オオカミ男のひとりごと


HERO‘S 大神 龍
年齢不詳

職業フリーライター

見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。

時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。

愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ900。

終わりなき人の連鎖、その途上にて

 とにかく、人、人、人。駐輪場にはバイク、バイク、バイク。オレは久しぶりに集客性の高いバイクイベントの会場に来た。さぬきバイカーズミーティング。四国最大級のバイクイベントだ。数千人規模のイベント参加は3年ぶりくらいになるだろうか、本当に久しぶりだ。このところプライベートな集まりにしか行ってなかったせいもあって妙に新鮮な感じもあるがやはり人の多さには少々、ウンザリしてしまう自分がいる。かつては嬉々としてこの手のイベントに行ってたはずなのにこの心境の変化は何なのだろうか。やはりどんな好物でも目の前に山のように盛られ、食いすぎるとどこかで嫌気がさすのと同じなのかもしれない。
 じゃぁこの時の心境は楽しいのか、楽しくないのかどっちなんだ? と訊かれればそのどちらでもあり、どちらでもない。なんせオレがここにいる理由が仕事だからだ。オレは人手不足なMJバイクマガジン編集部に頼まれてこのイベントの取材に来ていた。遊んでるわけにもウンザリしてるわけにもいかない。遊んでばかりいるように思われがちだがオレだってちゃんと日々勤労に励んでいるのだ。
 さっそく撮影用にカメラを準備していると会場からとんでもない爆音が轟いた。このイベントの目玉の一つであるドラッグマシンのデモ走行だ。このデモ走行、その辺のドラッグマシンを走らせてるのとはわけが違う。走るのはアメリカのハーレードラッグレースの最高峰トップフューエルクラスで常にトップを争っている800馬力でトップスピード時速370キロという世界最速記録を叩き出しているモンスターマシン。ライダーはCrazy” TAK”こと重松健氏。カメラの準備をしている時にこれが走ったと言う事は・・・そう、オレがこのオイシイ場面を完全に撮り損ねたと言う事だ。いきなりの大ポカである。さすがにもう一回走ってくれなんてお願いするわけにもいかない。なんせ一回、400mを走らすだけでおそらくオレがエイプで東京辺りまで行って帰ってくるよりも金のかかるであろうマシンなのだから。だいたいこのオレに撮影から全部を一任する事自体に無理がある。とことん遊び倒してレポートだけしてくれと言ってくれればよかったものを。
 この日、和歌山ではじゃばら酒をみんなでたらふく飲もうというじゃばら宴が開かれていた。日程がこのさぬきバイカーズと被っていたためオレはそのじゃばら宴行きを断念したのだ。和歌山の北山村ではきっと皆、笑顔で盛り上がってるんだろうな。ちょっと羨ましいが今さらあれこれ言っても始まらない。だが・・・オレはこのあと、ここでとんでもない人物と出くわす事となる。


毎年恒例、このイベントでは欠かせないモンスターハーレーのデモ走行。駆けつけたときはすでに走り終え、重松氏のインタビューとなっていた。無念!!
毎年恒例、このイベントでは欠かせないモンスターハーレーのデモ走行。駆けつけたときはすでに走り終え、重松氏のインタビューとなっていた。無念!!

他にも色んなジャンルによるバイクショーがこのさぬきバイカーズミーティングではプログラムとして行われる。生で見るトッププロによるそのライディングはド迫力!

他にも色んなジャンルによるバイクショーがこのさぬきバイカーズミーティングではプログラムとして行われる。生で見るトッププロによるそのライディングはド迫力!

他にも色んなジャンルによるバイクショーがこのさぬきバイカーズミーティングではプログラムとして行われる。生で見るトッププロによるそのライディングはド迫力!
他にも色んなジャンルによるバイクショーがこのさぬきバイカーズミーティングではプログラムとして行われる。生で見るトッププロによるそのライディングはド迫力!

日が暮れてからはステージでバンドによるライブや、いかにも香川といったうどんの早食い競争などが行われイベント会場はまさにお祭りムードに

日が暮れてからはステージでバンドによるライブや、いかにも香川といったうどんの早食い競争などが行われイベント会場はまさにお祭りムードに
日が暮れてからはステージでバンドによるライブや、いかにも香川といったうどんの早食い競争などが行われイベント会場はまさにお祭りムードに

会場内を歩くとあちこちで見知った顔に声をかけられた。まぁ地元に近い場所でのビッグイベントなんで当たり前といえば当たり前なんですがね。まったく仕事に集中できません

会場内を歩くとあちこちで見知った顔に声をかけられた。まぁ地元に近い場所でのビッグイベントなんで当たり前といえば当たり前なんですがね。まったく仕事に集中できません

会場内を歩くとあちこちで見知った顔に声をかけられた。まぁ地元に近い場所でのビッグイベントなんで当たり前といえば当たり前なんですがね。まったく仕事に集中できません
会場内を歩くとあちこちで見知った顔に声をかけられた。まぁ地元に近い場所でのビッグイベントなんで当たり前といえば当たり前なんですがね。まったく仕事に集中できません

 ドラッグマシンのデモ走行は見損ねたし、撮り損ねたがバイクショーによるイベントプログラムはアスファルトダンサーによるエクストリーム、日本のトッププロ選手達によるフリースタイルモトクロスとまだまだ続く。
 バイクのショーが一段落したところでオレはこの日の寝床について考えた。2日通しのこのイベント。近くのE島邸に泊めてもらうことも考えたがあまり環境が良すぎると翌朝一番に控えている集合写真の撮影に間に合うように起きれる可能性がひじょうに低くなる。とりあえずテントと寝袋は持ってきていたのですでに難民キャンプ化し始めているキャンプサイトの一画にテントを張る事にした。
 この日、オレは決めていた事がある。今回は仕事に徹して酒は呑まないと。そのためには夜に巨大な宴会場となるであろうこのキャンプサイトでテントを張る場所を考えなければならない。結論としてサイトの端っこにテントを張ろうとした時、声をかけられた。声をかけてきたのはアウトローラビットの看板を背負う坂本氏。さぬきバイカーズの参加車両はその8割がハーレーである。そして(これはあくまでもオレの見解だが)ハーレー乗りは2種類の人種がいる。どんな厳つい格好をしていようともファッション感覚でハーレーに乗っている者と完全なる筋金入り。坂本氏は思いっきり後者である。その坂本氏が自分達の周りが空いているからそこにテントを立てて一緒に飲もうと。きっとそうなるんだろうなぁという予感はあったが案の定、オレのささやかな決め事はあっけなく崩壊した。


凄まじいチョッパーで参加の坂本氏に誘われるままに宴会強制参加のオレ。当初の誓いはどこへやら。まぁいつもの事ですけど

凄まじいチョッパーで参加の坂本氏に誘われるままに宴会強制参加のオレ。当初の誓いはどこへやら。まぁいつもの事ですけど
凄まじいチョッパーで参加の坂本氏に誘われるままに宴会強制参加のオレ。当初の誓いはどこへやら。まぁいつもの事ですけど。