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カワサキ2013model
こちらでカワサキ Z800の動画を見られない方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/yobmBQIJksU」で直接ご覧ください。 カワサキの2013年モデルの目玉といえるZ800。よりアグレッシブなデザインに。

 Z1000とともに、カワサキの新時代デザインを切り開いてきたZ750がフルモデルチェンジ、新たにZ800として登場した。国内のライダーにとっては特別の意味を持っていた“ナナハン”の言葉とも、いよいよ決別の時が来たようだ。それがグローバリゼーションということなのかもしれない。

 Z1、ZIIの登場から早40年、このZ800は、「新世代のアグレッシブな“Z”デザインを具現化したモデルであり、カワサキデザイナー陣がZ750よりさらに一歩踏み込み、ミドルクラスの“Z”ブランドとして鮮烈なスタイルを表現したモデルです」と説明されている。

 どうしてもアグレッシブなデザイン面に目が行ってしまうが、その前に、まずはメカニズム部分で具体的にZ750とどこが違うのか、からお伝えしよう。748ccから806ccへと排気量をアップさせたエンジンは、ボア71.0mm×ストローク50.9mmとボアを68.4mmから71.0mmへと拡大。これにより全回転域でパワーとトルクをアップ。F.I.のスロットルボディもφ32mmからφ34mmへと拡大。レッドゾーンまでのスムーズなレスポンスの実現に貢献している。排気量の拡大に合わせて、吸排気ポート形状も最適化。最大トルク発生回転数をより低く設定することにも成功している。また吸気の最適化では、長さの異なる2タイプのインテークファンネルも採用(1番と4番が短く、2番と3番は長い)している。インテークダクトの幅も36.5mmから41.5mmに拡大。

 グラビティ鋳造+スチール製のライナーという形式を採用していたシリンダーは、アルミダイキャスト製のメッキシリンダーに変更。オープンデッキ構造とすることで約1kgの軽量化にも貢献している。ピストンの大径化に伴う重量増を相殺するために、ピストン高を47.2mmから40.2mmへとショートスカート化、約10%の軽量化を達成。オイルジェット穴径も0.8mmから1.2mmへと拡大、冷却容量をアップ。クランクシャフトジャーナルの溝底半径を1.5mmから2.0mmへ拡大し耐久性を向上。オイルパンの内部リブ形状も見直している。

 エキゾーストシステムでは、ヘッダーパイプを可能な限り管長を得るように曲げ加工が施され、1番と4番、2番と3番をジョイントパイプで連結、低中回転域でのパフォーマンスを向上させている。コレクターパイプ内には300セルのキャタライザーをデュアルで装備、排出ガス規制に適合。サイレンサー入口の上流部分には一体型の排気デバイスを装備。背圧をコントロールすることで低中回転域でのレスポンスを向上させている(ZR800A/Bのみ)。

 リアスプロケットを43丁から45丁に変更、ファイナルギアをショート化し加速感を向上。1速のアウトプットギア、5速のインプットとアウトプットギアの表面処理を従来のドライカットからシェービング加工に変更することで、耐久性を向上。とまあ、まだまだ細かい改良は数知れないが次の車体周りへ。

フロントサスは、インナーチューブ径φ41mmのKYB製倒立フォークを採用。排気量拡大とフレーム剛性の変化に合わせて、セッティングを最適化した。 リアは、リジッドマウントとラバーマウントを併用することで、しっかりとしたシャーシのフィーリングと高いフィードバック性能を実現。マシンの挙動を把握しやすく、高いコントロール性に貢献しているという。ファイナルギアの設定に合わせ、スチール製のスイングアームは560mmから572mmへと延長。
高張力スチール鋼管製のバックボーンフレームは、Z750をベースに剛性を最適化。鋳造アルミニウム製のサブフレームを採用することによって、前側のエンジンマウント位置をエンジンの重心に近いシリンダー後部に配置することが可能となった。これにより、特にハンドルからライダーに伝わる振動を低減、快適性を向上させている。左右のサブフレーム前部はパイプで結合。フレームの剛性バランス、特にねじれ剛性を最適化させている。 3分割方式のLCDスクリーンでアグレッシブにデザインしたメーター。LCDスクリーンの中央部にはレベルメーター式のタコメーターを装備。左右のメーターパネルにはスピード、オド、時計、デュアルトリップ、水温、燃料、航続可能距離、エコノミカルライディングインジケーターなどを表示。
Z800のデザインテーマは“獰猛さ”。「数多くのストリートファイターマシンのスケッチが描かれ、単なるマシンではなく、まるで生き物のような息づかいを感じさせる様な存在感を放つ」(リリースより)。 スリムなリア周り。「マスフォワード」イメージをより強調している。新設計のLEDテールライトは、ごらんの通りバルブを“Z”パターンに配置。
ニーグリップがしやすいように後部を絞った形状を持つタンク。上面には“Z800”の文字をアレンジ。タンク側面にはカバーを配し、ストリートファイターらしいたくましいイメージを表現。 フロントシート表皮にも“Z”の文字をデザインしたパターンを採用(Z800A/Bに採用。※A/Bの表記は、Aがフルパワー、Bはフランスの78.2kWと欧州向けの72.0kW出力仕様で、C/Dは欧州向けの70kW/35kWの低出力モデルのマーケティングコード)。
ライダーの身長は176cm。

 フレームもZ750の高張力スチール鋼管製のバックボーンフレームをベースに開発され、剛性を最適化させている。エンジンサイドには鋳造アルミニュウム製のサブフレームを組み合わせて、エンジンマウント位置をエンジンの重心に近いシリンダー後部に配置。ハンドルからライダーに伝わる振動を低減。またこのサブフレームの採用によりメインフレームをよりスリム化することが可能となったという。左右のサブフレームは前部を連結することでフレームの剛性バランス、特にねじれ剛性を最適化している。

 フットペグ、シート、ハンドルバーによる位置関係は、ライダーとマシンのコミュニケーションにとって重要なジオメトリー。この3点をバランス良く配置することでライダーが安心感を持ってマシンをコントロールすることが可能となっているという。シフトレバーはフットペグと別軸とすることにより、よりコンパクトな配置と、コントロール性を向上。Z750に対してスリム化されたシートの採用とサイドカバーのデザインを検討することで、より自然なライディングポジションが取れることになり良好な足つき性を実現している。

 フロントサスはKYB製のインナーチューブ径φ41mmの倒立フォークを採用。排気量拡大とフレーム剛性の変更に合わせて、セッティングを最適化。フォークは伸側減衰力とプリロード調整が可能(AZR800A/Bのみ、ZR800C/Dは不可)。リアはリジッドマウントとラバーマウントを併用することで、しっかりとしたシャーシのフィーリングと高いフィードバック性能を実現。マシンの挙動を把握しやすく、高いコントロール性に貢献しているという。ファイナルギアの設定変更に合わせ、スチール製のスイングアームは560mmから572mmへと延長されている。KYB製のリアショックはセンターより20mmオフセットされ(Z750では右に38mmオフセット)、サイレンサーを配置するスペースを確保するとともに、左右の重量バランスを最適化。

 ブレーキは、フロントに外径φ310mm(Z750はφ300mm)のペタルディスクをダブルで装着。コントロール性の高い対向4ピストンキャリパーにシンタードバッドを組み合わせ(ZR800A/Bのみ。ZR800C/Dは2ピストン)。リアはφ250mmのペタルディスクをシングルで装備。キャリパーはシングルピストン。

■Z800 主要諸元■
●全長×全幅×全高:2,100×800×1,050mm、ホイールベース1,445mm、最低地上高:150mm、シート高:834mm、車両重量:226/231kg、燃料タンク容量:17L●水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ、排気量:806cc、ボア×ストローク:71.0×50.9mm、圧縮比:11.9:1、燃料供給装置:F.I.、点火方式:デジタル、始動方式:セル、潤滑方式:ウェットサンプ、最高出力:83.0kW(113PS)/10,200rpm、最大トルク:83.0N・m(8.5kgf・m)/8,000rpm●常時噛合式6段リターン、1速:2.571、2速:1.941、3速:1.556、4速:1.333、5速:1.200、6速1.095、一次減速比:1.714、二次減速比:3.000●フレーム形式:バックボーン、サスペンション前:φ41mm倒立テレスコピック、後:ボトムリンク、ユニ・トラック、キャスター/トレール:24°/98mm、ブレーキ:前φ310mダブルディスク、後φ250mmシングルディスク、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後180/55ZR17M/C 73W

(※欧州/オーストラリア/東南アジア/ブラジル向けのフルパワー仕様)

 他のカワサキ2013年モデルより一足先、8月の頭に発表された新型Ninja 250。未だ海外向けモデルとしてしか紹介できないが、国内販売を望む声は一段と大きくなっている。なによりも、よりZX-14Rをイメージしたフェアリング、ZX-10Rスタイルの“フローティングウインドスクリーン”、大型Ninjaモデルに共通するアルミフットペグや多角形サイレンサーなど、スポーティさが強調されたスタイリングに惹かれる方は多いだろう。

 今年の夏に発表された新型Ninja 250。その新型Ninja 250に兄貴分が誕生。ストロークを41.2mmから49.0mmへ延長して、296ccへと排気量アップしたエンジンを搭載するNinja 300がデビューしたのだ。250という排気量区分に特別な意味を持たない海外からの「モアパワー」のリクエストで、29.0kW(39PS)の最高出力と、27.0N・m(2.8kg-m)の最大トルクを発生するエンジンが開発されたのだ。250との違いは基本的にエンジン周りのみ。

 昨年、Z1000をベースにエキサイティングな運動性能はそのままに、魅力的なフルフェアリングを採用して実用機能をプラスしたスーパースポーツとして誕生したNinja 1000。今回は、性能、機能一切変更無しで2013年モデルとなった。カラーリングも踏襲。

 2003年に始まった“スーパーネイキッドZ旋風”。従来のカワサキマシンのデザインイメージを塗り変えてしまったといえるアグレッシブ・スタイルで人気を呼んだが、そのZ1000もすでに3代目、2013年モデルでは、カラーリングでアップトゥデートが行われた。ホイールも素材感を活かした処理に。

 ZX-6Rの2013年モデルはフルチェンジが行われた。これまでの599ccエンジンは、ボアアップで636ccへと排気量アップ。最高出力96.4kW(131PS、ラム加圧時は137PS)と、71.0N・m(7.2kg-m)の最大トルクを発生(欧州仕様等)。プレス成形のアルミ・ペリメターフレームの基本構造は変わらないが、キャスター角を変更、SHOWA製のSFF-BPFフロントフォークなどの採用とともに、より軽快なハンドリングを実現したという。

 1400GTRの北米仕様。2013年モデルでは性能、諸元に変更無し。KTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)やK-ACT ABS(カワサキ・アドバンスド・コアクティブブレーキング・テクノロジー・ABS)、エコノミカルライディングインジケーターを採用するなどの特徴もそのまま。