旅にも出ない、ロマンも語らない、
ただそこにバイクがあるだけの毎日
その20 誰にもいえない理由
バイクを降りる理由は人それぞれです。まぁ乗る理由だって同じですが。
「バイク乗り辞めます」といわれると、どんな理由であろうともそりゃー悲しいしさみしく思います。
そう、転機とは唐突に訪れるもの・・・。ではなく、前兆はなにがしかあったりするもんです。
あれほど楽しくバイクに乗ってた仲間が急にバイクを降りる宣言をしたりなんてのは、ホントは突然じゃなく、本人には何か思うところがいろいろいろいろあったに違いないんです。
誰かがバイクで事故ってひどい目にあってるのを目の当たりにしたりとか、近しい人に危ないからやめてくれと言われてたりとか、ガス代やら税金やらの維持費がキツくなってたりとか、じわじわ心に「バイクもうやめたほうがいいかも」と積もる何かがあったりするんです。
その積もる何かに気づいてたり気づかなかったりするのですが、見て見ぬフリをしつづけて、とうとう逃れられなくなった、ということもあります。
バイク楽しいです、ラクちんです。ぶいぶい走ってて気分いいです。たまにサンデーレースに出ちゃったり、ちょっと遠出なんかした日には、そりゃもういい汗かいちゃったりします。オイルくさいけどさわやかです。
でもね・・・、変わっていく何かにも気づいてるんです。変わっていく自分自身に・・・!
バイクが楽しくてラクちんだからこそ、たるんでいく筋肉!! 増える脂肪!
でも気分は若いもんだから、認めたくないんですよ・・・。そんな現実は。
バイクに乗ってるイメージはあくまでも若くてスリムでカッコイイ自分なんです。
かっちょよく前傾姿勢で走り抜けるオレ! そう思い込みながら十数年。いつしかタンクとお腹が仲良くくっついていた現実から逃れられなくなる日がやってきました。
現実はこう語りかけてきます。「運動しなさいよ、アンタ」と。
あぁそうか、バイクは便利でラクちんな乗り物だったんだなぁ。
バイクに乗っていい汗かいて運動したつもりになってても、プロのレーサーじゃない限り、美しいカラダをバイクで維持するなど夢の世界の話なのです。
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