THE BIG-BIKE COLLECTION 創意と技術で新時代を拓いた大排気量モデル 第三集 クルーザー&ツアラー

ヤマハコミュニケーションプラザで開催される「THE BIG-BIKE COLLECTION 創意と技術で新時代を拓いた大排気量モデル」もいよいよ最終回。第3集は「クルーザー&ツアラー」を特集して2015年4月22日から6月19日まで開催される。
大排気量スポーツクルーザーの原点となったTX750から、現代のフラッグシップXV1900A ROADLINER Sまで、7台が展示された。

●撮影─依田 麗 ●取材協力─ヤマハ http://www.yamaha-motor.co.jp
ヤマハコミュニケーションプラザhttp://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/cp/

TX750

 ホンダのCB750FOURで幕を開けたナナハン時代に、スズキ、カワサキは2ストローク3気筒のGT750、750SSで参入した。最後発となったヤマハも1971年の東京モーターショーに水冷4気筒のGL750を発表し、2ストローク大排気量路線かと思われていたが、翌年5月に登場したのは4ストローク2気筒のTX750であった。
 4ストローク大排気量モデル自体はすでに1970年XS-1をリリースしていたが、TX750はバーチカルツインのXS系とは異なる前傾したドライサンプ式で、当時としては驚くほどの低振動を実現したバイブレスシステム(バランサー)を内蔵した完全新設計エンジンを、市販レーサーTDと同様のダブルクレードルフレームに搭載、前後ホイールはロードモデルとしては初採用のH型アルミリム、フロントブレーキには対向ピストンキャリパー、二輪車初採用のブローバイガス還元装置などの意欲作であった。最高出力63ps、最高速度190km/h、ゼロヨン12.3秒というスペックは飛び抜けてはいなかったが、大型化、多気筒化の流れに背を向けるようにあえて2気筒エンジンを採用したのは、軽量、スリム、コンパクトにこだわるヤマハの強いポリシーの発露であった。
 翌年12月にフロントダブルディスクブレーキを採用し商品力を高めたが、カワサキからDOHC4気筒の750RSが登場すると多気筒、ハイパワー路線は決定的となり、TX750は1974年4月にカラー変更を行ったモデルが最終型となってしまった。
 最後に「TX750がクルーザー?」と思われる方もいらっしゃると思う。確かに今の目で見れば、普通のスポーツモデルだが、TXをシリーズ化するにあたり、TX500はDOHC4バルブエンジンのスーパースポーツモデル、XSからTXへと名称変更された650はバーチカルエンジンのスタンダードモデル、そして750は大排気量による余裕のクルージングモデルというように、同じ2気筒ながら、エンジンは流用せずそれぞれ色分けるという、徹底的に軽量、スリム、コンパクトにこだわった手の込んだ手法で勝負した。


TX750
※以下、写真をクリックすると違う画像が見られるものもあります。

TX750

TX750

TX750

TX750
●エンジン︰空冷4ストローク2気筒SOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程)︰743.9cc(80×74mm) ●最高出力︰63ps/6500rpm ●最大トルク︰7kg-m/6000rpm ●圧縮比︰8.5︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2205×910×1165mm ●軸距離︰1455mm ●乾燥重量︰210kg ●燃料タンク容量︰19ℓ ●タイヤ前・後︰3.50-19・4.00-18  ●発売当時価格:385,000円

TX500

TX650
1973年4月に登場したTX500。同じ2気筒だが単なるボアダウン版ではなく新設計のDOHC4バルブエンジンで登場。 1973年12月、XS-1の流れを受け継いだXS650はTX650と名称を変更してシリーズ化。三車三様のエンジンで違いをアピール。

TX750

TX750
TX750は1973年12月にフロントダブルディスクブレーキのB型へとモデルチェンジ。車重は10kg増で価格は438,000円に。車体色はバーガンディワインフレークとコンペティショングリーンメタリック。
1982 XV750E 国産初の横置きVツインエンジンをヨーロピアンテイストで

 高度経済成長期を経て、1980年代日本経済は栄華を極め、メイド・イン・ジャパンは世界各国に進出し貿易黒字が問題化、海外の二輪四輪メーカーは瀕死の状態であった。我が国でも原付クラスから始まったバイクブームは高性能化に歩調を合わせて拡大した。パッソルやRZが大当たりし勢いに乗りシェアトップを目指すヤマハと、絶対死守を掲げたホンダの間でHY戦争といわれた販売競争が勃発し、1980年代初頭は一週間に一台ニューモデルが誕生したといわれる空前の新車ラッシュを迎えた。
 そんな時代背景で、特にナナハンでは独自路線を貫くヤマハは、スペシャル系(アメリカン)の乗りやすさ、快適性を生かしたスポーツツアラーを提唱するため、純国産では初となる横置きVツインエンジンを開発、ヤマハの哲学である軽量コンパクトなバックボーンフレームのボディに搭載し、お得意のシャフトドライブではなく、グリスが注入された密閉ケースによるチェーンドライブ駆動のXV1000 TR1を開発した。
 1980年にヨーロッパで発表され、翌年から輸出を開始した。ナナハン自主規制時代ゆえ、国内ではTR1とほぼ同時に開発され、先行発売されていたXV750スペシャルのエンジンを、TR1と基本構造は同一の車体に搭載したXV750Eを1982年1月からリリースした。
 ヨーロピアンテイストのデザインに、パワー重視ではないアメリカンテイストの横置きVツイン(当時ヤマハではインラインVツインと呼んだ)エンジンとの組み合わせは、新ジャンルを切り開くはずであった。しかし、時代の中心は急激に進化を続ける先進機能満載のハイスペックなレーサーレプリカであり、ジェントルなXV750Eは、モデルチェンジどころかカラー変更すら受けることのない短命なモデルとなってしまった。


XV750E

XV750E

XV750E

XV750E

XV750E
●エンジン︰空冷4ストロークV型2気筒SOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程)︰748cc(83×69.2mm) ●最高出力︰60ps/7000rpm ●最大トルク︰6.6kg-m/6000rpm ●圧縮比︰8.7︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2260×730×1170mm ●軸距離︰1540mm ●乾燥重量︰224kg ●燃料タンク容量︰19ℓ ●タイヤ前・後︰3.25-19・120/90-18  ●発売当時価格:620,000円

TR1

XV920R
1980年にヨーロッパで発表されたXV1000 TR1。981ccで最高出力は70ps。車体サイズや基本構造は750とほぼ同じ。 北米向けはなぜか981ccのTR1ではなく、ボア径が3mm小さい920ccのXV920が用意された。サイドカバーの形状などが違う。

XX1000R

XV750Spcial
国内向けは一代限りであったが、輸出仕様は1982年にテールカウルや穴あきディスクを装備したXV1000Rもリリースされた。 1981年3月に国内発売されたXV750スペシャル。プレスバックボーン、モノサスなどXV750Eと同等装備のアメリカン。
FJ1200A

 XS1100でリッタークラスへ名乗りを上げたヤマハであったが1980年代に入るとハイパワー化競争は激化、1981年に新しいマーケットを提唱したTR1を投入するも、主流にはなり得なかった。
 巻き返しを図るべく世界最速を目指して開発されたモデルが1984年に登場したFJ1100であった。新設計のDOHC4バルブエンジンは、整備性などを考慮して空冷が選ばれたが、ハイパワー化に対する熱対策も考慮された。単に世界最速を狙ったのではなく、特にヨーロッパで要求された高速で快適に長距離を移動することも十分に考慮された。国内ではあまりなじみのない輸出専用モデルであったが、海外ではヤマハ初の本格的なスポーツツアラーとして高い評価を得た。
 1986年にはボアを3mm拡大したFJ1200へとモデルチェンジ。基本構造やデザインはそのままに最高出力は10馬力アップを果たした。1988年にはフロントが16インチから17インチへと足周りの変更とフローティングディスクブレーキの採用などリファインが行われた。1991年モデルでは振動の低減のためエンジンのマウント方式がヤマハ4ストローク車では初のオーソゴナルマウントとなり、フレーム剛性の向上や車体サイズの変更と共に最高出力は125psに改められた。1991年3月には国内向け国産市販車では初装備となるABSを標準装着したFJ1200Aも設定され、国内でも販売された。国内仕様は一代限りであったが、ハイスピードツアラーの血統は、さらに進化し2000年に登場したFJR1300へと受け継がれ、現在は国内仕様も設定されている。


FJ1200A

FJ1200A

FJ1200A

FJ1200A

FJ1200A
●エンジン︰空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程)︰1188cc(77×63.8mm) ●最高出力︰97ps/8000rpm ●最大トルク︰9.3kg-m/6000rpm ●圧縮比︰9.7︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2200×780×1240mm ●軸距離︰1500mm ●乾燥重量︰242<250>kg ●燃料タンク容量︰22ℓ ●タイヤ前・後︰120/70-17・150/80-16 ●発売当時価格:890,000<1,040,000>円 ※< >はFJ1200A 諸元は国内仕様

FJ1100

FJ1200
1984年に世界最速を狙って製作されたFJ1100。日本での知名度は高いとは言えないが海外での評価は高い。 1986年には排気量をアップしたFJ1200へとバージョンアップ。さらに好評を得た。

FJ1200

FJR1300
1988年はフロント17インチ、フローティングディスクなど足周りを中心に改良を受けた。 2000年には後継車のFJR1300が誕生。装備も充実。現行モデルでは国内仕様もラインアップ。
XS650 Special

 今では当たり前のアメリカンだが、このジャンルに国内メーカーが送り出したのは1970年代の後半になってから。その第一弾がXS-1系の650ccバーチカルツインエンジンを搭載したXS650スペシャルであった。幅広で大きなアップハンドルに、キング&クイーンシートと呼ばれたシート高の低い段付きシート、ショートカットタイプのメガホンマフラー、リアタイヤは国産車初採用の扁平タイヤ、ティアドロップ型のスリムな形状の燃料タンクなど、今までなかった新しいスタイルは北米での市場調査によって生まれ、メインターゲットはあくまで北米で、国内の比重は低かった。だが蓋を開けてみれば、モーレツ時代と言われた高度経済成長期への反発からか、オイルショックの影響か、のんびりゆったりとしたホースバックライディングスタイルが国内でも大いに受け入れられ、アメリカンと言えばスペシャル、スペシャルと言えばヤマハというほど人気を博し、アメリカンという新ジャンルを作り上げた。
 翌年5月にはキャストホール、リアディスクブレーキを装着、フルトラ点火、チューブレスタイヤなどでモデルチェンジ。騒音規制に対応し1psダウンとなったが、スペック重視ではないため人気が衰えることはなかった。1980年3月に、シート表皮の変更、グラブバーがアルミダイキャスト製になるなどの改良を受け、これが国内では最終型となった。XS650スペシャルが構築したアメリカン路線は、後継のXV750スペシャル、後にビラーゴ、スターシリーズへと確実に受け継がれていった。
 ちなみにXS650スペシャルと同時に、GX750系の3気筒エンジンを搭載したXS750スペシャルも発売されたが、のんびりゆったりのアメリカンにはバーチカルツインエンジンがベストマッチだったようで、XS650スペシャルの人気には及ばなかったが、1980年代に流行した多気筒エンジン+アメリカンという、ジャパニーズアメリカンスタイルの先鞭を付けたことに間違いない。


XS650special

XS650special

XS650special

XS650special

XS650special
●エンジン︰空冷4ストローク2気筒SOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程)︰653.8cc(75×74mm) ●最高出力︰51ps/7500rpm ●最大トルク︰5.4kg-m/5500rpm ●圧縮比︰8.4︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2130×930×1225mm ●軸距離︰1435mm ●乾燥重量︰205kg ●燃料タンク容量︰11ℓ ●タイヤ前・後︰3.50-19・130/90-19 ●発売当時価格:435,000円

XS-1

XS750Special
XS650スペシャルのベースとなったエンジンはヤマハ4ストローク第一号であるXS-1の直系。美しさも乗り味も、まさにバーチカルツイン。 XS650スペシャルと同時に登場したのはGX750の3気筒エンジンを搭載したXS750スペシャル。装備はほぼ同じだが乗り味は異なっていた。

XS650Specail

XS650Special
1979年にはキャストホイールを装備してマイナーチェンジ。 国内最終型の1980年はシートなどを小改良。
Venture Royale

 1980年代に入るとバイクのジャンルはますます多様化し、大型のカウル付きの余裕ある車体を大排気量のパワフルなエンジンでぐいぐいと引っ張るグラウンドツアラーも誕生した。先鞭を付けたのはホンダのGLシリーズで、1000から1100へと排気量をアップし装備もどんどん豪華になっていった。スズキはシャフトドライブのGS1100Gに大型カウルやテールボックス、サイドボックスを追加したGS1100GKを、カワサキは水冷6気筒のZ1300のエンジンをインジェクション化し、大型カウルやバッグ類を装備したZ1300ボエジャーで対抗し市場はますます盛り上がった。
 ヤマハは他モデルからの流用ではなく、初となる水冷70度DOHC4バルブのV4エンジンを新たに開発、新設計の車体に搭載したブランニューモデル、ベンチャーロイヤルXVZ12Tを1983年に送り出した。防風効果の高い大型のカウルとスクリーン、低シート高を実現したシートとバックレスト付のリアシート、後付け感のない大型のリアトランクやサイドトランクなどの装備はもちろん、上級モデルのXVZ12TDにはコンピュータ制御によるアンチノーズダイブ付きのエアサス、AM/FMカセット付きオーディオシステム、40チャンネルCB無線とインターコムなども標準装備され、軽量スリムコンパクトが信条のヤマハには珍しい、豪華絢爛重厚長大なバイクとなった。
 1986年にはさらなるパワーを求め排気量を194ccアップし、二輪車としては初のクルーズコントロールも装備したXVZ13Dベンチャーロイヤルへと進化し完成度を高めた。ベンチャーロイヤルの進化はここまでであったが、このV4エンジンは怒濤のパワーで一世を風靡したVMAXにも使われ真価を発揮した。1996年にはブランニューのアメリカンモデルで、今日のスターシリーズの元祖でもあるロイヤルスター(XVZ1300)にも生かされている。


Venture Royale

Venture Royale

Venture Royale

v

Venture Royale
●エンジン︰水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程)︰1198cc(76×66mm) ●最高出力︰-ps/-rpm ●最大トルク︰10.4kg-m/5000rpm ●圧縮比︰10.5︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2455×920×1525mm ●軸距離︰1617mm ●乾燥重量︰314kg ●燃料タンク容量︰20ℓ ●タイヤ前・後︰120/90-19・140/90-16 ●発売当時価格:輸出車

XVZ12T

XVZ13
オーディオやCB無線、コンピュータ制御による自動エアサス調整機能を省いたスタンダードモデルがXVZ12T。 1986年に排気量をアップしたXVZ13Dにアップグレード。

VMAX

ロイヤルスター
水冷V4エンジンは1985年に発売されたVMAXにも生かされて、Vブーストとの組み合わせで怒濤のハイパワーを発揮。 1996年、大排気量、ハイパワーエンジンという新しいアメリカンを提唱したロイヤルスターも同系エンジンを引き継いだ。
XV1100Virago

 XSシリーズでアメリカンという新路線を開拓したヤマハは、1981年にVツインエンジンのXV750スペシャルを投入し、バーチカルツインとはまたひと味違う横置きVツインで新しいアメリカンスタイルを確立していく。北米ではビラーゴの名称で販売され、1982年には排気量をアップしたXV920ビラーゴ(二輪車では世界初の液晶デジタルメーターを装着)も発売された。500やブラックにゴールドをあしらったミッドナイトスペシャルもラインアップされ、ビラーゴはスペシャルに代わるヤマハアメリカンの代名詞的存在へと成長していった。
 ビラーゴの人気を決定的にしたのは1984年のフルモデルチェンジだった。エンジンレイアウトはスペシャルと同じ縦置きのVツインだが、排気量は981ccへとアップし、排出ガスを完全燃焼させるエアインダクションシステムも装備され、V字型とも呼べるようなホースバックライディングをより際立たせるボディラインに外装を一新した。リアショックはモノサスではなくオーソドックスな2本サスで、フロントブレーキはダブルディスク、小ぶりなティアドロップタンク、ルーズクッションタイプの段付きシート、右2本出しのマフラー、適度に配置されたメッキパーツ類など、地味目だったスペシャルに比べ大変身を遂げた。当時日本製大型バイクを排除するために設けられた関税の関係で700ccモデルもラインナップされた。
 国内には8月にXV750ビラーゴが投入され、後に400、250とシリーズ化された。1986年モデルではストロークを5.8mmアップして排気量を1063.2ccにアップしたXV1100ビラーゴへと進化し、ドラッグスターシリーズの誕生まで現役を続けた。オーバーナナハン解禁後の1995年2月には、TPS付きキャブレター、3〜5速をハイギアード化、マフラーなどを変更した国内仕様も販売されている


XV1100Virago

XV1100Virago

XV1100Virago

XV1100Virago

XV1100Virago
●エンジン︰空冷4ストロークV型2気筒SOHC2バルブ ●総排気量(内径×行程)︰1063cc(95×75mm) ●最高出力︰60ps/6000rpm ●最大トルク︰8.3kg-m/3000rpm ●圧縮比︰8.3︰1 ●変速機:5速リターン ●全長×全幅×全高︰2285×815×1190mm ●軸距離︰1525mm ●乾燥重量︰223kg ●燃料タンク容量︰16.8ℓ ●タイヤ前・後︰100/90-19・140/90-15 ●発売当時価格:730,000円 ※諸元は1995年国内仕様 写真は1996年の輸出仕様。

XV950

XV1000
1983年に北米で発売されたXV920ビラーゴ。初代ビラーゴはアメリカンというよりもクルーザーに近いイメージ。 1984年にフルモデルチェンジしたXV1000ビラーゴ。このスタイリングがヤマハのアメリカンスタイルを決定付けた。

XV750

XV1100
1984年国内ではそのままのスタイルで750バージョンのXV750ビラーゴが登場。 オーバーナナハン解禁後の1995年にはXV1100ビラーゴの国内仕様も登場した。
XV1900A ROADLINER S

 現行のクルーザー系(というかヤマハ全車でも)最大排気量を誇る文字通りのフラッグシップモデルがXV1900A ROADLINER S。もちろん排気量が大きいだけではフラッグシップたる資格は十分とは言えない。どうやって成形したのか想像出来ない形状の大型の燃料タンクや、コスト度外視ともいえるようなナイフのような形状(専用設計のスイングアーム、ウインカー、ステップホルダーなど)はまさに細部にまでこだわりの塊。これぞスペシャル、ビラーゴ、そしてスターシリーズと脈々と受け継がれてきたヤマハアメリカンDNAの成せる技とも言えようか。


XV1900A

MXV1900A

XV1900A

MXV1900A

ヤマハコミュニケーションプラザ

CP

CP

 ヤマハ本社の横に位置するヤマハコミュニケーションプラザ。元々は社員同士のコミュニケーションを図る場として設立されたが現在は常時一般開放されており、ヤマハ新旧製品やレーサー、貴重な書籍や映像などを無料で閲覧できる素晴らしい企業ミュージアムとなっている。スーベニアショップ「プラザショップ」や喫茶スペース「カフェプラザ」もあり、今回ご紹介させていただいたような趣向を凝らした企画展も随時開催されている。基本的に平日と第二第四土曜日が開館日だが、変更になる場合もあるので公式サイトで御確認を。

靜岡県磐田市新開2500 http://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/cp/

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