CRF250L
449,400円(5月14日発売)

★ホンダ CRF250L 車両解説

「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ“ちょうどいい相棒 New On & Off Gear”」
をキーワードにCRF250L登場

 昨年の東京モーターショーで国内デビューを果たして以来、多くのホンダ・オフ車ファンの注目を集めてきたCRF250Lがついに発売された。待望のXデーは5月14日と、同様に東京モーターショーでデビューし、発売が待たれていたNCシリーズ各車よりはちょっと遅目ではあったが、梅雨入り前も充分楽しめるタイミングでの登場となった。

 発売にあたって、より強調されたのが「オン・オフ」のコンセプト。本格的なオフロード・マシンではない、というのは東京モーターショーでも説明されていたとおりだが、「オン・オフ」といっても、最近のトレンドの「オン・オフ」マシンともちょっと違う。それは、日常使いの「On」と、週末の楽しみとしての「Off」、という意味での“オン・オフ”が開発のキーワードとなっているのだそうだ。

 本格的なオフロード競技を楽しむならモトクロッサーのCRF250Rがあり、はたまたエンデューロを堪能したいならCRF250Xがある。そう、今や一台でオフ・ジャンルのすべてをカバーしなければならなかったXRの時代とはまったく違う、ということなのだ。

 ちなみにスタイル面では、相当色濃く血筋が感じられるCRF250Rの歴史にもちょっと寄り道しておくと、それまでの2ストロークのCRシリーズからバトンタッチをされたのは2003年の11月。一足早く、2001年に衝撃のデビューを飾っていたCRF450Rの弟分として、水冷4ストローク、ユニカムバルブトレイン構成のOHC4バルブ単気筒エンジンをアルミ製セミダブルクレードル・タイプのツインチューブフレームに搭載して登場している。そしてその後、毎年戦力アップの熟成が行われてきたことはご存じのとおり。

 また、もう一つのCRFモデル、エンデューロマシンのCRF250Xは、それまで海外専用だったものを、多くの国内ファンからのリクエストに応えて2010年11月、受注期間限定で発売された。

 これら純粋なサラブレッドたちと同様の「CRF」の名称が採用されたため、CRF250Lもオフ・イメージが強いが、開発コンセプトの通り、普段は街中使いをメインに、たまの休みには林道も出現するような高原にも遊びに行く、といった国内のオフ車ユーザーの圧倒的多数の使い勝手にピッタリのモデルといえるだろう。

 とどめのサプライズは、44万9千400円というプライス。フルサイズ250ながらXR230よりも5万円近くもロープライスを実現してくれたのも、一つには本格的なオフロード・ユースを切り離すことで可能となったのだろう。また生産もタイ・ホンダで行われ、グローバル生産体制のメリットをフルに享受している。

CRF250L。カラーは2色。アグレッシブなイメージのエクストリームレッド。
CRF250L。こちらは、クールなイメージのロスホワイト。

★HONDA プレスリリースより (2012年4月13日)

新型オン・オフロードモデル「CRF250L」を発売

Hondaは、市街地からオフロードまで幅広い使用環境で、快適な走行が楽しめる新型の250ccオン・オフロードモデル「CRF250L」を5月14日(月)に発売します。

CRF250Lの開発にあたっては、開発のキーワードを「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ“ちょうどいい相棒 New On & Off Gear”」と定めました。ビギナーからベテランまで幅広いお客様が楽しく扱えるよう、トータルバランスと操縦安定性を徹底的に追求しました。

エンジンは、低・中回転域で力強い出力特性の水冷・4ストローク・DOHC・250cc単気筒を採用。オフセットシリンダーなどの低フリクション技術を多岐にわたって採用したことなどにより、燃費は44.3km/L(60km/h定地走行テスト値)と優れた燃費性能を実現しています。

新設計のフレームは、軽快性と安定性を両立し、しなやかな走りを可能とするスチール製ツインチューブタイプを採用しています。また、フロントサスペンションにはクッションストローク250mmの倒立タイプを、リアにはアクスルトラベル240mmのプロリンクサスペンションを採用することで、市街地からオフロードまで軽快で高い走破性を実現しています。

スタイリングは、モトクロスマシンCRFシリーズを継承しながら、さらにシャープかつアグレッシブさに磨きをかけ、新時代のCRFにふさわしいHondaのアイデンティティーを主張するデザインとしています。カラーバリエーションは、アグレッシブなイメージのエクストリームレッドと、クールなイメージのロスホワイトの2色を設定しています。

●販売計画台数(国内・年間)
7,000台
●メーカー希望小売価格
449,400円(消費税抜き本体価格 428,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません

=CRF250Lの主な特長=

●エンジン
オンロードからオフロード走行まで扱いやすく力強い出力特性を目指しました。低回転域から力強いトルク特性としながら、水冷・4ストローク・DOHCエンジンらしい高回転域まで伸びのある出力特性を両立しています。また、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどの低フリクション技術を多岐にわたって採用したことに加え、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI※)やO2センサーの搭載、マフラー内に装備した触媒装置(キャタライザー)との相乗効果により、高い環境性能を実現するとともに、44.3km/L(60km/h定地走行テスト値)の優れた燃費性能を実現しています。
※PGM-FI(Programmed Fuel Injection System)は、Hondaの商標登録です

●車体・足回り
新設計のフレームは、軽快なハンドリングと安定性を確保しながら、しなやかな乗り心地を実現するために、スチール製ツインチューブタイプを採用。メインパイプは、楕円断面形状としたことで高い剛性とスリムな車体に寄与しています。サスペンションは。フロントにインナーチューブ径43mm・クッションストローク250mmの倒立タイプとしたセパレート・ファンクション・フロントフォークを採用。軽量かつ高い剛性を確保することで優れた作動性と高い操縦安定性を発揮します。リアにはアクスルトラベル240mmのプロリンクサスペンションを採用するとともに、高い強度と適切な剛性バランスを確保したアルミ鋳造一体型のスイングアームによって、市街地からオフロードまで軽快で高い路面追従性を発揮します。

●スタイリング
モトクロスマシンCRFシリーズのスタイリングの特徴であり基本思想でもある「マス集中“トライアングルプロポーション”」を継承しながら、さらに磨きあげたシャープでアグレッシブなデザインとしたことで、新時代のCRFにふさわしいHondaのアイデンティティーを主張しています。タンクシュラウドからサイドカバー、リアフェンダーはフラッシュサーフェス化を図り、シャープなイメージを高めています。また、マフラーカバーと左側のツールボックスは、サイドゼッケンをイメージした形状とし、デザインのアクセントとしてます。車体色は2色設定とし、アグレッシブなイメージのエクストリームレッドにはレッドのシートを、クールなイメージのロスホワイトにはシルバーカラーのシートを採用しています。

●主要装備
・精悍さを高めるヘッドライトバイザーと、視認性に優れたマルチリフレクターヘッドライト(60/55W)
・燃料計や時計、トリップ/オドメーターを備えた多機能デジタルメーター
・泥や石飛びなどからエンジンへのダメージを防ぐスキッドプレート
・取り回し性に配慮した左・右で各45°のハンドル切れ角
・荷物の積載に便利なリアフェンダー部の荷掛けフック
・7.7L容量の燃料タンク

★主要諸元

車名型式 JBK-MD38
CRF250L
発売日 2012年5月14日
全長×全幅×全高(mm) 2,190×815×1,195
軸距(mm) 1,445
最低地上高(m) 0.255
シート高(m) 0.875
車両重量(kg) 143
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費(km/L) 44.3(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ) -
最小回転小半径(m) 2.3
エンジン型式 MD38E
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 76.0×55.0
圧縮比 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 17[23]/8,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 22[2.2]/7,000
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑油方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 7.7
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 3.333
2速 2.117
3速 1.571
4速 1.304
5速 1.115
6速 0.962
減速比1次/2次 2.807×2.857
キャスター(度) 27°35′
トレール(mm) 113
タイヤサイズ 3.00-21 51P
120/80-18M/C 62P
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式(倒立タイプ)
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 セミダブルクレードル

※製造事業者/Thai Honda Manufacturiong Co., Ltd. 製造国/タイ 輸入事業者/本田技研工業株式会社