Hi-Compression Column

おやびん道

それぞれの道には、それぞれの風土、気候、環境などを積み重ねた表情がある。それはまた人生にも似ている。道は人生、道の数だけ物語がある。野口おやびんが走って来た幾多の道を、想い出話と共に語ろうか


第8回・国道8号線

(2011年2月28日更新)



R8
R8=国道8号線は新潟市と京都市を結んでいる。一般国道で3番目に長く、延長約561km(R1との重複区間を含むと約588km)。日本海側を通っていて、途中、親不知などの景勝もあり、滋賀県内は琵琶湖の東岸を走って京都に。北陸自動車道がほぼ並行している。■写真提供-堂岸 豊

1973年、高2の夏、買って数ヵ月のTX500の後ろに友人を乗せ、群馬から新潟県柏崎の海水浴場にキャンプに行ったことがあった。

そのとき、距離はほんの少しだったと思うけれど(多分、長岡〜柏崎間)初めてR8を走った。

で、海水浴場の砂浜の端にテントを張っていると、どこかから来た大勢の族っぽい連中が浜に現れ、ちょっとヤバいなと思った。でも、幸い事なきを得た。

2度目はその数年後だった。バイク仲間2人と2泊3日でキャンプツーリングに出た。

R1との分岐
滋賀県の栗東から終点である京都まではR1との重複区間。一桁国道のR8とはいえ、ファーストナンバーR1の前にはひれ伏すしかないようで、R8の表示はここから西側の重複区間にはほぼ皆無。

俺はすでに上京していたが、夏休みに帰郷した時だったと思う。

俺がTX500の後ろに一人を乗せ、もうひとりはTX650。

群馬から碓氷峠を越えて長野県に入り、その後松本市を経て、国道148号線沿いの青木湖か木崎湖畔のキャンプ場でテントを張った。

2日目は糸魚川まで北上し、そこからR8を新潟方面へ走って、柏崎の海水浴場でキャンプした。

で、一緒に行った仲間の一人がナンパ好きで、埼玉から来たふたり連れの女の子に声をかけ、一緒に遊んだり写真を撮ったりした。彼女達は近くの民宿に泊まっていた。

それだけだったけど、ナンパ師の友人はその後も連絡を取って会ったりしたのかも。

その後、R8を走ったのは能登半島にソロでツーリングに行ったときだ。



右上へ

新潟県の直江津市(今は上越市)から富山県の高岡市まで走り、親不知の険しさも目の当たりにした。

帰りも金沢〜富山間を利用したように思う(よく覚えていない)。

`77年の夏、GS750Ⅱで彼女を後ろに乗せて木曽路〜北陸〜京都をツーリングしたときも短区間使って、東尋坊にも寄ってみたっけ…。

その後も能登半島周辺は仕事でも遊びでも何度かツーリングしているので、部分的に利用している。

ここ10年くらいでよく覚えているのは、数年前、琵琶湖周辺に旅の取材に出かけた時である。

彦根の街と彦根城がよかった。

t高岡コロッケ
富山県の高岡といえば高岡コロッケが密かなブーム。高岡コロッケの詳細は夢は揚げたて高岡コロッケで。

それと前後して夏のプライベートツーリングのときもR8を走った。

息子、バイク仲間と3人で広島に行ったときで、往路は木曽、高山を経由して福井に行き、そこから敦賀までR8を使った。

また4、5日後の帰路、京都の三千院近くに宿を取ったのだが、最終日、ひとりで(息子は前日に別行動となり、友人は当日の朝、白馬に向かった)琵琶湖大橋を通ってR8に入り、米原まで。朝のラッシュ時だったので大混雑していて、うんざりした。

米原からは国道21号で岐阜を経由し、その後木曽路をたどって、最終的には塩尻あたりから中央高速を使って帰京した。

自分の感覚では、R8はほぼ全線走破しているようなつもりでいたが、思い返してみるとちょっと怪しい。

でも、新潟〜長岡間は何度か走っているし、京都〜米原間も`74年の九州ツーリングの帰りに走っている。

これまで走ってきた区間をすべてつなげば、多分全線走っていることになると思うけど…。

ともあれ北陸や琵琶湖周辺はいいところなのでまた行きたいし、R8もまた走るだろう。

ラーメン
R8沿いでよく目にするのが「8番ラーメン」。第一号店は昭和42年加賀市のR8沿いに誕生した。名前はR8が起源のようだ。■写真協力-内ヶ島啓子

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野口眞一
のぐち
バイクに乗って40年、二輪雑誌の仕事をして30年、の54歳。若い頃からツーリングが好きで日本各地を旅してきた。現在の所有車はトライアンフのサンダーバード(1996年型の水冷並列3気筒)で、13年乗り続けている。

[第7回国道7号線]
[第8回 国道8号線]
[第9回国道9号線]
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