前々回にお伝えした第32期生卒業式が行われた4日後の川口オートレース場に益　春菜選手はいました。

　元レディスモトクロスチャンピオンの益春菜を含め、3名のデビュー戦となった5日、春菜ちゃんは1号車、白の勝負服での出走です。
　緊張のレースは、試走で失敗、他の選手が3.7〜3.6秒台で走行のところ3.8秒と遅く、周りを心配させましたが、本番のレースはしっかりとそこを修正して、ハンデ0のところからトップを守って1着ゴール。
　初レースを白星で飾りました。

「出走前に他の選手のデビュー戦（試走転倒、片野2位、鈴木圭一郎の1着）をみて、頑張ろうと思った。絶対に、1着は押さえたいと思ってました。試走は、路面の感じが分からなかったので様子見して、滑ったのも逆に良かった。レースは、マシンをあまり寝かせないようにして走りました！」

『どのくらいで勝てると思いましたか？』の質問には

「勝てるな、と最初から思ってました」

　さすがです！
　3周目にモニターをちらっとみたときに「大丈夫だ！」と思ったそうです。

　チェッカー受けた瞬間は
「ほっと…ですね。みんなをがっくりさせることだけはしたくなかったので、師匠を含めたくさんの方に訓練のときから見てもらったので、これからどんどん活躍して恩返ししていきたいです」

「賞金は、家族に使いたいです！　家族に食事と、プレゼントをしたい。…あと…モトクロス時代の、チームの監督に！」

　勝った時のスマイルはLMXの頃と全く変わらない春菜ちゃん。
　だけど、もう別の春菜ちゃん……

　モトクロス時代の皆さんへの一言には
「活躍して…恩返しがしたいです」

　自分より家族、チーム、みんな、という、春菜ちゃんの優しいところいっぱいの囲み取材でした。

　気になるイケメン師匠の石井大志選手は、まったく心配していなかったそうです。卒業した時点ですでに、技術面も精神面でも成長していたので
「晴れが速いので、デビュー戦は晴れで走らせたかったなぁ」と。

　そして、一足お先に女性オートレーサーとしての一歩を踏み出し、現在活躍中の佐藤摩弥選手。

「試走は、堅いかな？　って感じがしたんですけど、レースは落ち着いてさすがだなと思いました。自分もまだまだなので生意気は言えないんですけど、少しづつ分かってくると思う。スタートとかにセンスを感じられるし、同期の次に近い存在なので、自然と教えたり教えられたりする部分が出てくると思うので、一緒に頑張っていけたらと思います」

　WGPから電撃転向し、今やスター選手の筆頭の青木治親選手、タイヤの溝を自ら削りながら今回のデビュー戦について語ってもらいました。

「いい走りだったよねぇ、女子選手が増えることで人気がでるんだから、ホント頑張ってもらいたいですね！」
　そしてやはり、男性に囲まれての職場なので、一番心配な恋愛方面をですね、男子選手を代表して聞いてみたのですが
「ないない！　選手だからそれはないですよ！　みんなで大事に育てていかなくちゃいけないでしょ！！」ということでした。そんな治親選手のシートには「スケベ」の文字が……(笑)

　女子選手はこれで6名になりましたが、まだまだ少数です。注目されますが、その反面、慣れないこともあったり、そして女子選手を良く思わない人たちもいたりします。ですが、佐藤摩弥選手も、あんな可愛く見えて、実は中身は凄くさばさばしていて負けん気が強い勝負師です。ボクシング東洋太平洋チャンピオンの藤本選手をはじめ、美人の岡谷選手はスピードの選手、春菜ちゃんと同じレディスモトクロスの岸選手、ロードレースの片野選手と、女性とはいえ立派なアスリート。いずれ競艇のように女子決定戦が人気のレースになる日も近いと思いますよ！

　日は前後しますが、オートレーサーの春菜ちゃんだなと思ったエピソード。
　32期生卒業式のときの春菜ちゃんと摩弥ちゃんの2ショット撮影で、カメラマンが「二人で、手を繋いで高くあげて！」と、ガッツポーズさながらな要求をしたときに「それって、おかしくないですか？」って全力で拒否。その後、懇親会でお母さんと2ショット撮影のときに、ついついお母さんが「１」のポーズをとった瞬間「ちょっと、やめてよ！」と制止。モトクロス時代はあれだけ１のポーズが似合っていたのに、オートレーサーとしてはまだ勝ち星を上げていないので「1」は取ってあるんだなと思った次第。

　益　春菜選手の次戦は07月25日～07月28日川口です！（８耐ウィークですが……）