- HERO‘S 大神 龍
(2011.1.24更新)※写真をクリックすると大きくなります。
12月26日。高知県桂浜。運河を挟んですぐ隣にある種崎千松公園にテントを張りオレは腰を落ち着けた。
この地でオレは一年を終え、そして新たな一年をスタートする。毎年の事だ。
とは言うもののメインとなる大晦日までまだ一週間近くもある。これはオレ自身の予定から見ても早すぎる到着だ。
この日の日本列島は寒波に襲われ四国の山間部でも20センチ以上の雪が積もると予想されていた。
オレがそれを知ったのは前日。ちょうどその積雪があるであろう山間部の帰全山キャンプ場にオレはいた。
4日ほど前に家を出たオレは四国へ渡り東側の山間部から西へ向けて林道を繋ぎ走り回っていた。
どの山も山頂付近は肌を刺すような寒さで沢から落ちてくる水はそのほとんどが氷柱と化している。
水溜りは完全に凍りちょっとした天候の崩れですぐさま走れなくなるであろう事は予想できていた。
だが12月に入り晴天続きの気候のおかげで山頂付近と言えども多少、白いものが道の脇を彩るだけで走りを妨げるほどではなかった。この日までは。
その夜、ラジオから流れてきた日本列島大荒れの天気予報を聞いたオレは当初予定していた東側の石鎚山、天狗高原あたりの林道アタック中止を決断。
早すぎると知りつつも翌朝、キャンプ場を撤収し、そそくさに最終目的地である桂浜に逃げ込んだというわけだ。
あとはのんびりと有り余った時間を贅沢に使いながら仲間の到着を待つ。
種崎公園から見上げる空は山の方では本当に雪が降っているのかと疑いたくなってしまうほどに晴れ渡っている。
だがその四国の山間部におけるヒドイ有様はこのあと到着した者によって語られる事となった。
28日頃からポツリポツリと参加者がやって来始めた。
その28日に到着したホリ氏によると高速の大豊IC辺りで見た山は真っ白だったらしい。
ちょうどオレが種崎入りする前にキャンプをしていた所だ。だがこの天候の荒れっぷりは単なる予兆でしかなかった。
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