なんだか、すごい、
「初音ミク」。
(2010.9.3更新)
これが掲載されたころにはもう3周年のイベントが各地で盛り上がってるでしょう。未だ全く衰えることを知らない、仮想キャラの「初音ミク」が、どうしてこんなに盛り上がりまくりなのか、に迫ってみようと思います。
「初音ミク」とは、要するにパソコンのソフト。もうちょっと説明すると、DTMソフト。デスクトップで作曲しちゃおう系な訳。
使い方は、音色を決めて、音符を入力して音楽を組み立てていく、って口で言うと簡単なのですが、これがまた、かなり大変なのです。
こういったソフトは長年、プロアマ問わず、ミュージシャンの方が使うのが普通だったのですが、ヤマハが歌を人工的に歌わせるための音声合成システムを開発したのがきっかけとなり、今日の、このフィーバー状態に行き着いていということになるのです。
VOCALOID(ボカロとも言うらしい)。ヤマハの開発した音声合成システムやそれを利用した製品を総称してこう呼びます。
ソフト製品の構成としては「音源」+「合成システム」+「編集ツール」が統合されています。「初音ミク」ってのは、それらの製品のひとつ。クリプトンフューチャーメディア社の「VOCALOID2 キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第一弾で発売されたもの。
ミクに続き、双子?の「鏡音(かがみね)リン・レン」、ちょっと大人な「巡音(めぐりね)ルカ」というラインナップで、それぞれにファンが多いのですが、世の中はダントツにミク一色なのかもしれません。
ちなみに、今や一家に一人は歌って踊りまくっている(当然うちにも)ミクですが、そもそもこんなアイドルみたいな子ではなく、ソフトのパッケージに印刷されている立ち絵が一枚、たったそれしか無かったんです。
フィーバーに至るには実は「ニコニコ動画」が必見必須必携必至のサイトだったに違いありません。
ニコ動はご存知のとおり、ユーザ自作の動画が公開され、皆でコメントして楽しむサイト。ここで、他の人の曲を自分で「歌ってみた」「踊ってみた」的な投稿がされていた訳ですが、ミク出現により「歌わせてみた」「踊らせてみた」となり、自作の曲に歌を付け、絵師が絵を描き、3D職人が立体化し、ツールまで公開開発され、誰でも「踊ってみた」がアップできるという楽しい事になっているのです。
今では”彼女”は相当奉られており、「〜を歌ってくれたよ」とアップされる事が増えています。
- 電気先生
ちなみに我が家にもミクは潜在しているのですが、ネットやCDで人気のある曲のレベルに歌ってもらうのは結構な熟練が必要です。まず触って数日程度では、歌っぽくするのも不可能かもしれません。
という敷居の高い状況にも救世主があり、VocaListener(ボーカリスナー)という、産業技術総合研究所で開発されたシステムってば、実際の歌で入力すると、何とVOCALOIDの難儀なパラメータ入力があっという間に完了する、ということらしいのです。
お茶目なことに、これがニコニコ動画でも公開され、(ミクの)「神調教(=歌らしくするための調整力が神がかり的、な意)スゲー!」などと話題沸騰したものです。こんな技術も今や携帯サイトまで進出し、歌詞を入れると歌ってくれるサービスなどが登場しています。
歌って踊るだけでなく、フィギュアを作成して動画を投稿する動きもあり、これが後にねんどろいどシリーズに加わる、という快挙も達成。発売されれば、どれもこれも高値が付くし、「歌ってくれた」曲もCDになれば飛ぶように売れ、当然オリコン制覇。PSPのゲームでも登場。誰でも気軽に歌ってれる「ProjectDIVA」シリーズは超ミリオンヒットだそうで。
このブームに後押しされてか、本家初音ミクにも、もっと心をこめて歌ってもらいやすいように、声質を6倍に増やす、「初音ミク・アペンド」(音源ライブラリ)が追加発売されたり...
次々ネタは尽きないのですが、ミクは今年のSuperGTにグッドスマイルRTから参戦中なのです。チームのテーマ曲も当然ミク、チームのレースクイーンもミク、リン、ルカ3人が応援しています。いやー、勢いが全然止まらない、初音ミクって...やっぱりすごいかも。
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