ホンダ
こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/Yf_ZvO-S7F0」で直接ご覧ください。 「New FUNdamental Concept」CBR400RとCB400Fの試乗会で開発陣の記念撮影。写真中央後方が開発総責任者の青木柾憲さん。そして向かって左隣が開発責任者の飯塚直さん。「海外向けの500のお下がりなんかじゃない! まずは400ありきで、国内市場に向けた新たな400を作りたいがために、海外で数の稼げる500も作ったのです!」と開発総責任者の青木さんは力を込めて語ってくれた。
CB400F「Modern & European Naked」
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 3車とも同じ直列2気筒のエンジン、同じシャシーで構成されるニューミッドコンセプトが好調のホンダから、今度は同じように400クラス市場に向け、エンジン、シャシーを共有した3機種が用意された。

 今回、その内のネイキッドなCB400Fと、レーシーなフルカウルを装着したCBR400Rの2機種に試乗することが出来た。

 知っている人もいるだろうが、欧州など海外では同じ成り立ちと姿の「500」モデルが先に発売されている。乗る前の説明会では、開発陣が、「これは500のお下がりではなく、400専用モデルとして開発が進み、後から500の話が加わったのだ」と強調していた。

 免許制度による日本だけのカテゴリーである400クラスは、大排気量車に乗りやすくなったと言っても、免許を持っている人は大型より多い事実。それを狙って当初は400専用として開発が進んだというニューモデルを3機種も投入するところにホンダの意気込みを感じた。このところ少し元気のなかったこのクラスをまだ諦めていなかったということ。いちバイク好きとして嬉しい。

 最初はストリートファイター的なスタイルのCB400Fに乗った。シートに跨ると身長170cm、体重68kgの私でも両足カカト接地まであと少しといった余裕の足つき。パイプハンドルは少し開き気味だけど、全体がライダーから遠くないので、腕に無理がかからない。フルロックまでハンドルを切っても伸びた方の腕に余裕が残った。切れ角は充分で、これならUターンにも困らない。事実、その後走った時に何度もUターンをしたが、1.5車線の幅があれば普通に怖くなくクルリと回れた。

直列2気筒エンジン搭載によるコンパクトかつスリムな車体に、力強く個性的なシュラウドをあしらうことにより、のびやかさとメリハリのある力強いプロポーションを実現。タンク、シュラウド、ヘッドライトを一体感のある塊としてダイナミックに表現するとともに、力強さをより大胆かつ明確に表現したという。一体化されたステップホルダー、美しく磨きあげられた高級感あふれるステンレス製のキャタライザーカバーがエンジン下周りのデザインポイントに。 CB400Fのライディングポジションは、ネイキッドスポーツとして街乗りでの取り回しやすさや、足つき性などの扱いやすさを重視したものとしている。このため、フラットハンドルを採用しながらも、腕や肘に余裕を持たせ、シート幅や形状も扱いやすさを重視している。
ライダーの身長は170cm。
特徴的なV字型マルチリフレクターの装着とクリアブルーのエクステンションによりホンダのスポーツネイキッドのDNAを継承。より精悍なヘッドライト周りの表情に。 メーターはフル液晶タイプを採用。コンパクトなサイズの中に豊富な情報を表示する。燃料計や時計はもちろん、瞬間燃費や平均燃費、燃料消費量などを表示する機能も持つ。 シュラウド下部はレイヤー構造をとり、走行風を効率的に排出する。シュラウドとタンクをつなぐ面の表現がデザイン上の大きなアクセントに。

 車体はコンパクトでハンドルを掴んでの押し引きも軽い。これぞ400。特にこのCB400Fはハンドルマウントのフロントカウルが小さいので地面が良く見えてコンパクトな印象に磨きがかかっていた。感心したのはカウルの内側やシュラウド風フロントサイドカウルの内側もちゃんと有機的な丸みのある形状の黒カバーを装着し隠していたところ。レンズがブルー(CBR400Fはクリア)のメーターを含めて安っぽさがない。独特の造形でありながらスタイリッシュにまとまっていて、個人的な印象だけど、素直にカッコイイと思えた。

 それでも、正直に言うと走り出すまで実はあまり大きな期待をしていなかった。手に入れやすい価格と乗りやすさに割り切った兄貴分のニューミッドコンセプトシリーズのやり方全てを踏襲したものだと思っていたからだ。ニューミッドコンセプトシリーズは669cm3の排気量ゆえの極低速からのトルクフルな味わいがあった。こちらはDOHCだが同じ直列2気筒だし、399cm3では少しツライよなぁ、まったりした性格かなぁ、なんて考えていたのである。

 これがいい意味で裏切られた。新設計エンジンはとてもスポーティーだった。低回転から充分なトルクが出て、高いギアでトコトコと走っていると2気筒らしい鼓動でスルスルっと進める。そのままスロットルを大きく開けると5千回転から加速に気合が入って、淀みない回転上昇。控えめながらしっかりと2気筒らしいビートを感じながら速度が伸びてビュンと1万回転まで軽く到達。あるところを境に力が落ちていくのではなく、1万回転付近まで回すほどパワフルになった。高い回転域でスロットル開け時にグンと力強く前に進ませる感じはなかなか。

 乗る前に「ビギナーやリターンライダーでも怖くない乗りやすさを重視しました」と聞いていた。確かに低中速の扱いやすさはあった。だけど、ここまで回して面白いエンジンだとは聞いてなかった。絶対的なパワーは4気筒に譲るけれど、この体感的な力強さには好感をもった。

 前後のサスペンションは調節機能を持たない、スペック的に飛び抜けたものはないけれど、初期はきっちり柔らかく、ストロークの奥で踏ん張り、ダンピングも効いている。それなりに速度が出てスロットルを開けていけるワインディングで、安心してコーナーへ飛び込めて、さっと旋回出来る身のこなしの軽さが光るハンドリング。

 間違いのないように書くと、速度が上がって路面状況が変われば、もっと高性能な足周りが欲しくなるだろうとも思った。しかし、現実的に一般公道であるワインディングでは充分なもの。エンジン性能と相まって走るのが面白くて、気がついたらステップのバンクセンサー部が地面と接触するようになっていた。シングルディスクのブレーキはタッチも効きも満足。それほどハイグリップではない純正で履いていたタイヤとのマッチングを考慮したに違いないブレーキとハンドリングで全体のまとまりがいい。エンジンも含め、胸を張って「これは楽しいスポーツバイクだ!」と言える。

車体周りは、初心者からベテランまでが日常生活での使用から、時にはツーリングやスポーツ走行まで楽しめる最適な車体サイズやディメンションとし、マス集中化を図っている。また、しなやかさと剛性感を高次元で融合させるために、400スポーツモデルとして、軽快で素直なハンドリングと安心感のある操縦特性に寄与するフレーム、快適性・扱いやすさに配慮したスポーティーなライディングポジション、ライダーの要求する走りを支え、性能を余すことなく発揮できる、安心感のある足周り、そしてライダーに安心感をもたらすABSの装備などが行われている。
■CB400F 主要諸元
●エンジン:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:67.0×56.6mm●総排気量:399cm3●圧縮比:11.0●最高出力:34kW(46PS)/9,500rpm●最大トルク:37.0N・m(3.8kg-m)/7,500rpm●燃料タンク容量:15リットル●燃料供給装置:フューエルインジェクション(PGM-FI)●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:ダイヤモンドタイプ
●全長×全幅×全高:2,075×780×1,060mm●軸距離:1,410mm●シート高:785mm●最低地上高:155mm●重量:190kg〈192kg〉●サスペンション:前テレスコピック、後スイングアーム(プロリンク)●ブレーキ:前シングルディスク、後シングルディスク●タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後160/60ZR17M/C 69W
※〈 〉内はABS仕様。
カラー設定は2色。グラファイトブラックとパールサンビームホワイト。メーカー希望小売価格は648,900円。ABS仕様は698,250円。5月23日発売。販売計画台数は1,500台。

 

CBR400R「Super Sports DNA」
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 次はレーサーレプリカ風味のCBR400R。なんとCB400FとCBR400Rは、フロントカウル周りの外装以外で違うのはハンドルだけ。他はセッティングまで同じということ。でもシートに座ってハンドルを掴んだら、まるで別のバイク。セパレートハンドルはCB400Fより手前に絞られている。スーパースポーツ風のカウルがあるからポジションだけでなく景色も違う。セパレートハンドルながら時流に沿って、前傾はまったくキツくないもの。

 それだけしか変わらないから走りも同じかというと、これが少し違うから面白い。カウルが大きい分、カタログ値ではCBRの方が2kgだけ重くなっている。その差と、ハンドルの違いによる車体中心からの力点(両手の位置)が同じではないこともあって、ハンドル操作と体を使った積極的なライディングで軽い身のこなしで入っていくCB400Fに対して、フロントの荷重が増え、車体との一体感が強く、ややしっとりとした初期旋回を見せた。

 CBR400Rのメリットは、ハンドルの絞りで脇が開かず、長時間でも疲れにくいことと、日常的な速度でも体に当たる風の強さに違いを感じたカウルがあること。高速道路の長時間走行や、ロングツーリングに威力を発揮しそうだ。

 この2台にはスロットルを操作し加速減速しながら右に左に倒しこんで走る気持ち良さがあった。客観的な速い遅いなんて関係ない。重要なのは主体であるライダーの感じ方、気持ちだ。私は試乗中ずっと「こりゃイイネ」と思いながら走っていた。

 400クラスに魅力的な選択肢が2つも増えたことを歓迎したい。そうなるとまだ乗っていない兄弟車、400Xも気になる。
(試乗:濱矢文夫)

CBR1000RRやCBR600RRを彷彿とさせるフルカウル。スーパースポーツのフォルムを基本としながらも、快適なライディングポジションとアグレッシブスタイルの融合、力強い造形のエンジンを見せるデザインとフルカウルデザインの融合を行っているという。ミッドカウルは、高い冷却性と低いCd値の両立を目指した高効率なエアマネージメント機能を持たせつつ、エアロダイナミックを感じさせるシンプルで美しいサーフェースデザインを表現している。アンダーカウルはエンジンやキャタライザーへ直接走行風を導く構造とし冷却性能を高めながら、エンジンを包み込むような一体感を持たせている。 CBR400Rは、スポーツバイクとして構えずに乗れる車体サイズとし、街乗りからワインディングロードでのスポーティーな走行まで楽しめる高品位な次世代オールラウンドのフルカウルスポーツに相応しいライディングポジションとしたという。シート高785mmと足の出しやすいシート形状とすることで良好な足つき性を確保している。また従来のスポーツモデルに対して、ハンドルとステップは膝や腕周りに余裕のあるポジションとしている。
ライダーの身長は170cm。
フロントビューの特徴となっているデュアルヘッドライトは、高輝度のマルチリフレクターと樹脂クリアレンズを組み合わせることで、軽量コンパクトを実現。またアッパーカウルに設けた左右のサイドエアアウトレットはライダーへ適度な走行風を導くとともに、車体の切り返し性の向上にも寄与しているという。 メーターの基本ユニットはCBR400R、CB400F、そして400Xで共通だが、メーター上面のレンズ色をCBR400Rでは、ピュアスポーツにマッチしたクリア色、CB400Fでは爽快さをイメージしたブルー、400Xは雄大な大地をイメージしたアンバーを採用。 横幅の狭いコンパクトな直列2気筒エンジンの利点を生かし、前面投影面積を最小限にしたうえで、自由度の高いライディングポジションと居住空間を作り出している。CBRとCBは共通のセパレート式シートを採用。
エンジンは500のスケールダウンではなく、国内専用の400エンジンを開発。エントリーユーザーにも扱いやすいよう、最も使用頻度の高い、低・中回転域の特性を重視し、最大出力回転数を9,500rpmに設定。また、クランクは180度位相クランクとし、カップルバランサーをシリンダー背面に配置することで、振動低減と同時にコンパクトでスタイリッシュなエンジン外観としている。吸・排気の高効率化を目指し、吸・排気バルブの大型化とバルブステムを細軸化し、エアクリーナーから吸気ポートをストレートな形状に近づけている。さらに吸・排気系の徹底的な解析により、最適な管長や口径を選択することで低・中回転域で扱いやすく、高回転域ではスポーティーな特性としている。
■CBR400R 主要諸元
●エンジン:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:67.0×56.6mm●総排気量:399cm3●圧縮比:11.0●最高出力:34kW(46PS)/9,500rpm●最大トルク:37.0N・m(3.8kg-m)/7,500rpm●燃料タンク容量:15リットル●燃料供給装置:フューエルインジェクション(PGM-FI)●変速機:常時噛合式6段リターン●フレーム:ダイヤモンドタイプ
●全長×全幅×全高:2,075×740×1,145mm●軸距離:1,410mm●シート高:785mm●最低地上高:140mm●重量:192kg〈194kg〉●サスペンション:前テレスコピック、後スイングアーム(プロリンク)●ブレーキ:前シングルディスク、後シングルディスク●タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後160/60ZR17M/C 69W
※〈 〉内はABS仕様。
カラー設定は3色。グラファイトブラックとヴィクトリーレッド、そしてロスホワイト。メーカー希望小売価格は669,900円、ロスホワイトのみ701,400円。ABS仕様は各719,250円と750,750円。4月23日発売。販売計画台数は2,000台。
CBR400Rの「Customize Parts」装着例。ノーマル車比でプラス約50mmアップのハイウィンドスクリーン、15,750円、MORIWAKI MX Full Exhaust、ホワイトチタン製、92,400円、TAKEGAWAクラッチカバーガード、アルミ切削加工、ブラック、13,400円、パッド付シングルシートカウル、19,950円などを装着。
■問合せ:ホンダモーターサイクルジャパン お客様窓口TEL03-5993-8667 http://www.honda.co.jp/bike-customize/
CB400Fの「Customize Parts」装着例。MUGENエキゾーストシステム、スリップオンタイプ、ステンレス製、65,100円、トップボックス35L(1KEY)、19,950円、カーボン調フロントフェンダー、13,650円などを装着。
■問合せ:ホンダモーターサイクルジャパン お客様窓口TEL03-5993-8667 http://www.honda.co.jp/bike-customize/


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