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スズキ

 スズキのフラグシップ“アドベンチャー・ツアラー”として欧州を中心に人気を集めるV-Strom1000 ABSの国内仕様モデルが発売開始される。ハヤブサに続き、欧州仕様そのままのハイパワー仕様で国内販売されることになったのだ。発売開始日は6月4日。価格は、1,404,000円(消費税8%込み)。

 恒例となったV-Strom1000 ABSのイメージを染め抜いたハッピを着て挨拶に立ったスズキ二輪の濱本英信社長。ハヤブサの発表会の時と同様、欧州仕様と同パワー、同メカニズムでの発売を誇らしげに発表する。スズキの二輪モデル初のトラクションコントロールなどもそのままのシステムで導入となった。

 V-Strom1000 ABSは、昨年新型に生まれ変わるや早くも海外では1万台を超す販売実績を打ち立てたという人気モデル。国内仕様として変更された点は、180km/hのスピードリミッターの追加、イグニッションキーの変更(海外仕様で備わるパーキングポジションを廃止、国内のレギュレーションに合わせた)、そして各種のコーションラベル類を日本語に変更、という3点のみだという。

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こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http://youtu.be/govXKbKY6VU」 恒例のハッピを着て登場のスズキ二輪濱本英信社長。V-Strom1000 ABSの国内発売を発表する。
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V-Strom650とほとんど変わらぬディメンションを持つV-Strom1000 ABS。旧型に比べ若干排気量アップは図られたが「軽量・コンパクト」のコンセプトは引き継がれている。ライバル各車がリッタークラスからさらに排気量を拡大、より大きく、より豪華なマシンへと変身していくのに対して、あくまで軽量&コンパクトさにこだわったマシン作りで“アルペンマスター”、アルペンルートでの最速マシン、という分かりやすい目標を実現するべく生まれ変わった。
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スズキの二輪車では初採用となるトラクションコントロールを採用。状況に合わせて2タイプのモード(オフを入れて3ポジション)を選択可能だ。フロントにはKYB製のφ43mm倒立式フォーク、リアにはプリロードアジャスター付サスを採用。フロントブレーキは異径対向4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパーにグレードアップ。ボッシュ社製のABSを標準装備している。
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エンジンは、基本構造以外のほぼすべてを新設計(写真の黄色い部分が新設計)。ピストン径を従来モデルの98mmから100mmへとボアアップすることで、排気量は996ccからこのシリンダーではほぼ限界といえる1,036ccへアップ。最高出力は72.0kW(97PS)から74.0kW(100PS)、最大トルクも101.0N・mから103.0N・mへアップ。ピストン自体もサイズアップにもかかわらず、従来と変わらない重量で剛性も確保している。シリンダーヘッド周りでは、新たにツインイリジュウムスパークプラグが採用された。イグニッションコイルも1気筒当たり2個を採用。フューエルインジェクションでもインジェクターホールを4から10に増やしよりクリティカルなコントロールを可能とし、排出ガス規制のEuro3をクリア(従来はEuro2)、燃費も18.0km/Lから20.9km/Lに向上させている。フライホイールマグネトーの慣性重量を15%アップし、ISC(Idle Speed Control)システムを採用したF.I.のスロットルボディなどとともに低回転時のコントロール性を大幅にアップしている。ラジエターの冷却能力を19.8kWから22.7kWに向上。オイルクーラーは廃止している。冷却システム全体でマイナス1.3kgの軽量化も実現。クラッチはスリッパークラッチ機能やアシスト機能を持たせたSCAS(Suzuki Clutch Assist System)を採用。マフラーは従来のツインマフラーからシングルへと変更、約4.7kgの軽量化を実現。フレームはツインスパータイプと基本構造は従来通りだが、最新のFEM(有限要素法)解析によりほぼ一新され、剛性を33%アップさせつつ、重量は従来モデルよりも13%軽量化している。スイングアームは約36mm延長、ホイールベースも20mmの延長となった。
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ヘッドライトはGSX-Rやハヤブサでおなじみとなった縦型2灯式を採用。個性化に貢献。 アナログ表示のタコメーター、バックライト照度調整機能付液晶スピードメーター、オドメーター、ツイントリップメーター、ギアポジションインジケーター、水温計、外気温計、電圧計、航続可能距離計、平均燃費計、トラクションコントロールシステム表示、フューエルタンクメーター、時計を装備するメーターパネル下にはDCソケット(DC12V)が設置されている。 1988年のDR750Sをイメージさせる“嘴を”持つフロント回り。デザインコンセプトは「ワイルド&スマート」。必要にして最小限といえるウインドスクリーンは、工具使用により3段階の高さ調節が可能。角度は工具を使用せず3段階に調整が可能だ。
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タンク容量は22リットルから20リットルへと若干減ったが、後端部を絞り込むことによりスムーズなニーグリップと快適な足着き性を実現。ハンドルバーは従来モデルよりも34mm後方に、フットレストも15mm後方にセッティングされ、ライダーの足着き性を向上させている。 シートサイド部にはホールド性の高い素材を使用し、ライディング時の安定性を高めている。後部シートからキャリア部分にかけてはフラットな設計とし、荷物の積載性を確保。最大積載量は10kg。オプションでローシート、ハイシートを用意。 リアのコンビネーションランプは、LEDの採用により高い視認性と耐久性を備える。
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ロングツーリングをより快適にする多彩なオプションが用意されているのも特徴だ。ナックルカバー、グリップヒーター、アクセサリーバー、アンダーカウリング、ハイシート、ローシート、ロングウインドシールド、LEDフォグランプセット、センタースタンドなど。ラゲッジシステムでは、トップケース(容量35リットル)、右サイドケース(26リットル)、左サイドケース(29リットル)を用意。
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キャンディダーリングレッド。 パールグレッシャーホワイト。 グラススパークルブラック。
●V-Strom1000 ABS 主要諸元
■型式:EBL-VU51A■全長×全幅×全高:2,285×865×1,410mm■ホイールベース:1,555mm●最低地上高:165mm■シート高:850mm■車両重量:228kg■燃料消費率:国土交通省届出値、定地燃費値29.0km/L(60km/h)、WMTCモード値20.9km/L(クラス3-2)■燃料タンク容量:20.0L■エンジン種類:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ■総排気量:1,036cm3■ボア×ストローク:100.0×66.0mm■圧縮比:11.3■燃料供給装置:フューエルインジェクション■点火方式:フルトランジスタ式■始動方式:セルフ式■最高出力:74.0kw[100PS]/8,000rpm■最大トルク:103.0N・m[10.5kgf]/4,000rpm■変速機形式:常時噛合式6速リターン■ブレーキ(前×後):油圧式ダブルディスク × 油圧式シングルディスク(ABS付)■タイヤ(前×後):110/80R19 M/C 59V × 150/70R17 M/C 69V■懸架方式(前×後):倒立テレスコピック × スイングアーム■フレーム:ダイヤモンド(アルミツインチューブ)
■車体色:キャンディダーリングレッド、パールグレッシャーホワイト、グラススパークルブラック。
■メーカー希望小売価格:1,404,000円(本体価格1,300,000円)。6月4日発売。


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