Ninja250リニューアル記念特別企画 温故知新 初代NInja GPZ900R FOREVER
GPZ900R大全
1984A1
A1

 1983年のパリショーで発表されたGPZ900Rは、水冷DOHC4バルブ4気筒エンジン、後半がアルミの3ピース構造フレーム、フルカウル、フロント16インチなどカワサキ車としては初の革新的なメカニズムを満載したスーパースポーツのフラッグシップモデルであった。
 第二世代のZ1を目標にしたGPZ900Rは、メインターゲットの欧州はもちろん、Ninjaの名称が付けられた北米でも大きなヒット作となった。このNinjaというネームは以後北米でカワサキスーパースポーツトップモデルの代名詞となり、現在まで脈々と受け継がれているのはご存知の通り。

 最初期型のA1はフルパワー115psの欧州仕様と、110psの北米仕様が用意された。両仕様の主な相違点は、北米仕様はハンドルが高め、ステップが前寄り、リアフェンダー短め、サイドリフレクター標準装備、スピードメーターマイル表示、車名標記がNinja、スペックでは最終減速比や全長、乾燥重量が異なっている。ただし、欧州仕様でもスイス向けは69psだったり、イギリス向けはスピードメーターがマイル表示なのに北米仕様でもカナダ向けはキロ表示であったり、北米仕様のカリフォルニア向けはキャニスター付きなど仕向地による細かい違いもある。


A1

A1
ファイヤークラッカーレッド×メタリックグレーストーン(欧州仕様)

A1

A1
ルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバー(欧州仕様)

A1

A1
ファイヤークラッカーレッド×メタリックグレーストーン(北米仕様)

■ZX900-A1主要諸元■
エンジン型式:水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ、ボア×ストローク:72.5×55.0mm、総排気量:908.2cc、圧縮比:11.0:1、最高出力:115PS/9,500rpm、最大トルク:8.7kg-m/8,500rpm、キャブレター:CVK34、燃料タンク容量:22L、オイル容量:4.0L、全長:2,200 全幅:750 全高:1,215mm、ホイールベース:1,495mm、最低地上高:140mm、シート高:780mm、車両重量:228kg(乾燥)変速機:常時噛合式6段リターン、キャスター角:29°00’、トレール:114mm、タイヤ前:120/80V16、後:130/80V18、ブレーキ前:油圧式ダブルディスク、後:油圧式シングルディスク、懸架方式前:テレスコピック式、後:スイングアーム式 発売当時価格:輸出車 ※諸元は欧州仕様
1985A2
A2

 基本的にはA1のカラー変更のみだが、サイドリフレクターが付き、リアフェンダーが長い豪州仕様と、リアフェンダーが短い南アフリカ仕様が新たに設定された。南アフリカ仕様にはNinjaのロゴが入ったカワサキワークスカラーイメージのライムグリーンが設定された。エボニー×ファイヤークラッカーレッドは北米仕様専用カラー。

 また、1986年に大ヒットした映画「トップガン」の主人公トム・クルーズの愛車として登場し、一般層にもNinjaの認知度が大きく広がった。


A2

A2
ライムグリーン×ポーラホワイト(南アフリカ仕様)

A2

A2
ルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバー(豪州仕様)

A2

A2
ファイヤークラッカーレッド×ギャラクシーシルバー(豪州仕様)

A2

A2
エボニー×ファイヤークラッカーレッド(北米仕様)

A2

A2
A2のカタログ。左は欧州向け(と言われているが、使われている写真は豪州のようだ)で右が北米向け。冒頭のあおり文で、北米向けにはZ1の文言が出てくるが、欧州向けにはTTレースでGPZ900Rが勝ったことが書かれている違いがおもしろい。他のページは車両写真は異っているが、解説部分の内容はほぼ同一のものが使用されている。
1986A3
A3

 車名標記がサイドカバーではなくフロントカウルに移され、Zが小文字からGPと同じ大きさとなったA3では、高回転時にヘッド周りがオーバーヒート気味になる対策としてシリンダーヘッドのオイルライン径が拡大され、フロントフォークアウターチューブのカラーがシルバーになった。主要諸元はA2から変更なし。写真の新色の他、欧州ではルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバーも継続販売された。


A3

A3
エボニー×ファイアクラッカーレッド(欧州仕様)

A3

A3
ファイヤークラッカーレッド×パールアルペンホワイト(北米仕様)
1987A4
A4

 新たなフラッグシップモデルのZX-10が登場し、GPZ900R/Ninjaは第一線モデルから脱落してしまったが、カタログ落ちすることなく、カラー変更で継続販売された。公式写真は存在しないが(うがった見方をすれば当時のGPZ900Rの立ち位置はその程度の扱い)ルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバーも存在した。なお北米向けはこのA4が最終型となった。


A4

A4
ファイアークラッカーレッド×ギャラクシーシルバー(欧州仕様)
1988A5
A5

 基本性能の向上とパーツの共通化のためフロントディスクブレーキ板がGPZ1000RXと共通部品に変更された。写真は小さくドイツ国旗が入った珍しい当時の西ドイツ向け。ちなみに最高出力は、西ドイツとスウェーデン向けが100PS、フランス向けは75PSに設定されていた。
 A4同様に写真はないが、A4と同じグラフィックのファイヤークラッカーレッド×ギャラクシーシルバー(赤ホイール)と、ルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバー(シルバーホイール)も併売された。


A5

A5
エボニー×パールコスミックグレー(西ドイツ仕様)

A5

A5
エボニー×パールコスミックグレー(欧州仕様)
1989A6
A6

 基本的にはカラー変更のみ。一部仕向け地にはラジエターの冷却水の排熱を利用した温水キャブ(キャブヒーター)を装備した。写真の他にA5と同じグラフィックのルミナスポラリスブルー×ギャラクシーシルバーも存在したが、これも公式写真が撮影されていない。


A6

A6
エボニー×パールコスミックグレー(欧州仕様)

■Ninja250リニューアル記念特別企画 温故知新 初代NInja GPZ900R FOREVER

[VOL.1 「第二のZ1を作れ GPZ900R・Ninja開発ストーリー」]
[VOL.2 GPZ900R大全 その1 A1~A6(1984~1989)]
[VOL.3 GPZ900R叙情的インプレッション]
[VOL.4 GPZ900R大全 その2 A7~A11(1990~1998)]


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