第13回 上を向いて歩こうってばよっ!
(2011.7.7更新)
夏ですねー。ほんに毎日、暑うございます。
こんなとき、節目がちに顔をしかめて歩くのが普通なのですが、どうせなら、私は下よりは上の方を見ながら歩くのがいいかなーと思っているのです。いや実はクセなのですが。
最近私が気になるのは、抜けるような夏空よりも、電信棒(でんしんぼう)!(これは、中部地方から西の方の方にはよく使われているみたいですね)
ということで、毎月恒例「気になるとあれこれとまらないシリーズ」の時間がやって参りました。
私の大好きな、まにゃっくなネタの中から、今回は「電柱」について勝手に語ります。
本当は「鉄塔について」とかも語りたかったのですが、それはまた別の機会ということで・・・
さてさて、どなた様も日々、目にしないことが不可能な「電柱」についてですが、発電所から家庭へと、電気の受け渡しを担っているこの一本柱について、私的なお気に入りポイントのベスト10、だとちょっと長すぎるのでベスト5から行くことにしますね。
★第5位:なんだ、この電圧!
電柱って、要するに発電所から我が家に電気を運んでくるわけですけど、根元までたどっていくと実はとんでもない電圧なんですね。電気って電線を延ばせば延ばすほど消耗しちゃうので、発電所では、当然ながら想像を絶する電圧が生成されているのですわこれが。
それではコンセントから逆に遡ってみますと、
家庭(100V)→電柱(100V〜200V)→変電所①(6,600V)→変電所②(22,000V)→変電所③(66,000V)→変電所③(約15万V)→発電所(27万V〜50万V)
50万ボルトだなんてねぇ・・・
こんなの絶対おかしいよっ!
そして、わけがわからないよっ・・・
ということで、発電所で現物を目の当たりにされた方はお分かりかと思いますが、ともかく設備が巨大で、そして怖い。です。
こんな超絶な高電圧ですが、電圧の大きさについては、法律でちゃんと区分けがあるのですな。
・電圧の大きさ
・・・って、3種類しか無いんですね。そして、交流600Vでも「低圧」だなんて、驚愕っ・・・
高電圧の用途としては、工場とか電車とか、いろんな用途があるわけですが、詳しくはその道のプロの方にお任せいたしますね。
★第4位:なんだ、この歴史!
電柱も、ご多分に漏れず歴史あり。大昔の設置は電力用途より通信用途が先だったのです。
その昔、東京〜横浜間、1869年がお初。その後、電力用は1883年に東京電力の前身の「東京電燈」という会社が、都内に火力発電所を建設して送電を開始したのが始まりです。
その後、電気の使用が増加するにつれて、浅草火力発電所には大容量の交流発電機(ドイツ製:50Hz)が導入されたとさ。
続いて、関西地方で今度はアメリカ製の発電機(60Hz)が導入されたことで、現在の厄介な状態になっているのはここではまあ割愛します。ふふ、ふふふ。
ちなみに、当時の電力会社は、余剰な電力で電気鉄道も経営していたのですが、この名残は今も、江ノ電とかで、たぶん見られちゃいます。一目瞭然、普通の電柱っぽいものに、何と「架線」も通っているってばよっ!
- 電気先生
・・・なんだかとても素敵です。
★第3位:なんだ、この種類!
電柱というのは、電力会社が送電・配電を目的に設置する「電力柱」、通信会社が通信用ケーブルの配線を目的に設置する「電信柱」、その他、各種配線や設備共同利用のための「共用柱」(共架とも言う)などがあります。
昨今、電線や電話線の支持用としての印象が強いのですが、大昔は、電気通信用の電線の支持用に日本全国に普及したことがはじまりだったため、電信柱(でんしんばしら)と呼ばれることが多いのです。
電柱はどれもこれも、楽々そびえ立っていると思いきや、配線されているケーブルの張力で倒れないように、支線(地面へワイヤー固定される)で支えられたり、電柱どうし、張力の働く方向と反対方向に微妙に角度をつけて設置されているものがあったりするので、こいつ〜、誰に引っ張られてんの? などと、力加減を追って見てみるのも面白いかもしれませんね。
・・・しかし、何で電信柱、だけ、最後が訓読みなの?
★第2位:上には一体、何が乗ってるんだ?
電柱の目的としては、電線の橋渡しな訳ですが、とにもかくにも色々と抱きついて巻きついておりまする。
よくもこれだけイロイロ・・・てな感じで。
例を挙げてみますと、
①送電線・配電線 ②変圧器 ③開閉器(ブレーカー) ④電話線、光ケーブル ⑤街路灯・保安灯⑥交通信号機・標識 ⑦携帯・PHSの基地局 ⑧避雷設備 ⑨電柱広告 などなど・・・
⑧避雷設備って、ピンと来ないかもしれませんが、高圧電線なんかに雷がドッシャーン!などと落っこちたら、突然停電に陥ってしまいますので、これは大変重要な訳ですが、何ということはありません。
一番てっぺんに一本の針金のようなものが通っていたら、「架空地線」と呼ばれ、この役割を持っているものです。
車でいうところの「アーシング」、のようなもの!?
★第1位:えーっ、お金とるの!?
ところで、電柱を設置する場所は、ほとんど公道。したがって、お国から「道路占有許可」を頂戴する必要があります。当然ですが、電力会社や通信会社は占有料を支払っています。さらには、看板などを見かけることがありますが、これも「屋外広告物許可」のもと設置されているのです。いろいろと規制があるんですねっ。
看板設置も、もちろんタダではありませんぞ。ということで、電力会社、通信会社には関連の営業窓口があり、しっかり営業もしているようです。そこへお願いすると、電柱に看板広告(掛広告、巻広告)を出すことが出来るのですよ。あなたのお店も一発、いかがでしょう?
以上、つまらないランキングにお付き合いいただきありがとうございます。
これらを踏まえ、お散歩される際にはぜひ、上を向いて、電柱について思いを馳せてみましょう。新たに、不思議なモノが取り付けられているかもしれません。
あ 、そうそう、思わぬところで鳥が沢山留まってて、落し物があったり、雨の日には水が滴り落ちてくることもありますので、真下を歩く際は十分にお気をつけくださいねっ。
それではまた来月〜
[第12回|第13回|第14回] [バックナンバー目次へ]