国会各党で「オートバイ議員連盟」設立がひんぱんだ。
これらの動きを生み出す空気を醸成させた背景には全国オートバイ協同組合連合会:AJ(吉田純一会長)や日本自動車工業会:自工会など業界団体の尽力・存在がある。
各党の会合にも、前述2団体に加えて、NMCA日本二輪車協会や日本輸入モーターサイクル協会:JIMA、全国二輪車用品連合会:JMCAなども出席し意見を聞かれている。
このため各党”オートバイ議員連盟”が取り組もうとする課題は、業界団体が目指すものとほぼ同じ方向で、その概要はAJがメディアとの懇談会で表明した「現段階での重点案件」と同じものと考えてよい。それは——
●現実に即した二輪車駐車違反の取り締まり
●二輪車駐車場の建設促進
●有料・高速道路における二輪車通行料金枠の設定と値下げ
●二輪車ETC車載器購入に対する助成金の復活
●二輪車の高速道路路側帯の通行緩和
●125cc以下の小型二輪免許の取得簡便
●2サイクル二輪車からの乗り換え、エコ助成金の支援
●(三ない運動撤回後のことも含め)交通教育の義務化
——という内容。
これらには現段階での二輪車利用環境改善の優先課題が網羅されている。そして各党の”オートバイ議連”が目指すものもこれとピッタリと重なっている。
各党の会合を見てきた限りの私見では、二輪車界の利用環境にどんな課題があるのか元自民党で現日本維新の会の松浪議員以外に熟知していた国会議員はほとんどいなかったのは事実だ。二輪車愛好家の議員は多くとも、だ。そんな状態の議員の上に、AJなど各団体が的確に二輪車とユーザーが面している利用環境改善課題情報を注いだ。そしてこの結果、(松浪議員の効果ある働きかけ含めて)各議員には二輪車の最新状況が行き渡ったと考たい。
で、問題はこれからだ。情報を得た議員なり議員連盟がいかにそれらを解決するため具体的にどう動くか。我々ライダーが望むのは、まさに「決めていける・変えていける」議連の存在だ。余談を言えば、議連の会合に出席を求められて出てくる各省庁の役人は総じて非常に低姿勢だ。日頃、業界団体やメディアと接する、どこか上から目線の”横柄感漂う”態度とは雲泥、天と地ほどの差。いや、それだけ国会議員の持つ力は役人にとって最大の脅威なのだ。
そう、この力を国民はもっともっと具体的に利用すべきだ。議連とはそういう課題を国民から汲み取り解決に導く存在と考えたいし、信じたい。たとえ議員の集合離散は常であるとしても、二輪車愛好家議員の”趣味のハナシの集まり”で議連を終わらせてはダメだという覚悟を、二輪車サイドは肝に銘じておきたい。
それでは、最近刷新あるいは新設された各党の”オートバイ議連”の設立&刷新の事実関係をまとめておこう。
4月16日に東京・自由民主党本部で自民党オートバイ議連の総会が開かれ、新体制が決定した。
それによれば承認された新役員は——
会長:逢沢一郎議員
副会長:高市早苗議員
幹事長:今村雅弘議員
幹事:小里泰弘議員
事務局長:三原じゅん子議員
事務局次長:宮澤博行議員
顧問:谷垣禎一議員/衛藤征四郎議員
なお参加メンバーは現段階で総勢で約56名とのこと。最大与党の議連=リーダーとしての実行力・決着力に期待は大きい。気になるのは二輪車愛好家のクラブ的傾向も見え隠れするのを感じること。実際にツーリングを楽しんでいる会員議員も多いようだ。そこから一般二輪車ユーザーが蒙っている不合理を汲み取っていただきたい。