Hi-Compression Column

HERO`S Meeting Report

HERO‘S 大神 龍

年齢不詳
職業フリーライター
見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。
時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。
愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ900。


HERO`S Meeting Report
(2010.9.29更新)※写真をクリックすると大きくなります。

9月に入り、ほんの少しだけ秋の気配を感じるようになってきた。やっとあの忌々しいほどにクソ暑い夏が終わりを告げようとしている。

8月の終わりにオレは体調を崩し1週間近く寝込むというまったくオレらしくもない事態に陥った。

高熱を発し膝の関節炎まで併発して立ち上がる事すらままならないといった重傷ぶりだ。

原因はわかっている。

死人が出るような暑さのこの夏に調子こいて遊び呆けた事に対する罰だ。

だが遊び呆けたとは言っても大した事をしていたわけではない。ただバイクで走り回っていたというだけの話なのだが……。


7月後半の3連休に向かったのは伊豆。これが実にタイミングが悪かった。

梅雨明け、ガキの夏休み突入、そして3連休。高速道路は早朝から交通量が多く、SAはどこも大混雑。

そして高速を降りて沼津から伊豆へ向かう道は大渋滞。しかも猛暑。

久々に走ってみたかった伊豆スカイライン方面は車が列を成していた。

そんな混雑の中を走っても面白いわけがない。

伊豆スカを断念して西伊豆方面へ針路変更。交通量の少ない道を選びながら山の方へ走った。

修善寺を抜けてからは一気に交通量も減り快適に走ることができたのだが途中、見つけたキャンプ場でなぜか(まぁだいたい理由はわかってるんだが)拒否られた。

仕方なくさらに山の方へ進んでいくと西伊豆スカイラインに突入。山の涼しい空気の中、タイトなワインディングが続く

やっとストレスフルな状況から解放されたかと思ったが今度は仁科峠を越えた所で通行止め。結局、来た道を引き返すハメに。

なんだか見えない何かに邪魔されてるような気分になってきた。

しかしこの出来事の一つ一つは邪魔されていたのではなく導かれていたのだとこの直後、オレは知る事となる。

とりあえず地図を見ながら仕切りなおしと思い途中、素通りした達磨山のレストハウスまで戻ってラーメンをつつきながら富士山を眺めているとオレの方を覗きこんでくる人物が1人。


  • c5-01
  • 達磨山レストハウスは休日という事もあって近県からのツーリングライダーで溢れかえっていた。

    今年の4月に京都の笠置で劇的な再会を果たしたベンちゃんである。

    相模原在住のベンちゃんが伊豆あたりにいるのは別に不思議な事ではないのだが西伊豆の山の中でたまたま出くわす確率ってのはどれくらいなんだろうか。

    食事を終え外に出てベンちゃんとダベっていたその時、オレのほうに歩み寄ってくる人物が1人。KAZU中西である。

    どうやらここが伊豆で浮上している二輪通行止め規制に対する運動の拠点らしい。

    夕方にはベティもやってきた。


  • c5-01
    この日もベティをはじめとする山の仲間達はせっせと二輪通行規制に対するビラ撒き運動を実施。

  • ベティとは会う約束をしていた。だがそれはこの日、この場所でという事ではない。翌日にどこかで合流してこのあたりを案内してもらう予定だったのだ。

    結果的にはその案内してもらうはずの場所をこの日、オレは勝手に迷走していた事になる。こんな事があるから旅というやつは面白い。


  • c5-01
    あらためて地元走り屋たちと西伊豆をツーリング。確かに地元のバイク乗りにとってこれほど気持ちの良い道を走れなくなるのはあまりにも悲しすぎる。

  • 伊豆の帰り道、オレは岐阜へ立ち寄った。愛知のらんま氏の別宅でこの3連休、怪しい宴が開かれていると聞きつけていたのだ。

    日暮れ時、小牧ICを降りて教えられた方角にバイクを走らせる。

    最初に曲がるT字路にさしかかった時、時間はすでに夜の8時。細かい場所がわからないためすでに現地入りしているホリ氏に電話して聞くと代わったらんま氏が「その道を道なりに走ってればバイクが停まってるからわかるよ」と。

    しかし……走っても走ってもそれらしいバイクは見えない。

    通り過ぎては引きかえしてと散々走った挙句、ホリ氏らにわかる所まで出てきてもらって案内されたのは道沿いに流れる川向こうの民家。

    ゼッテェーわからねぇ!その事に文句を言いながらも屋内に案内されたオレは腰を落ち着けるとすかさず乾杯。

    前日は十数人いたらしいがこの日残っていたのは5、6人。しかしゆっくり呑むにはこれくらいが丁度よかったりする。


  • c5-04
    乾ちゃんの北海道土産、イカ墨ドロップと蟹ドロップ。そのネーミングだけで美味しくないのは明白。案の定、誰も手をつけず。

  • 10時ごろに戻ってきた毎度お馴染みの吉岡氏は名古屋のライブに行ってたと言うし、九州の山瀬に来ていた荒走り君は本人自慢のひじょ~にキケンな酒を振舞ってくれるし、乾ちゃんは北海道の土産だと言って変な飴を持ち込んでるし、今回オレを誘ってくれたホリ氏は明日の朝から仕事だというのに帰ろうとしないし……これだけ中身の濃い連中が集まってればそれで十分でしょ。


  • c5-04
    ええ、相変わらずどこへ行ってもいます!の吉岡氏。前夜の呑みでは名古屋でのライブ帰りにもかかわらず最後まで生き残ってた。タフだねぇ~。

  • まったりとした雰囲気の中、この日は1人ずつ順番に潰れていった……らしい。ちなみにオレはこの日の走り疲れのせいもあってか結構、早めの終了でした。


  • c5-04
    普段、酒蔵に勤める荒走り君はその仕事柄、いつも日本酒を持参。そのどれもが激ウマ!そして、とてもリスキー。


  • その翌週、オレはまたしても関東方面へ足を向けた。行き先は相模湖。がんじー主催の若洲宴で常連のタッチャン、アミーゴが主催のTバックミーティング。

    案内でもらったメールには場所は相模湖東ICを降りてからの道順が記されていた。

    相模湖ICを過ぎた所であと少しと思っていたのだが……よくよく考えてみたら西からの上り方面には相模湖東ICは存在しない。

    結局、八王子まで行くハメに陥り、まったくもって無意味な東京入り。

    しかも反対側は八王子IC手前10数キロに渡って渋滞してるし。この日もドピーカンの猛暑日。熱中症寸前である。

    折り返して相模湖東ICを降りてからも道に迷いここでも迷走を続ける事に。迷ったついでという訳ではないがオレはかつてよく走りに行った大垂水峠へ足を運んだ。

    しかし、そこにかつての面影はなかった。

    道沿いの店は軒並み廃墟と化しバイクの姿なんてほとんど見ない。あの狂ったようなバイクブームの頃を思うとバイクは本当にごく一部の娯楽となってしまったのだなとつくづく感じてしまったさ。

    しかもオレ達のようなバイク乗りはその一部の中のさらに一部だ。

    その後、同じ道を何度も行ったり来たりしながらなんとか辿り着いたキャンプ場は入り口が民家にしか見えない新戸キャンプ場。


  • c5-04
  • ホーネットのチェーン交換が間に合わずこの日の足はシェルパ。はい、猛暑の中、コイツでの長距離移動はキツイ。かなり弱ってます。

    ヘロヘロの状態でキャンプサイトに乗り入れると主だった面子はすでに酔っ払い状態。主催のタッチャンとアミーゴはパンツ一丁で川遊びしてるし。

    それでも最初に手渡された冷えたビールは凄まじく美味かったさ。


  • c5-04
    ここでもお馴染みの顔が揃ってますねぇ。それでも年間通して会うのは両手で数えるくらい。まぁお互い住んでる場所を考えたら多いんですがね。

  • 夕方には先週、伊豆で会ったベンちゃんもやって来た。そこから先はもういつも通りの延々と呑んで食って語ってと。暑いだ寒いだ、さらには集まるヤツ等がむさくるしい野郎ばかりだなどと文句をいいながらもやはりオレにとってこの時間は心地良い。


  • c5-04
    一見、V-MAXかと思いきやマシンはエリミネーター400。V-MAXのエアダクトが違和感なくキレイに装着されてます。

  • そして8月。オレは今年のキチガイじみた暑ささえも笑い飛ばしてしまうであろう熱き男たちの待つ場所へ向けてバイクを走らせた。そこで見たものは想像を超えた走りの世界。

    (次号に続く)



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    [第3回 伊豆・岐阜・相模湖]
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