Honda オフロードミーティング in オフロードヴィレッジ リベンジなるか?

今年で第3回を迎えたHonda オフロードミーティング
“1日中オフロードを楽しもう!”ってイベントだ。
で、行われるレースの中に「メディア対抗リレー」が組まれている。
こーゆーレースにミョーに燃えるのは、1976年の創刊以来変わってない。
第1回は優勝、そして昨年の第2回が3位だった我がミスター・バイクチーム。
果たしてリベンジはなったのか?

●写真─依田 麗、徳永 茂
●協力─ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/

バイク遊びに、理屈はいらない。 By ノア セレン(フリーランス、時々編集長)

 円陣を組んで「今日はみんな、怪我なく楽しく、レースを終えるぞ!」「オーッ!!」と気合が入る。
 ホンダオフロードミーティングの中の、最もエントリー向けともいえるレースカテゴリー“チーム対抗オフロードリレー”のある参加チームのスタート前光景。「これだよ、これだよな」と心から思った。バイクを速く走らせることだけじゃなくて、バイクを押す能力だったり足で走る能力だったり、頭からかぶるタスキをいかに上手に次のライダーに渡すかとか、そんな様々な項目を純粋に楽しめる超入門レース、これだよな!
 バイク遊びはこんな楽しいキッカケが大切。理屈っぽくなってはいけないよ。仲間と楽しく競争すること、そしてそんな場面を提供してくれるオフロードというフィールド(そしてもちろん、こういったミーティング)は大切だと、また今年も思った。

 こんな爽やかなオフロード遊びの裏で静かに燃えているヤツらがいる。それは我々プレス。取材に来ているはずなのに、照準は完全に“プレス対抗レース”で他のバイク雑誌編集部を蹴散らすこと。プロライダーを雇うことなく、あくまで編集者&ライターで構成されるミスター・バイクチームだが、オンオフ問わずなぜかプレス対抗レースの類は滅法強い。
 今年はオフ担当の濱矢先生が欠席の上、去年病欠した僕は前日のオンロード耐久レースで2回転倒しているという状況ながら、午前中に参戦した90分耐久はフルサイズのコンペモデルも走る53台中、なんとCRF100で15位という好成績でウォームアップ完了。チームリーダー松井さんはいぶし銀のスムーズ走り、ヘルプのタケさんはバハ仕込みの安定感、そしてエリカ様は周回ごとにタイムを縮めていく。オレンジツナギの囚人服とフルフェイスで写真写り担当の僕は、まぁ普通。よしよし、午後のプレス対抗はもらった!
 宿敵はチーム“アンダー400”。若手編集者は皆バイクが上手で十分戦えるのに、国際A級ライダーなどを雇う、勝つためには手段を選ばないキタナイ奴ら。今回の助っ人は、なんとホンダワークスの富田俊樹選手。「そりゃあんまりだ!」と言うと、「だって彼は250ccクラスのライダーだよ? ウチ、『アンダー400』だからちゃんとレギュレーションに合わせたもんね」ですって。なんだよその社内レギュレーション(笑)。



どの編集部よりも早く会場入り。マシン選びは慎重にやらずばなるまい。一昨年昨年とチェーンのトラブルに泣いたからね
どの編集部よりも早く会場入り。マシン選びは慎重にやらずばなるまい。一昨年昨年とチェーンのトラブルに泣いたからね。


この看板が目に入らぬか! ってことでお馴染みの囚人服ですが、何か? もちろんチェストガード、エルボー&ニーパッドは装着してます
この看板が目に入らぬか! ってことでお馴染みの囚人服ですが、何か? もちろんチェストガード、エルボー&ニーパッドは装着してます。


チーム対抗リレーが、いよいよ始まる。マシンが汚れているのは、午前中に行われた90分耐久レースで激走したからで
チーム対抗リレーが、いよいよ始まる。マシンが汚れているのは、午前中に行われた90分耐久レースで激走したからです。

 それでも結構頑張ったミスター・バイクチーム。エリカ様がワークスライダーをビッタリマークしてついていく姿を見た時には表彰台の真ん中がよぎったものの……その後は彼女のレポートを参照されたし。
 老若男女が楽しみやすく、転んでも泥だらけになって笑っていられることの多いオフロード。バイクで気持ちの良い汗をかくにはうってつけ。オフロードコースには珍しい、非常にキレイな女性専用トイレが用意されていたから、彼女や奥さんも安心して連れてこれますよ!


ル・マン式スタート。おしゃべりしてる間にスタートになって、ちょいと出遅れた……(>o<)

スターーーーートッ! 第1コーナーではインに突っ込んで3位に浮上
ル・マン式スタート。おしゃべりしてる間にスタートになって、ちょいと出遅れた……(>o<) スターーーーートッ! 第1コーナーではインに突っ込んで3位に浮上。



愉しいぞっ! フルフェイスだから、ホコリっぽいコースを走っても、顔が汚れないのだ。

熱いハートのままアクセル全開!そしてまさかのコースアウト…。 By 杉沼えりか(フリーランス)

 ギギギ……となっています、身体中。やっぱりレースで無駄な力が入っていたのねー。でもこの筋肉痛がレースの残り香のようで嬉しかったりします(笑)。
 まず今回のレースはアンダー400チームに勝つことを目標にしていました。顔を合わせるたび「我々のチームに負けた方ですね(とくにヤ○子さん【♀】)」と言われてきましたからね。

 本当にイヤになっちゃう! しかもチームに現役のプロを入れているんですよ!? んもー! 反則! レッドカード! とも思うのですが私もオトナです。
「レースで勝てばいい。ただそれだけのことよ、フッ」という感じでした。やや美化してます。
 今回のミスター・バイクチームはタケさん、勉さん、ノアさんとワタシ。前回は濱矢さんがいたのですがどうやら広島にいるとのことで不参加。心強いだけに残念……。それに作戦の鬼でもありますからね。次回はまたご一緒願います!

 さてさて基本ゆるゆるな我がチーム。バハ出場経験者がいたり、しょっちゅうレースに参加したりと強者揃いですが、基本はゆ~るゆる(笑)。朝はメンバーが揃うとタケさんが今朝畑で取れたという新鮮な野菜を私たちに提供してくれ(さっそくいただきました。大変に美味しかったです!)、ライダーというより農家の人状態! みんなヘルメットじゃなくキャベツを持っていて、レース前だというのにほのぼのとした雰囲気(笑)。

 そしていざ90分レース。緊張し過ぎちゃって記憶が曖昧ですが、そこそこにいい成績だったと思います。でも私は途中で転倒……(その時、キックのアドバイスをくれた通りすがりの御方ありがとうございました)。それとカーブする時に大きくバンクしてしまい、解決する方法はないかとノアさんに相談。「曲がる時にリアブレーキを踏んで、クイッとターンすればいいですよ。膨らんじゃうとロスしますからね」──そうか。そうね。ラジャー。
 そして勉さんからのアドバイスは「内側から入るのじゃなく、外側から入って内側に入る感じでいくと走りやすいよ」と両者違うアドバイス(!?)ですが、いざとなったらどちらかで頑張ろうと思うのでした。また勉さんから乗車時のポジションなどの分かりやすいご指導もいただき、私はただただ感激し、上達した気持ちに(笑)。

 いざメディア対抗レース。私の順番がまわってきた時はなんと2位! その勢いのまましばらく1位に追従。さすが1位! 速い! 距離を縮めるためにアクセル全開。ジャンプした勢いで大きなカーブにさしかかった瞬間……「曲がり…きれない!?」と思ったのもつかの間でまさかのコースアウト! 私の馬鹿ー! と思いながら必死でキック。プスン……。キックキック! ……プスン……。半泣きでパニック状態のままなんとかエンジンをかけ、再びコースイン。色んなことが頭をよぎりながら、バトンタッチ。放心状態でよろよろ! でも再び走った勉さんとタケさんが挽回してくれて3位という結果に。表彰台は絶望的な気持ちでしたが、本当にヨカッタ……。

 それにしてもCRF100Fは本当によく走るバイクですね。軽いから倒してもすぐに起こせるし、ジャンプしちゃうパワーも持っているので欲しくなってしまいます。レースでは特にバイクのパフォーマンスの高さを実感! 今回はコースアウトしなかったら……?! というのが悔やまれてなりませんが、次回までに再び特訓いたします。では皆様ごきげんよう、さよなら さよなら さよなら! そしてアイムソーリーー(泣)!


勉さんからライディング・レッスン。背筋も、伸びます
勉さんからライディング・レッスン。背筋も、伸びます。

愉しいな、楽しいな、ガンバレガンバレッ! ……って、ノア君が走っているのに、エリカ様は、どこ向いてるんでしょか?
愉しいな、楽しいな、ガンバレガンバレッ! ……って、ノア君が走っているのに、エリカ様は、どこ向いてるんでしょか?

皆で大声援に応えて、見事なカウンターを披露、か?
皆の大声援に応えて、見事なカウンターを披露、か?

開けっぷりが良いのが評判なんです、ワタシ。猪突猛進型なんです
開けっぷりが良いのが評判なんです、ワタシ。猪突猛進型なんです。

ゼッケンを渡して交代。アライヘルメットが良い感じすっ。
ゼッケンを渡して交代。アライヘルメットが良い感じすっ。

「速いライダーの後にくっつけ」といわれたから、ワークスライダーの真後ろを追いかけました。そしたら、コーナーを曲がりきれず、飛び出しました

某アンダー400は、今年もワークスライダーを助っ人にして、非難囂々。土下座しました、大和田常務。富田選手に、もちろん罪はないです
「速いライダーの後にくっつけ」といわれたから、ワークスライダーの真後ろを追いかけました。そしたら、コーナーを曲がりきれず、飛び出しました。 某アンダー400は、今年もワークスライダーを助っ人にして、非難囂々。土下座しました、大和田常務。富田選手に、もちろん罪はないです。

もっともっと初心者に楽しんでもらわなきゃ、な。By 鈴木武仁(元・H社、現・半分農業)

 大きな勘違いか?

 5月18日(日)午前4時50分起床。
 会社を退職してからは、特別な事がない限りは、レース会場でも午前7時前に起きた事は殆どない。
 

 今日は、その特別な事があるのかというと、そんな事もない。ただ、朝取りの野菜を友達に食して欲しくての早起きだ。キャベツとレタスと大根とさやえんどうを収穫し、荷室に積み込んで家を出た……。でも、本当の目的は、オフビレ(オフロードヴィレッジ)でのホンダオフロードミーティングに参加する事だ。今回もミスター・バイクチームに誘っていただいた。
 朝早いと、道路に車は少ないが、走っているスピードは意外に速い。皆さん急いでるんですね。
 会場に到着すると、すぐにメンバーも到着。
 エリカ様のコーヒーで元気倍増となり、いざ出陣。
 4人一組なので、走る順番決定もばっちし。今回はゼッケン装脱着を容易にと、アライのヘルメットにしたので、被ったままでもOK。

 スタートはノア君、スタート位置は最前列だが、ややアウト側なので、ちょっと不利? だと思ったが、アウト側からの順番でローリングスタートだったので3番目。そのまま、周回となったので、かなり前の方で、1周目が3番手で、その後51番にパスされるも、並みいる大型機種を押さえて4番手で選手交代、エリカ様も順調に周回し、勉チャンに交代。17〜18番手から一気に12番まで順位アップ、そして俺に交代。全開で1コーナーに入ったが、その先は細い一本道、コースアウトしそうになる。なんとか持ちこたえて走る。その後は渋滞ポイント。どっかの誰かが「スタックポイントが俺のベストライン」とか言ってるが、俺には意味不明? 皆さん一列にならんで待ってるが、その横にもコースはあったので、でこぼこラインを一気にパスし、クリア。後はひたすら全開で走るのみ。でも250ccとかには、ストレートでパスされる。終わってみれば、クラス10番。こんなもんでしょ。

 次のレースはメディア対抗レース。一人2周で6回交代。俺と勉ちゃんが2回走る事で決定。4人目までは先ほどと一緒、その後勉ちゃんと俺が1回で終わり。スタートはル・マン式でノア君が抜群のスタートダッシュでほぼ先頭集団で戻ってくるが、セル付きマシンのHRC&HMJ社長チームにはおいて行かれた。先ほどと同様のレース展開で俺の順番。走り出して、後ろを見ると、HRCのトッチー(富田俊樹選手)が見えた。これはヤバい、アンダー400チームに抜かれてしまう。なんとか押さえきって、勉ちゃんに交代。勉ちゃんも無難に走り、結果は3位。

 最後に。俺ってなんか勘違いしてない? そりゃあレースだから一生懸命走る事は必要ではあるが、このレースってそういうレース? なんか違うぞ。こんなんじゃレース人口増える訳ないよな。初心者に楽しんで貰わなきゃ。反省、反省。


エリカ様が淹れてくれる朝一番のコーヒーは、美味しい
エリカ様が淹れてくれる朝一番のコーヒーは、美味しい。

午前中の90分耐久レースで肩慣らし。でも、本気で走ってしまう
午前中の90分耐久レースで肩慣らし。でも、本気で走ってしまう。

ホンダモーターサイクルジャパンの井内社長、そして東福寺さん、HRCライダーも一緒に走る
ホンダモーターサイクルジャパンの井内社長、そして東福寺さん、HRCライダーも一緒に走る。



ホンダモーターサイクルジャパンの井内社長、そして東福寺さん、HRCライダーも一緒に走る
天気晴朗なれど、埃いっぱい。ま、こんな顔になります。

Love Dirt? by 松井 勉(モーターサイクルジャーナリスト)

 早いものでミスター・バイクチームとしてHondaオフロードミーティングへの参戦は今回が3度目。ノア、エリカ様、そしてタケさん。ハマちゃんは遠征で不在だったが、それでもこの仲間が揃えばそれだけで面白い。
 そして出れば出るほど燃えてくるなんとも不思議な興奮スイッチが、このイベントにはいくつかある。

 まず、オフロードヴィレッジという全日本MXを行うコースで走る事、全日本を走るライダー達を間近にみることが出来ること。そしてCRF100Fという10馬力、80km/h程度のミニバイクで参加していて、250クラス以上のレギュラーサイズのそれに比べれば圧倒的に全開時間が長い。だから右手が捻りきった感覚、最高です。でもパワーが少ないからって何でも簡単じゃないのがまた面白い。むしろ小さい方が難しい。

 目覚ましの操作間違いで現着30分遅れで入ってみれば、木陰に素敵なパドック。3度目ともなると、要領を得たものです。さすが! 5月、河川敷に吹く風は最高、なんてのんびりしていたらすっかり90分耐久の時間に。
 4人で組む僕らは、スタートをノア、2番手エリカ様、その次がボク、フィニッシュはタケさんという作戦を組んだ。開始40分目にエリカ様からバイクを受け取り走り出す。今回のコースはタイトターンが多く、250クラスの大きなモデルは少々難儀している様子。100㏄のCRFで彼らの懐に飛び込みインを奪取。立ち上がりもタイトにまとめる効率優先走法で走る。すると面白いぐらい抜けるんだ。小さいオフ車だけど奥が深いね。
 CRF100FはXR時代から連綿と続くHondaのエントリーオフモデル。Apeのベースになった事でもおなじみ。
タイトターン連続のコースでは10馬力のバイクでも頭脳的に乗らないとオーバーランしてしまう。前のライダーとの駆け引きが面白い。ギャップの少ないラインで少ないパワーを大切に路面に伝え、時にタイトに回って近道。リスクを減らして相手をパス。出来たときは最高、失敗するとすごい悔しい。バイクでスポーツする楽しさがこれでもか、と詰まっている。90分だけど楽しいからあっという間にフィニッシュだった。

 午後のメディア対向リレーではコースレイアウトが高速寄りになり、ジャンプの飛距離(というか高度)も増し、着地のたびにCRFに心で「ごめんね」とあやまる。
 合計12周を1人2周ごとに交代をするのがルール。僕らは4人なのでタケさんとボクが2回走った。この交代で受け渡すゼッケンの装着の速さがレースにスパイスを与え、チーム一丸となってやらないとスムーズにいかない。燃えるんだ、とても。その結果、表彰台のど真ん中は逃したけど、多いに笑って楽しんだ一日だったから、最高でした。ボクは30年オフやっているけど、ちっちゃいバイクで燃える楽しさ、今頃再確認。このオフロードミーティング用に、仲間で1台なんてのもいいかもね、と思った次第です。また是非声かけてみてください!


早い者勝ちでゲットしたCRF100Fをメンテナンス
早い者勝ちでゲットしたCRF100Fをメンテナンス。

昨年はチェンジペダルが折れちゃったし……。
昨年はチェンジペダルが折れちゃったし……。

イケイケーーーーッ! 黄色い声援に後押しされて
イケイケーーーーッ! 黄色い声援に後押しされて。

ホコリ高き男、ってんですか?
ホコリ高き男、ってんですか?



ホンダモーターサイクルジャパンの井内社長、そして東福寺さん、HRCライダーも一緒に走る
左から、タケさん、ノア君、エリカ様、勉ちゃんそしてプレゼンターを務めた全日本モトクロスチャンピオンの成田 亮選手。

●Honda オフロード・ミーティング
http://www.honda.co.jp/offroadmeeting/