スーパーカブ50インプレ

スーパーカブ50 シリンダーの中でピストンが水平方向に動くためフリクションロスを低減するようにエンジンはシリンダーとコンロッドの中心線をオフセット配置を新たに採用する完全新設計

シリンダーの中でピストンが水平方向に動くためフリクションロスを低減するようにエンジンはシリンダーとコンロッドの中心線をオフセット配置を新たに採用する完全新設計


SOHCエンジンになった1966年からデザインを踏襲しているスタンダード、デラックス系のメーター。FIと燃料警告灯が追加された

SOHCエンジンになった1966年からデザインを踏襲しているスタンダード、デラックス系のメーター。FIと燃料警告灯が追加された


ハンドル右部には初代から不変の縦型ウインカースイッチ。慣れるまでは少々とまどうかも

ハンドル右部には初代から不変の縦型ウインカースイッチ。慣れるまでは少々とまどうかも


左側には縦型スイッチのヘッドライトのロー、ハイの切り換えとホーンボタン

左側には縦型スイッチのヘッドライトのロー、ハイの切り換えとホーンボタン


シートを開けると燃料タンクと燃料計。キャップはもちろんキー付。燃料ポンプはこの中に

シートを開けると燃料タンクと燃料計。キャップはもちろんキー付。燃料ポンプはこの中に




レッグシールドにはメンテナンスホールが2つ開いている


110はテレスコピックタイプを採用したが、フロントサスは伝統のボトムリンク式

110はテレスコピックタイプを採用したが、フロントサスは伝統のボトムリンク式


チェーンを保護するチェーンケースもしっかり踏襲

チェーンを保護するチェーンケースもしっかり踏襲


シフトパターンは時代により変わったが、シーソー式のシフトペダルの基本的デザインは大きな変化がない


シフトパターンは時代により変わったが、シーソー式のシフトペダルの基本的デザインは大きな変化がない

 53年もの歴史を誇るカブ・シリーズの、初代から脈々と伝統が受け継がれるオリジナル・モデルとも言うべき原付一種モデル、つまり多くの人々に愛され続けている50ccバージョンに乗ってみた。

 最新モデルとは言え、2007年に電子制御燃料噴射システム“PGM-FI”を採用してから4年近く変更はない。もう変えようがないくらい、完成されたということだろうか? ちなみに現行モデルはスーパーカブの他に、配達業務向けのプレスカブ、14インチタイヤを履くリトルカブがラインナップされている。

 スーパーカブ・シリーズは丸型ヘッドライトにオリジナル・スタイルをもつスタンダードとデラックス、角型ヘッドライトにエッジの効いたスタイルをもつカスタムを用意。4速ミッションとセルフスターターを装備し、そのスタイルから“新世代のカブ”とも言われたカスタム(初登場時のグレード名はSDX)ではあるが、このモデルでさえ登場から間もなく30年が経とうとしている。

 試乗車はスーパーカブの基本モデルとも言うべきスタンダード。車両価格は20万4750円だ。

 バイクに跨り、まず最初に気付くのは、スピードメーター下に2つ設けられたPGM-FIと燃料残量の警告灯。スーパーカブがF.I.化されたことを改めて認識する。イグニッションをオンにし、キックペダルを軽く踏み込んだだけであっさりとエンジンは始動。さすがF.I.である。アイドリングの音はとても静か。

 3段+自動遠心クラッチのミッションを駆使し走り出して気付くのは、スムーズなフィールと振動の少なさだ。トップギアに入れ、そこそこスピードが増してきた時の音は紛れも無くスーパーカブの音。電子制御された最新モデルではあるが、慣れ親しんだ部分に変わりないのにはホッとする。今や採用するモデルが少なくなったフロントのボトムリンクサスもスーパーカブ特有の味だ。

 ただ、これまた初代からずっと受け継がれている、縦に配置された右ウインカースイッチは、左ウインカースイッチに慣れてしまった身体には違和感を感じる。歴代カブをずっと乗り継いできた人にとって、なくてはならない装備なのかもしれないが……。

 とかなんとか、偉そうに感想を述べてしまったが、偉大なるカブに文句をつけるのは大間違い。なんてったって戦後の日本の人々の生活を豊かにし、経済を支え、高い技術力を世界にアピールした製品なのだから。

「オイルが無くても走る」という逸話も残るスーパーカブだが、さすがに「ガソリンが無くても走る」というワケにはいかない。ただ、そんな時代が来るまで、カブには変わらず生き続けてほしいと改めて思った。(2011.7 試乗)

スーパーカブ50 スーパーカブ50
   
スーパーカブ50 スーパーカブ50
※写真をクリックするとライポジが見られます
スーパーカブ50インプレッション
■エンジン型式■空冷4サイクル単気筒SOHC2バルブ ■総排気量(内径×行程):49cc(39×41.4mm) ■最高出力:3.4ps/7000rpm ■最大トルク:0.39kg-m/5000rpm ■圧縮比:10.0 ■変速機:自動遠心式3段リターン(停止時のみローターリー) ■全長×全幅×全高:1800×660×1010m: ■軸距離:1175mm ■乾燥重量:79kg ■タイヤ前・後:2.25-17・2.25-17 ■発売当時価格:240,750円 ■発売開始:2007年9月

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●週刊カブ バックナンバー

第01号 2011.08.01[アナザストーリー 広告宣伝に見るスーパーカブの歴史 「51年目の知られざる真実」前編]
第02号 2011.08.08[インジェクションモデル「スーパーカブ50・インプレッション」]
第03号 2011.08.15[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・1 1958〜]
第04号 2011.08.22[ピンキー高橋大統領の「スーパーカブ110 インプレッション」]
第05号 2011.08.29[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・2 1966〜]

第06号 2011.09.05[アナザストーリー 広告宣伝に見るスーパーカブの歴史 「51年目の知られざる真実」後編]
第07号 2011.09.12[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・1]
第08号 2011.09.20[ピンキー高橋大統領の「スーパーカブ110プロ インプレッション」]
第09号 2011.09.26[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・3 1978〜]
第10号 2011.10.03[初代スーパーカブデザイナー 木村讓三郎氏に聞く「カブは、何故世紀の大ヒット・バイクになったのか?」(前編)]

第11号 2011.10.11[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・2]
第12号 2011.10.14[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・4 1982〜]
第13号 2011.10.24[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション ポートカブC240」]
第14号 2011.10.31[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・5 1986〜]
第15号 2011.11.07[初代スーパーカブデザイナー 木村讓三郎氏に聞く「カブは、何故世紀の大ヒット・バイクになったのか?」(後編)]

第16号 2011.11.14[第15回カフェカブミーティング「思い入れ、楽しみ方は千差万別」]
第17号 2011.11.21[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション CT200」]
第18号 2011.11.28[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・3]
第19号 2011.12.05[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・6 1991〜]
第20号 2011.12.12[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション スーパーカブ50SDX」]

第21号 2011.12.19[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・7 リトルカブ]
第22号 2011.12.26[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・4]
第23号 2012.01.10[51年目のスーパーカブで国道51号線を走る「イバラッキーストライクホンダが征く」]
第24号 2012.01.16[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・8 1998〜]
第25号 2012.01.23[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション Wave125i」]

第26号 2012.01.30[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・5]
第27号 2012.02.06[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・9 2007〜]
第28号 2012.02.13[『変えない」という名の進化 スーパーカブ開発ストーリー]
第29号 2012.02.20[スーパーカブ110がフルモデルチェンジ]
第30号 2012.02.27[アンジョーのオモシロ系カブ・インプレッション ハンターカブCT55]

第31号 2012.03.05[阿部正人のスーパーカブ賛歌「目覚めの装置」]
第32号 2012.03.12[PINKIE大統領 ちょっとだけアセアンカブに乗る]
第33号 2012.03.19[ホンダワークスが仕掛けたカスタマイジングの新しいカタチ「カブラ」]
第34号 2012.03.26[NEWスーパーカブ110開発者インタビュー]
第35号 2012.04.2[NEWスーパーカブ110の生産地・中国 新大州本田]
第36号 2012.04.09[1993年東京モーターショー スーパーカブ華の競演夢舞台]
最終号 2012.04.16[[PINKIE高橋大統領のNEWスーパーカブ110インプレッション]
おかわり号 2012.06.15[[NEWスーパーカブ50インプレッション]

●スーパーカブ大全が、新たな書き下ろしを加え一冊の本になりました。お求めはこちらからどうぞ。

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