MBHCC B-6

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カメラマン 志位充一
職業はカメラマン。誰にも優しい人柄で、あらゆる方面に幅広い人脈を持つ。愛車SL230でホンモノのSL(蒸気機関車)を追いかけ回す筋金入りの撮り鉄でもある。

第7回「●横軽対策」
群馬の風景は日本の原風景的なところがたくさんあります。あまりの気持ちよさに緑なめで記念写真をパチリ。これはもうそのまんまポスターや!
群馬の風景は日本の原風景的なところがたくさんあります。あまりの気持ちよさに緑なめで記念写真をパチリ。これはもうそのまんまポスターや!

 みなさんお元気ですか。この間まで暑い暑い言っていたのに、肌寒い気配さえ感じられる今日この頃です。秋のバイクシーズンなのに、週末は雨続きでストレスが溜まっていませんか。そんなときはこのコラムでも読んで暇つぶしを。

 まだ暑かった8月の頭、群馬県の碓氷峠に行ってまいりました。碓氷峠と言えば、どうしても鉄分濃度が高くなります。タイトルを見てニヤッとしていただいた貴方、どうもありがとうございます。ほとんどの皆様には、なんのことやらさっぱりだと思いますが、暑さにやられた鉄のたわごとと、スルーしてください。

 まずは関越自動車道を北上します。このまま渋川伊香保ICで下りれば、目的地の近くですが、単調な景色でつまらないし、高速代節約も兼ねて(こっちが本音)本庄児玉ICで下りて国道462号線から国道17号線をずんずん北上し、あの青木三兄弟を生んだ子持村を抜け、国道353号線で、吾妻線小野上付近の撮影ポイントに向かいます。

 今日の目的のひとつめはさっそく鉄です。今日はDD51(ディーゼル機関車)が12系客車(大阪万博の団体輸送用に設計された客車)を牽引する臨時列車が走る日なので、ここで撮影します。すでに同業者さんがいらっしゃいますが、バイクなら通行の邪魔にならない所に停められて便利です。ただ、暑いのは我慢しなければいけませんが。
 無事に撮影し、列車が駅に停車している間に次のポイントまで先回り。バイクならば機動性も高いので余裕で移動できます。それにしても四輪で来ていた一部の撮り鉄さんのマナーの悪さと言ったら……ところかまわず車を停めるし、渋滞していれば右折レーンから堂々と割り込んでくるし……人のふりして我が振り直せですね。ほんの一部の人のこういう行動が、自らの首をどんどん絞めていく結果になるのですが……バイクブームの時の峠を見るようで、胸がチクチク痛みます。

DD51
DD51 DD51
この日は吾妻線70周年記念の臨時列車が走るので行ってみたのです。機関車ははDD51。その昔は四国以外、日本中どこでも走っていたのに、今や貴重品です。この日は更に後にもDD51ついています!

 
 撮影後は、けものみち的な? 県道58号線から草津街道(国道406号線)、さらに県道33号線で地蔵峠を超えて松井田町に抜け国道18号線で横川へ。横川と言えば昼飯は峠の釜飯。国道沿いのドライブインで購入出来ますが、せっかくですからバイクの機動力を活かして脇道に入って横川駅前の本店へ。ついでに周辺に点在する鉄道遺構をトコトコと見学します。

横川駅 おぎのや
少し立派になったけど行き止まりになった横川駅。信越線が軽井沢方面につながっていた頃は、かなりの列車が行き交っていたのに、今は鉄道ファンのほうが多いんじゃないかな? ここもあまりに有名な峠の釜めしの本店。今回は釜飯の写真を撮影することすっかり忘れてお腹の中に納めてしまいました……雰囲気だけでもお楽しみください!?
ラックレール 遺構
おおおおおおお大発見! 横川駅前側溝の蓋に使われていたのはアプト式のラックレール! って反応するのは一部の鉄だけですね。その昔は歯車でこれに噛み合い山を登っていました! まっスプロケみたいなものかな? かつてはこのレンガの台座の上に何本ものレールがかかっていたんです。今は奥に見える1本だけ。ってこれも鉄じゃないと、ただの煉瓦。つまらないね?
鉄道村 鉄道村
横川駅に隣接する鉄のパラダイスが碓氷峠鉄道文化むら。あっ、ここは子供達も楽しめます。特急あさまで碓氷峠を行き来した189系やらEF62、63など碓氷峠に縁の深い車両から、ここだけにしかないレアな車両まで30両以上が展示されています。さらにこれも世界でここだけ、有料ですが講習を受けて合格すればEF63型電気機関車を自分の手で運転することが出来ます。
碓氷峠 碓氷峠
鉄道遺構の中でもあまりに有名になったメガネ橋。碓氷川にかかるレンガ作りの橋で、今は遊歩道になっていて上を歩けますが、おデブにはキツイ階段でアクセスします。 その昔、アプト式と呼ばれた線路がここにありました。今は遊歩道です。このトンネルの先がめがね橋で、ずーと上り坂です。日頃の運動不足がばればれ、足ガクガク……。

 頃合いを見て横川駅に戻るとD51が停車中。誰もが知っている日本一有名なSL、あのデゴイチです。鉄じゃない人には、先ほどのDD51よりDがひとつ少ないだけじゃないかと思われそうですが、ひとつ違いでこんなに違うのです。はやる気持ちを抑えつつも、いそいそと入場券を購入し小走りに構内へ。

 いました! お久しぶり! この黒光り具合がたまりません! そして石炭特有のこの匂い! もうたまりまへん! 横川駅はかつての国鉄駅の風情が残っていて、SLと旧客(旧型の国鉄型客車)が似合います。昔はこんな光景、どこででも見られたのにね……って、自分も歳とりました。
 このまま堪能したかったのですが、後ろ髪を引かれつつ上毛三山パノラマ街道(赤城山、榛名山、妙義山を結ぶ国道、県道の愛称)で久しぶりの妙義山に向かいます。

D51
D51 D51
D51 D51
本日の目玉はデコイチことD51の498号機が牽引のSLレトロ横川号です。子供から大人まで嬉しそうに撮影する人気者です。古い客車がまたいいですね。幼少の頃、親の田舎に行くのによく乗りました。今はドアに電気式のロックが付きましたが 本来はいつでも開けることができて、走行中よく風をばんばんに受けて顔出して景色見ていました。今はお歳で揺れたら転落……できません。

 
 ここには関東でも有名な桜の里があり、数年前その桜の山を撮影に来て以来の訪問です。前回は車でしたから、バイクでは初めて! 交通量も少なくて快適な道です 珍しい山容の妙義山を眺めながらトコトコ走ります。すれ違うバイクに挨拶されて気分もアーップ!

かなり変わった山容が特徴的な妙義山。春は桜、秋は紅葉で人気です。でもこの時期は、バイクと走り屋の車だけ。 こんな感じのコーナーの連続です。ゆっくり走って景色たのしみましょ。なんて無理かな。いえいえ、家に帰るまでがツーリング、安全運転で。

 
 そのまま気分もよく、いつもの自分の獣道、国道254号線経由で帰宅しました 今回の行程は約350 km。燃費は40km/Lほど。 毎度のことですが、このCB250Fは経済的でよく走る良いバイクです!


■取材協力 ホンダモーターサイクルジャパンアライヘルメット
   
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