Hi-Compression Column

HERO`S Meeting Report

HERO‘S 大神 龍
HERO`S Meeting Report
年齢不詳
職業フリーライター
見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。
時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。
愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ900。


HERO`S Meeting Report SHOTGUN PARTY2010 今宵、聖地にて HERO`Sアイランドへようこそ
(2010.12.20更新)※写真をクリックすると大きくなります。

久々のエイプ登場である。走らせる事を怠っていたわけではない。

旅に出ていない時はほぼ毎日、日常の足として活躍してくれてはいたのだがコイツに旅道具を乗せて走ったのは本当に久しぶりだ。

時間を制限されての長距離走が多かった今年においてはまぁ仕方のない事なのだが今回ばかりは否応無しにコイツの出番となる。

それもそのはず、ステージはしまなみ海道。そう、今年もこの季節がやってきた。

無人島ミーティング“ショットガン・パーティー”。そして主催はこのオレ自身だ。

午前11時過ぎに島に入ると管理等の東屋の下にテントが二つ。一人は鎌倉からガンマ125で全国を旅しているらしくこのあと、四国に渡るのだという。もう一人はお遍路さんで何日かここに滞在しているようだ。

この島もこれを始めた頃と比較したらすっかり有名になってしまい旅するミニバイクやチャリダーがよく利用している。寒くなりかけのこの時期でもちらほらと利用する者はいる。

そしてここ2、3年の傾向として運悪くこの日、ここに滞在してるバイク乗りは例外なく巻き込まれる運命にある。

もちろん無理強いなどした事は過去に一度もない。まぁ言葉巧みに誘いはするが……。

ユウスケと名乗ったガンマの兄ちゃんはこの日、出発して足摺岬を目指す予定だったのだが「是非、参加します」といってここにもう一泊するように予定を変更した。

お遍路さんの方は「今、修行中の身なんで」と言い遠慮したが「私の事は気になさらないで思う存分楽しんでください」と理解あるありがたい言葉をいただいた。



  • 知れ渡ったとは言えその限られた交通手段ゆえに利用者の少ない見近島。キャンプ場として無料でありながらその環境は最高レベル。
    知れ渡ったとは言えその限られた交通手段ゆえに利用者の少ない見近島。キャンプ場として無料でありながらその環境は最高レベル。

  • 昼を過ぎた頃、大阪のフクちゃんがモンキーで島入り。彼は昨年、告知を見て初めて参加してくれた一人だ。

    昨年あたりはだいたいこの時間くらいからちらほらと来島者がいたのだが今年は静かな出だしだ。

    それもそのはず、今年に関して言えば開催日にしてもギリギリになるまで決めずおまけにミスター休刊の為、雑誌による告知もしていない(ウェブの方には告知したが)。伝達の経緯がほとんど口コミであったため昨年ほど人は集まらないだろうとオレは踏んでいた。

    だがそれでいい。別に人集めが目的ではないし人数が多けりゃ面白いってわけでもない。

    もともとの始まり自体が四国のANかつ氏と適当に仲間を呼んで無人島という極めて珍しい環境でちょっと一杯やろうかって話からスタートしている。

    バイクで自走していける無人島など日本中探してもおそらくここだけだろう。

    夕方になるまで目立った動きもなくオレとフクちゃんは焚き火用の薪を用意したりしながら時間を過ごした。

    3時をすぎたあたりから一台、また一台とバイクが島に入ってきた。ここの常連と言えるヤツらが多い中、他ではよく会うがここは初めてというヤツもいる。そしてその誰かに誘われて来たであろう初顔合わせも。

    そこからはもう雪崩式である。おまけにそれぞれが色んな酒を差し入れてくれる。地元大島の矢野氏も毎年のように差し入れの鯛めしとともにやってきた。

    しかもその量が米一升分と半端ではない。終いにゃ釜ごと登場する有様だ。

    こうなると四の五の言わず始めちまうに限る。いや、実際の所はもうすでに始まっているのだが、それでもあらためて島に来てくれた仲間と最初の乾杯だ。


    今治のスナフキンと山口の藤井氏はすっかり常連。万全の体制、呑む気満々で島入り。
    今治のスナフキンと山口の藤井氏はすっかり常連。万全の体制、呑む気満々で島入り。
    桜木氏は出発直前にカブの自賠責保険が切れてる事に気づいて入れてきたそうな。せっかくのマシン、たまには動かしてやらないとね。
    桜木氏は出発直前にカブの自賠責保険が切れてる事に気づいて入れてきたそうな。せっかくのマシン、たまには動かしてやらないとね。
    いつもBMWのせいじ氏はカブに跨りショット・ガン初参戦。カブ&バトルスーツのビジュアルはなかなかナイスですな。
    いつもBMWのせいじ氏はカブに跨りショット・ガン初参戦。カブ&バトルスーツのビジュアルはなかなかナイスですな。

    酒に関してはある程度、こっちで用意するも差し入れ多数で最終的には何でもあります状態に。これも毎年の事。
    酒に関してはある程度、こっちで用意するも差し入れ多数で最終的には何でもあります状態に。これも毎年の事。
    小崎氏は九州からカブで自走での来島。遠方から本当にお疲れ様でした。
    小崎氏は九州からカブで自走での来島。遠方から本当にお疲れ様でした。
    日が暮れる頃には島のキャンプサイトはすっかりカラフルなテントで彩られた。
    日が暮れる頃には島のキャンプサイトはすっかりカラフルなテントで彩られた。

    この島はアプローチする手段が歩行者、自転車、原付用に橋に併設された側道からのみ。よって最良の手段は125cc以下のミニバイクという事になる。

    だからといって参加者全員がミニバイクを所有してるというわけではない。遠方からビッグバイクで来て伯方島の道の駅に停め、歩きで島入りする者もいる。車に自転車を積んで来た者もいる。日が暮れてからもそんな感じで島にバイク乗りがやって来る。

    そんな折、矢野氏が「差し入れのサザエが来たよ」と。

    海のほうを見ると船が一隻近づいてくる。まさかと思ったが矢野氏の仲間の漁師さんが捕れたてのサザエを船で届けてくれたのだ。

    予想もしなかったこの演出に参加者から歓喜の声が沸きあがる。

    用意した炭でつぼ焼きにして喰らう。何個かは刺身で食ってみた。どちらも超ウメェ!!

    それぞれが腹を満たし適当に相手を捕まえては酒を片手に語らっている。気がつきゃ一体、何人いるのかわからないくらい人が集まっていた。2つ3つの輪ができておりどこもかしこもえらく盛り上がっている。だが、まだまだ。本番はこれからだ。

    時間が夜の8時を回る頃、オレはテキーラベースのカクテル、“ショット・ガン”をスタートさせた。

    それぞれが自己紹介とともにこの特製カクテルを流し込む。

    今回、初参加が思った以上に多い。さらには顔見知りであったとしても今までになかった組み合わせだったりしてやってる事は相変わらずにもかかわらず何だか妙に新鮮だ。

    一年を通してあちこちの宴会めがけて走るオレが唯一、人を迎える形で行うこのパーティー。大した目的も大それた志もないままに始めた宴だが毎年、何かしらのサプライズがオレを楽しませてくれる。

    凝った出し物などありはしない。ただ集まって酒を呑み語らうだけ。ただそれだけの事なのにこの面白さは何だ。

    自己紹介など酔った人間が一度に何人もの名前を覚えきれるはずもなく大した意味など持たない。それでも盛り上がるのだからそうせずにはおれない。

    走り回ってる者同士、縁があればまたどこかで会うさ。その時、ここでの思い出話を肴にまた一杯やれればそれでいい。こうしてバイク乗りが島ひとつを占拠して呑んだくれる至福の一夜は過ぎていった。


    差し入れのサザエが捕れたてのまま船で島に直接届けられたのには驚かされた。
    差し入れのサザエが捕れたてのまま船で島に直接届けられたのには驚かされた。
    新鮮なサザエは下手に手を加える必要はない。シンプルに炭で焼いて食べる。とにかく激ウマ!!
    新鮮なサザエは下手に手を加える必要はない。シンプルに炭で焼いて食べる。とにかく激ウマ!!
    拓(後列右から二人目)は今回がバイク乗りとして初めての野宴。彼のデビューを祝しておなじみの仲間と記念の一枚。
    拓(後列右から二人目)は今回がバイク乗りとして初めての野宴。彼のデビューを祝しておなじみの仲間と記念の一枚。

    カスタムされたモンキーを前にバイク談義。なんせここに集まっているのはバイク乗りばかりですから。
    カスタムされたモンキーを前にバイク談義。なんせここに集まっているのはバイク乗りばかりですから。
    一夜明けてそれぞれが撤収作業に取り掛かる。またどこかで、そして来年も元気な姿でこの地にて飲み明かそう。
    一夜明けてそれぞれが撤収作業に取り掛かる。またどこかで、そして来年も元気な姿でこの地にて飲み明かそう。
    ビッグバイクで道の駅まで来てる者は送迎で島を去って行く。こうした仲間同士の協力もあって今回も終始愉快な宴となった。
    ビッグバイクで道の駅まで来てる者は送迎で島を去って行く。こうした仲間同士の協力もあって今回も終始愉快な宴となった。

    翌朝、それぞれが撤収を始め一人、また一人と島を去って行く。

    全員が島を出て帰路についた昼頃、それを待っていたかのように雨が降り始めた。今年も終わった。

    その後、なんだかんだ言って迷惑をかけたであろうお遍路さんのところへ詫びにいくとみんなの色んな話し声が聞こえてきて聞いてるだけで楽しかったと逆に礼を言われコーヒーをご馳走してくれた。

    ダラダラ続いて今年で6年になる。毎回言ってる事だが恒例化するつもりはない。だがもし1年また無事に走りまわる事ができたならまたこの約束の地で飲み明かすのもいいだろう。

    お前にはそういう場所がいくつあるんだ? という類の突っ込みは遠慮してもらいたい。

    だがそれでもあえてその質問をぶつけてくるのならこう答えよう。

    仲間の数だけさ。


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