③松浪健太衆議院議員が計る議員立法自動二輪車等規制改革の推進に関する法律(仮称)」日本維新の会で着々と進行中! 目指すは超党派その「法律案・骨子」全文を掲載
松浪議員

 自らも熱心な二輪車愛好家・ライダーである松浪ケンタ(健太)衆議院議員が議員立法として提出しようと作業を進めているのが「自動二輪車等規制改革の推進に関する法律(仮称):以前オートバイ行政推進一括法案(仮称)と呼称していたもの。複数の異なる法律や規制で煩雑・不合理となっている二輪車の法的・社会的ポジションや決まり事を、このひとつの法律でまとめる役目を担わせる。立法的にはいわゆる「プログラム法」(理念法とか基本法とか言われている法律のこと)の形態をとり、二輪車とは何かを含めて、二輪車の基本的な法での規定、存在意義・意味、交通体系での位置付けなどの理念と具体的アウトラインをこの法律で決めるというのが目的。つまり既に制定されている各法律や決まり事はこの成立した新法に矛盾しないように改正されることになる。現行の道交法を改正し、車両法を改正し…という想像を絶する過程を踏まずして”改革”が成されるわけだ。すでに法案作りの専門機関である衆議院法制局との作業も進捗しているという(松浪議員)。ただし例えば教育基本法などでは、あまりに大まかな規定しか盛り込まれていない”欠点”も指摘されるところから、同議員は「(二輪車について様々な不合理の改正を盛り込みたいので、あえてスタート時は)”一括法”で仮称している」とのことだった。

 以上の記事に続いて、前回の文末ではこう書いた。

 こうした松浪議員の活動は、二輪車離れの大きな理由とされている「二輪車利用環境改善」にダイレクトにつながる動きとして注目していきたいのだが、同議員が現在、いわゆる”政局”の真っ只中にいるのも事実だ。ご承知のように松浪議員は地域政党・大阪維新の会が結成する新党「日本維新の会」に参加することを表明、9月11日(※2012年)に所属していた自民党に離党届を出している。自民党時代には同党オートバイ議連の事務局長として積極的に活動、民主党のオートバイ議連との超党派合同勉強会も実現させている。今後の同議員の行動に注目したい。

 そして昨年12月に行われた衆議院選挙で松浪議員は高槻市中核の大阪10区で日本維新の会から出馬、7万1117票を獲得して選挙区での当選を果たした。ちなみに同区の“ライバル”である民主党(前・社民党)の辻元清美議員は選挙区で松浪議員に敗れ近畿ブロックで当選と、2009年の選挙とまったく逆の結果となった。これで松浪議員は41歳にして4回目の当選を果たした。

 で、日本維新の会に身を置くことになった松浪議員の、前述したようなオートバイ行政についての活動はどうなるのだろうか、それが気になっていた。

 今年2月6日、東京で「〜黄金のトライアングル 二輪国内出荷100万台を目指して〜 第7回ケンタ・オートバイ フォーラム」が開かれ、気になっていた「その後」が明らかにされた。

 前回のこの項では前述のように「オートバイ行政推進一括法案(仮称)」は進化し、今回はより具体的に「自動二輪車等規制改革の推進に関する法律案(仮称)」というプログラム法として我々の前に提示された。本誌はこのプログラム法・法律案の骨子(案・未定稿)を入手したので、WEBの利点を活用して、それをそのままのカタチでお見せしよう。松浪議員は「この骨子は横書きだが、これから法制局と共にこれを縦書き=法律にしていかなければなりません」と決意を語ってくれた。また、「日本維新の会の橋下徹代表はリアリストですから、法案を出すなら絶対に成立させてください、と言われています」という“トピックス”も披露した。

 それではこの法案成立を計る松浪議員の現段階での立ち位置はどうなのか。これについては「(党の組織の中に)オートバイ部会を立ち上げて他党のオートバイ議連や議員と勉強会を開き、その結果を国土交通部会に持っていきます。早々に自民党のオートバイ議連の会長・逢沢一郎議員と会合を開き、その後、自民/民主で以前に開いた勉強会のようなものをさらに拡大して、プログラム法を推進していきたい。超党派のオートバイ議連ができるのがいいと思います」「(かねてからの主張である)道州制、憲法改正といった“うねり”の勢いの中でオートバイ行政も実現させていきたい。日本維新の会の中では幸いにも上野ひろし(宏史)議員(みんなの党参議院議員から日本維新の会に入党。群馬1区:比例北関東ブロックで衆議院議員に当選。東大とハーバード大卒、経済産業省・自動車部門担当を経て議員に)という実に頼もしい方が部会の事務局長を担ってくれます。2人協力して維新の会の中で“オートバイ”をやっていきます」とのこと。自民党に所属していた時とか立場や環境は異なるものの、オートバイ行政については従前からの思いと行動を持続させていくと宣している。

 なお、松浪議員による「自動二輪等に係る規制改革等に関する法律案(仮称)については松浪議員が詳細・明解なる「検討メモ」を作成している。前述してきたプログラム法:基本法が成立することで、それが現在の二輪関係の法律にどう波及し、結果どの方向に行くか、かなり踏み込んだものであり、国会でのやり取りも含み、今までの経緯が整理して提示されている。今回はその検討メモも入手したので、いささか長文であるが、すべてを知っていただきたい思いもあり、個々の内容について興味のある方のため「付録」として原文のまま別掲しておく。ある意味、二輪界が抱える利用環境改善の課題のほとんどすべてが俎上にあがっている。なお、ここでも車検についても検討メモが含まれているが、今後提起していくかどうかを含め、業界的には微妙な課題でもあり、あくまで松浪議員の「私案」であることをお断りしておく。

 最後に——。

 
 実は松浪議員のケンタ・オートバイ フォーラムでは世話人代表として新井理夫氏・アライヘルメット社長が開会の、国内4メーカーの団体である一般社団法人 日本自動車工業会 二輪企画部会長・世古俊晴氏が閉会の挨拶を述べている。示唆に富んだその発声の一部を記録しておく。
 新井理夫氏「国会に二輪を応援してくれる議員をいることはとてもうれしいことです。オートバイ業界も今は量より質への転換の時代です。その意味で二輪はわかりやすい。それは国民一人ひとりが生きていく事、つまり楽しめることを提供できる存在です。遊び、スポーツ、趣味…。そういうことを通じて多くの人に喜んでいただけることが我々業界の仕事です」。
 世古俊晴氏「経産省に伺った時に、規制などが修正された場合、世の中がどう変わるかという視点で(規制改革を)進めていってはどうかと言われました。そのためには二輪の存在について志を持って、もっとアピールしていかなくてはなりません」。


オートバイ国家戦略2013
これが最新版松浪議員の「オートバイ戦略チャート」。超小型モビリティが加わるなど前回のチャートは修正・進化している。
※以下、図版をクリックすると拡大したサイズで見られます

自動二輪車等規制改革の推進に関する法律案(仮称)骨子(案)1

自動二輪車等規制改革の推進に関する法律案(仮称)骨子(案)2

自動二輪車等規制改革の推進に関する法律案(仮称)骨子(案)3
これが松浪議員が作成したプログラム法の案。道交法と車両法や免許制度などの連携・整理を計る。ただし「第六 4」車検を入れたことについてはあくまで私案とのこと。

※以下の項目をクリックすると各項目に移動します



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