ジョルノ 189,000円(10月16日発売)

★ホンダ ジョルノ 車両解説

「おしゃれな50ccファッションスクーター」ジョルノがフルモデルチェンジ

「シンプルでエレガントなスタイルの、お洒落な新型メットインスクーター」として初代ジョルノが発売されたのは、1992年の3月。前年の第29回東京モーターショーに参考出品されて話題を集めたモデルの市販化だった。オーソドックスなビンテージスクーター・スタイルを、最新のメカと組み合わせて“古いが新しい”の時代感覚にマッチさせたことで、ファッションに敏感な若者層を中心に人気を呼んだ。

搭載されたエンジンは、空冷2ストロークで、ジョルノの初代としては1999年の最終モデルまで同一の仕様だった。そして、1999年7月に実質的な後継モデルといえるジョルノクレアが発売開始される。量産二輪車初の水冷4ストローク50エンジンを、これまた国内スクーター初のアルミダイキャスト製フレームに搭載しての登場で大きな話題となった。ただし、このジョルノの名称を引き継いだジョルノクレアは短命で、2001年1月に後継モデルのクレアスクーピーにバトンタッチした時点でジョルノの名称は外されてしまっている。

クレアスクーピーはバイクにとっては逆境の2000年代前半を生き抜いたが、2010年2月にニューカラーがアナウンスされたのを最後に環境対応などの面からラインナップから消えていた。そして2011年1月、実質的にクレアスクーピーの後継モデルである4ストファッションスクーターとして、名称もシンプルにジョルノとして復活したのが2代目のシリーズだ。

ただエンジンは、このクラスとしてはユニークな存在だった水冷4ストロークは採用されず、トゥデイ・シリーズなどにも共通するシンプルな空冷4ストロークエンジンとなり、デザインもキープコンセプトながら完全に新設計のボディで登場している。クレアスクーピーの後継というよりは、やはり新時代のジョルノの誕生だった。

そして2012年1月には、ジョルノのカラー設定変更と同時に、レッドの専用ストライプなどを施し、スポーティーさをプラスした“ジョルノ・スポルト”がバリエーションに追加されている。さらに2013年1月には特別なカラーリングを施した“スペシャル・エディション”も登場している。マットアクシスグレーメタリックとパールキャンサーホワイトの2色をベースとした2タイプがリリースされた。2014年1月には、カラー&グラフィックが変更され、ラインナップもシンプルに単色系(黄と黒2色)のジョルノと、ツートーン系(桃、青、茶、白4色)のジョルノ・デラックスのバリエーションとなった。2014年11月に、ジョルノの車体色を“街中で映える”全4種類のバリエーションに、ジョルノ・デラックスを“上質感を際立たせるツートーンカラー”で2種類のバリエーション設定としたのが前型モデルの最終となった。

今回、フルモデルチェンジされたジョルノは、エンジンに水冷4ストロークOHC単気筒50ccの「eSP」(※eSPの意味は下のホンダ・リリースを参照)エンジンを採用、より丸みを強調したボディに搭載したモデルで、家電や生活用品などのイメージを取り入れたデザインがより可愛らしさを演出している。また、新型ジョルノの生産は、従来の中国ではなくなり国内の熊本工場で行われることになった。
 

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ジョルノ。パールマーメイドブルー。
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ジョルノ。パールアンブラウン。
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ジョルノ。アーベインデニムブルーメタリック。
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ジョルノ。パールジャスミンホワイト。
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ジョルノ。マグナレッド。
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ジョルノ。ポセイドンブラックメタリック。

★HONDA プレスリリースより (2015年10月2日)

原付スクーター「ジョルノ」の外観を一新するとともに、
水冷・4ストロークエンジン「eSP」を搭載し発売

Hondaは、おしゃれで高級感のあるスタイルなどにより好評を得ている原付スクーター「ジョルノ」の外観を一新するとともに、優れた燃費性能と力強い出力特性を両立した水冷・4ストロークエンジン「eSP(イーエスピー)」※1を搭載するなどのフルモデルチェンジを行い、生産をこれまでの中国から日本の熊本製作所に移管して、10月16日(金)に発売します。

ジョルノは、ファッションに敏感な若者層を中心とした幅広いお客様の嗜好に応えるため、“丸くてかわいい”をスタイリングテーマに、豊富なカラーバリエーションと日常での優れた使い勝手が魅力のファッションスクーターとして開発。今回、外観を張りのある丸みを強調した、より親しみやすいデザインへ一新させるとともに、装備面においても、スマートフォンなどの充電に便利なアクセサリーソケットを標準装備するなど、さらなる機能向上を図っています。

また、エンジンには原付スクーター「Dunk(ダンク)」や「タクト」で好評を得ている、水冷・4ストローク・OHC・単気筒50ccエンジン「eSP」を新たに搭載。低フリクション技術を随所に採用するとともに、「電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)」※2と「アイドリングストップ・システム」の採用などにより、優れた燃費性能と環境性能、力強い出力特性を実現しています。

※1 enhanced(強化された、価値を高める)Smart(洗練された、精密で高感度な)Power(動力、エンジン)の略で、低燃費技術やACGスターターなどの先進技術を採用し、環境性能と動力性能を高めたスクーター用エンジンの総称です
 ※2 PGM-FIは、Hondaの登録商標です

●販売計画台数(国内・年間) 18,000台
 
●メーカー希望小売価格(消費税8%込み) 189,000円(消費税抜き本体価格 175,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
=主な特長=
 
●スタイリング
若者層を中心とした幅広いお客様に受け入れられるように、張りのある丸みを強調したスタイリングを採用。円をモチーフにした個性的なフロントデザインは、やや大きめの丸いヘッドライトとロゴエンブレムを配して、かわいらしさと親しみやすさを表現。加えて、各部のメッキパーツやラバー式フロアマットで高級感と上質感を演出しています。
 
●カラーバリエーション
新色2色を含む、6色のカラーバリエーションを用意しました。
・パールマーメイドブルー(新色)
・パールアンブラウン(新色)
・アーベインデニムブルーメタリック
・パールジャスミンホワイト
・マグナレッド
・ポセイドンブラックメタリック
 
●主な装備
日常の通勤・通学や買い物での使用など、幅広い用途に対応できるよう、原付スクーターならではの優れた使い勝手を実現しています。
・ヘルメット※3や小物を収納できる容量20L※4のシート下ラゲッジボックス
・小物の収納が可能なフロント左側のグローブボックスに、スマートフォンなどの充電が可能なアクセサリーソケットを装備
・フロント右側のインナーボックスは、500mLのペットボトルも収納可能な容量を確保
・日常の使いやすさを考慮した「時計表示機能付きメーターパネル」
・買い物袋などが掛けられるリング状の大型フック
・いたずら防止や盗難抑止に効果が高い「シャッター付キーシリンダー」と、「シートオープナースイッチ」を装備した集中コンビスイッチ
・Honda独自の「コンビブレーキ」(前・後輪連動ブレーキ)を装備
 
※3 ヘルメットの形状や大きさによっては入らない場合があります
※4 Honda調べ
 
●エンジン
低フリクション技術を随所に採用した、水冷・4ストローク・OHC・単気筒50ccエンジン「eSP」を搭載。電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)とアイドリングストップ・システムの採用などによる、力強い出力特性と、30km/h定地走行テスト値で80.0km/L※5、WMTCモード値では56.4km/Lという優れた燃費性能を両立しています。アイドリングストップ・システムにはエンジン始動時のバッテリー電圧を検知するシステムを採用し、バッテリー電圧が低下している場合はアイドリングストップ機能を停止して、バッテリー上がりの抑止に貢献します。なお、バッテリーが上がった場合でも、キックにより始動可能なシステムを採用するなど、使い勝手に配慮した設計としています。
 
※5 国土交通省届出値

★主要諸元

車名型式 JBH-AF77
ジョルノ
発売日 2015年10月16日
全長×全幅×全高(m) 1.650×0.670×1.035
軸距(m) 1.180
最低地上高(m) 0.105
シート高(m) 0.720
車両重量(kg) 81
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 1
燃費消費率※6(km/L) 80.0(国交省届出値 定地燃費値 30km/h 1名乗車時)
56.4(WMTCモード値※1 クラス1 1名乗車時)※7
登坂能力(tanθ) -
最小回転小半径(m) 1.8
エンジン型式 AF74E
水冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
総排気量(cm3) 49
内径×行程(mm) 39.5×40.2
圧縮比 12.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 3.3[4.5]/8,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 4.1[0.42]/7,500
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式 セルフ式(キック併用)
点火方式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑油方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 4.5
クラッチ形式 乾式多板シュー式自動遠心式
変速機形式 無段変速(Vマチック)
変速比 1速 2.850~0.860
キャスター(度) 26°30′
トレール(mm) 75
タイヤサイズ 80/100-10 46J
80/100-10 46J
ブレーキ形式 機械式リーディングトレーリング
機械式リーディングトレーリング
懸架方式 テレスコピック式
ユニットスイング式
フレーム形式 アンダーボーン

※6 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
 ※7 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます