シニアクラスの予選は何ともスッキリしない形で終わってしまった。このあとに予定されていたゼロクラスの予選もこの事故の影響で翌日に持ち越しとなった。ここまで天候や事故に左右されながらプログラムはかなり変更になっている。オレの持っている予定表などもはやなんの役にも立たない。そしてオレにとってその事自体はもうどうでもよくなっていた。毎日、朝起きてから観光するにしてもレースを観るにしてもその日、その日が常にドキドキ、ワクワクしている。おまけに予期せぬ出来事の連続。この目まぐるしい時間の流れの中に退屈という言葉は存在しない。そしてそれは実にエネルギーを使うのですよ。
つまり腹が減る。
帰り道で立ち寄ったスーパーで棚に陳列された食品を前にオレは悩んでいた。今さら悩んだところでどうなるものでもない。おいしくなくても我慢して腹を満たせばそれでいいのだ。わかっている。しかし、オレはとっても往生際が悪い。この期に及んでまだ何か手はあるはずと思案してしまう。そして思いついた。
単品でダメなら抱き合わせてみてはどうかと。とりあえずオレはこれまでで一番マトモだったような気がするカレーのようなものを手に取った。そしてもう一品。カップ麺である。
日本でも弁当や丼物に組み合わせることの多い鉄板メニュー。試してみる価値はある。
日本のカップヌードルがあれば一番良かったのだがあの世界基準はこのマン島にはなぜか置いていない。地元のものらしきやつを二品ほど購入した。