2014年9月12日 

■ヤマハ発動機が「事業説明会」を開催
次世代高性能小型エンジン“BLUE CORE”も発表

 久々に残暑が感じられた東京は品川で、ヤマハ発動機が「事業説明会」を開催した。

 これは、現在、ヤマハ発動機が行っている“中期経営計画(2013年~2015年)”の進捗状況や、経営、事業の方向性などを、柳弘之代表取締役社長をはじめとする経営陣が、主に株主向けに説明する趣旨のイベントで、報道関係者を前に公開したもの。

 柳社長がヤマハ発動機全体の経営の方向性を説明した後、木村隆昭副社長執行役員、篠崎幸造常務執行役員、滝沢正博常務執行役員、三輪邦彦上席執行役員がそれぞれ事業ごとに詳細の説明にあたり最後に質疑応答が行なわれた。

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順調に推移している“中期経営計画”の概況を報告するヤマハ発動機の柳弘之代表取締役社長。 次世代高性能小型エンジン“BLUE CIORE”。ベトナム市場に向けて投入されたNozza Grandeに搭載。

 二輪車事業に関しては、ざっくりと言ってしまうと、BOLTやMTシリーズといった新車の相次ぐ大ヒットにより、順調という言葉以上の好調ぶりを記録。売上高1兆円プラスが視界に入ったとか。

 ヤマハ発動機は“中期経営計画”で15年までに100機種の新機種を出すと宣言していたとおり、その実践とそれによる効果がいよいよ具現化してきたということ。

 その新車関連だが、今回の説明会に合わせてヤマハ発動機は、次世代高性能小型エンジン“BLUE CORE”を発表した。これは、走りの楽しさと、燃費・環境性能の両立を高次元で具現化する開発思想として導入するもので、具体的には、8月にベトナム市場で発売した女性向けスクーター、Nozza Grandeに搭載した125cc空冷エンジンがその第一弾で、ヤマハ発動機の’08年モデル比で50%もの燃費向上を達成しているという。

 今後この“BLUE CORE”思想により、さらに2タイプを開発し、合計3タイプのエンジンプラットフォームにより、多彩なモデル展開を行っていく計画という。従来アセアン向けには7タイプものエンジンプラットフォームが混在したが、それらを集約、そして高効率燃焼、高い冷却性、ロスの低減という新技術の導入でグローバルエンジンとして発展させていくという。

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MTシリーズの大ヒットもあり“中期経営計画”は順調に推移。2015年までに100台の新機種、大いに期待したい。 “BLUE CORE”エンジンを搭載するNozza Grandeに跨る柳社長。

 ちなみにNozza Grandeに搭載された“BLUE CORE”エンジンは、空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ、125ccで、ボア×ストローク52.4×57.9mm、圧縮比11.0:1、アルミ鍛造ピストン、ダイアジルオフセットシリンダー、高効率小型ファン、新形状シュラウド、薄型高密度フィンなどを採用している。ちなみにエンジン単体は吸排気系、キッククランク込みで32.1kgの軽量設計となっている。

■ヤマハ発動機 http://www.yamaha-motor.co.jp/