感も持ち合わせる。 左右両持ちとなるスイングアーム。このパーツもエンデューロと共用するもの。片持ちとは異なり、アクスルナットが小型となるため、携帯工具でライダー自身が出先でのタイヤ交換なども可能になる。1200エンデューロから採用されたのはそんな理由もあった。
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ステップ回りは1200系と同じパーツを使う。ステップ上のラバーは着脱式となっている。取り外すとアルミダイキャスト製ステップとブーツのソールが噛み合い、滑りにくい。また、オフロード系ブーツを履いたときの操作性も上がる。 ヘッドライトはハロゲンを採用。切れ長の目を思わせるヘッドライトの意匠はムルティストラーダの魅力の一つ。
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●DUCATI MULTISTRADA 950 主要諸元
■ホイールベース:1,594mm、シート高:840mm(オプションシート:820/860mm)車両重量:227kg、■エンジン種類:水冷4ストロークL型2気筒デスモドロミック4バルブ、総排気量:937cm3、ボア×ストローク:94×67.5mm、圧縮比:12.6、最高出力:83.1kw(113PS)/9,000rpm、最大トルク:96.2N・m(9.8kgf・m)/6,000rpm(ともにイタリア本国仕様の数値)、燃料供給装置:ボッシュ製電子制御燃料噴射(φ53mmスロットルボディ)、始動方式:セルフ式、燃料タンク容量:20L、クラッチ形式:湿式多板(セルフサーボ、スリッパー機構付)、変速機形式:常時噛合式6速リターン■フレーム形式:スチールパイプ製トレリスフレーム、キャスター:25.2°、トレール:105.7mm、ブレーキ(前×後):φ320mm油圧式ダブルディスク × φ265mm油圧式シングルディスク(ボッシュ製ABS)、タイヤ(前×後):120/70ZR19 × 170/60ZR17、懸架方式(前×後):KYB製φ48㎜フルアジャスタブル倒立フォーク × ザックス製フルアジャスタブル・モノショック、片持ち式スイングアーム。
■2017年4月導入予定 メーカー希望小売価格:1,736,000円/1,776,000円(税込)

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