第2湯
青森八甲田山周辺の湯巡り(前編)
7月の3連休あたりから8月上旬にかけて仕事が入るはずだったが、諸般の事情により延期になり、3連休がぽっかり空いてしまった。落ち着きのない私が3日間も家でゴロゴロできるわけもなく、ここは気分を変えて、早めの夏休みということでロングツーリングを敢行することにした。
ETC休日割引が有効な3日間をどう活用するか熟考して出た結論が、青森の八甲田山周辺にある名湯・秘湯に入ろうというもの。青森は以前から行きたかったので、この際なので思い切って行くことにした。
行き先を青森に決めたのはいいが、問題はいつ出発して、いつ帰京するかということだ。
東京から青森までは片道700キロ以上。ジェベル250XCで行くとなると、経験上10時間以上はかかる。さらに連休ということもあって、東北道の那須近辺で激しい渋滞が発生するはずだ。渋滞が午前7時くらいから発生すると考えると、自宅を午前3時までに出発しなければならない。一方帰りは、朝方から夜半の渋滞を考慮すると、現地を夕方くらいに出発して、日が変わってから東京に着くのがベストだ。
ということで、出発は土曜日の午前2時、帰京は日曜日の夕方という、1泊3日の強行スケジュールが組まれた。
出発前日の金曜日、午後9時まで仕事をして自宅に戻り、2時間ほど仮眠してから予定どおり午前2時に出発。ガラガラの首都高を抜けて東北道に入り、青森に向けてひたすら走行開始。宮城県に入ったところで30分ほど仮眠。岩手県に入ってから気温が徐々に上がり始め、梅雨明けらしく天気は快晴。青森中央ICに到着したのが午後1時、想定どおり約11時間かかった。700キロ以上走って1,400円とは、何だか罪深い感じがしてしまった。
すでに初日の半分が経過していたので、今回のメインイベントである酸ヶ湯や青荷温泉などの入湯は明日にして、国道4号線を通って浅虫温泉に入って夏泊半島を巡り、野辺地、三沢方面まで進み、八甲田山の近くでキャンプすることにした。
朝風呂を兼ねた第1湯目は浅虫温泉。国道4号線沿いにある陸奥湾に面した名高い温泉だ。
エレベーターで5階まで行き、料金350円を払って浴室に入る。浴室はそれほど大きくないが、海に面した浴室の眺めはいい。お湯は無色透明のカルシウム・ナトリウム塩泉。11時間走りっぱなしだった身体を休めるにはちょうどいい湯加減と泉質だ。シャンプーや石鹸の備え付けはなかった。
建物から出ると、強烈な日差しがお湯で火照った身体を痛めつける。季節はすっかり夏だ。
浅虫温泉を出て、夏泊半島を一周。国道4号線を野辺地方面へと進み、県道8号線を通って三沢市内にあるキャンプ場へ向かう前に、第2湯目となる上北町の「玉勝温泉」に入った。
旅館っぽいところかと思ったが、銭湯のようなところだった。料金は210円と銭湯としては安い。浴室の扉を開けると、広い脱衣場と大きい湯船が目に飛び込んできた。夕方ということもあり、地元の方が大勢入っている。
やや薄めの黄色がかったお湯は、ちょっとヌルスベ感のある単純泉ということもあって入りやすい。銭湯ということから、ここでもシャンプーや石鹸は備え付けていなかった。湯上り後、泉質表を見ると源泉の温度が47℃となっており、やや熱めのお湯だ。
しっとりとした雰囲気の玉勝温泉を後にしてキャンプ場を目指す。迷いながら現場に行ってみると、翌日にイベントがある関係で泊まれないとのこと。3月に行った淡路島と同じだ。仕方ないのでみちのく有料道路入口近くにある森林公園キャンプ場に向かった。
有料道路入口脇の側道を入り、採石場を過ぎたところにキャンプ場はあった。ここは嬉しいことに無料。場内は広くて整備されており、落ち着いてキャンプできそうだ。
テント設営後、10キロ弱先にある「天間林温泉」に行った。
到着すると、先ほど行った玉勝温泉と同じ銭湯のようなところだった。料金は300円とここもリーズナブル。湯船は種類別に小分けされており、お湯は玉勝温泉のように薄めの黄色。肌触りも似ている。大勢お客さんがいて賑わっていた。ここもシャンプーや石鹸の備え付けはなかった。
建物から出ると、日はすっかり沈んでいた。
キャンプ場に戻って夕食を食べ、テント内でまったりしていると、ポツポツと雨が降り始めた。気温は19度。日中の気温がウソのように涼しかった。
明日の天気を心配しつつ、長時間のライディングからか爆睡してしまった。
- [第1湯北アルプスエリア]
- [第2湯青森八甲田山(前編)]
- [第3湯青森八甲田山(後編)]
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- 毛野ブースカ
- ブースカ的評価
(5段階評価) - ●浅虫温泉
- ★★★★★
- 道の駅にあるので、お土産を買うついでに入浴したい
- ●玉勝温泉
- ★★★★★
- 青森市民の生活が感じ取れる温泉銭湯。旅館も併設
- ●天間林温泉
- ★★★★★
- 低料金でツーリング途中で疲れた身体を癒すのに最適