ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2 第27回

その27「SR500という恐るべきバイク」

 とゆーことで前回の駄文の通り、SR500を購入してしまいました。最終モデルとは言え99年式であり、最早16年落ちのバイクである。人間だったら99年生まれはもう高校1年生って考えるといやあ古いなあ。
 しかし外観はなかなかきれいである。
 ヤマハ特有の(って言ったら失礼に当たりますかね)エンジンやフロントフォークアウターの白くて取れない錆も少なく、一方タンクの塗装や前後フェンダーの輝きは美しい。ブラックゴールドっていう色は遠目には普通のブラックなんだけど近くで見ると細かいゴールドが輝いているのね、とてもウツクシイ。
 性能の良いリアサスに交換されている以外どノーマルってのもいいねえ。
 とまあこんな調子で有頂天で買ってきた訳ですな。
 今年の4月の後半の事でした。その後なかなか時間が作れず、GWに初めて長い距離を走る事が出来て、「コイツは結構手強いぞ」と遅ればせながらジワリとSRの恐ろしさ? が分かって来ました。

 
 まず何しろ最初にびっくりするのはそのスピードだ。高速道路を100km/hで走っていてもすでに快適じゃない領域に入って来ています。80km/hで走っていたいな~とつくづく思わせられるこのスピード感。信じられる? 100km/hで、ああ辛いって思っちゃうんだよ? イマドキ80km/hで高速走っていたら後ろから追突されちゃうって。試しに(サーキットでね)130km/h出してみたら、なんかフロントの接地感無くなって来るし、びみょーにウォブル出るし、横風にめっちゃ弱いし結構怖かったです。はっきり言って高速安定性無い! ま、それ以前にエンジンいっぱいいっぱいでもうかわいそうって感じである。
 今迄乗っていたバイクと比べると快適なレンジが30-40km/h位遅低くなったみたいだ。
 また、壮絶な加速の無さにも絶句しました。0発進からの加速は多分250のスクーターに軽~く負ける。もう最初から1速は諦めてとっとと上のギアに変えていく乗り方が良いみたいだ。
バイク=加速感! という図式を全く諦めないとなかなか乗れないぞこのバイクは。

  
 実は僕はもう15年位前からず~っとSR500が欲しくて、この15年間いろいろとSR本なるものを購入してきたのだけれど、どの本にもいやあここまで遅いとは書いていなかった。
 500のアスファルトを蹴飛ばすような力強い加速力、とか書いてあるんですけど…。

 ふざけんなバカヤロ、オマエのバイクだけだよそんなひでえの…とか投稿しないでね。何しろSR乗ったの初めてなんで自分のコイツがSRの正しい姿なのかちっとも分からないでこの文章を綴っています。
 で、大阪の有名なSRの修理・整備の専門店さんへ思い切ってメールで質問してしまいました。
 その結果、早急にメンテする必要あり、とのお言葉でした。ただしスピードに関しては、そもそもSRは二輪の高速道路80km/h時代のバイクなんだから遅いの当り前だそうで、でも加速についてはちゃんと整備してあればアクセルだけでふつーにフロントが持ち上がるらしい(そんな気配全くなかったぞい!)。
 ついでに言うとSR500の最終版あたりは当初の500から考えると、相当牙を抜かれちゃったらしく、ホンモノの500感を楽しむなら初期の頃のモデルを狙うのが正しいそうですが…
 更に、フロントのドラムブレーキは効かないと言ったら、ちゃんと整備されていたらロックするほど効く、そうです。
 う~む、こりゃあ先は長そうだぞ! SRならなんでも自分でイジれそうなんて思って購入したのだけれど、ひょっとしてとんだ思い違いかも知れない。

 とりあえずまず僕がやる事は、まあいっぱい走って問題点を探し出す事なんだろうなー。そんでもってSRの専門店やらSR仲間やら先生を作って、果たして自分のバイクがどんなもんなのかを見つけ出さなきゃね~。
 あと、今度はシロート整備を一杯やってみよう! SRなら例えイジルの失敗しても新品パーツ絶対出て来るもんな~。ガイシャとか絶版車とかだと失敗出来ないから。
 まずはしばらくせっかくのノーマルをたっぷりと楽しみたい。そのためにも正しいノーマルに持って行きたい。ノーマルを充分に堪能できたら次に不足分を補うようなイジリもしたいものである。おお、ワクワクするね~。きっとホンモノのSRの力を出す、とか言ってキャブレターとか替えたりするんだろうね。キャブだって4つじゃなくて1つなら、ちょっとオレやってみようかな、なんて思うかも。
 これがシングルバイクの醍醐味ですな~。
 他にも初期型のようにフロント19インチもありだな、とかディスクブレーキどうだろとかなんかいろいろ楽しみ多いな。何しろアフターパーツいっぱい出てるからな~。

 なんだかとっても不思議なんだけど、これまでバイクって孤独なノリモノだから、基本1人ってイメージだったんだけど、SRだけはちょっと違う感じがする。
 なぜかな? 素のままではガマン出来なくなっちゃう魅力があって、他のヒトの話を聞きたくなったり、ジマンしたくなったりするからかな?
 前に雑誌で(モトナビ?)「SR乗ったら友達100人出来ちゃいました」って言葉があったんだけど、なんか良く分かるぞ。

 
 今僕はSRクンとの新生活を、大きな期待とそれ以上の巨大な不安と共に始めようとしている。
 大きな期待は、15年以上にわたってずっと手に入れたいと焦がれてきた思いが現実化した事だけど、巨大な不安とは、さあて本当に今更こんな低性能なバイクに乗ってられるのかしら? という恐怖である(ホントにSRファンの皆様ごめんなさい)。
 近いうちに僕は千葉の家族先から名古屋の単身先にバイクで帰ろうと思っているのだけど、純粋に新東名の350㎞を走り続ける事自体がちょっと心配だもんな~。
 そんな事もひっくるめていっぱい体験していっぱい好きになって行きましょう。
 SRファンの皆様、ご指導の程よろしくお願い致します。


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 

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