Hi-Compression Column

おやびん道

それぞれの道には、それぞれの風土、気候、環境などを積み重ねた表情がある。それはまた人生にも似ている。道は人生、道の数だけ物語がある。野口おやびんが走って来た幾多の道を、想い出話と共に語ろうか


第14回・国道17号線

(2011年9月1日更新)



R17
国道17号線=R17は東京都中央区日本橋と新潟県新潟市を結ぶ一般国道であり、延長は約340km(新潟県内の国道8号線と重複する区間を含まないと約285km)。かつての中山道(江戸〜高崎)の一部、また三国街道(高崎〜長岡)の一部を継承する路線で、東京〜埼玉〜群馬〜新潟県内の各都市を通っている。

数ある国道の中で、俺にとって最も馴染み深い路線と言えるのが17号線=R17だ。

生まれが群馬南西部の富岡市(最近、製糸工場を世界遺産に、と騒いでいる)で、今も実家がある。地元を通る国道で慣れ親しんで来たのはR254だが、それについてはまた後で書くことにして、今回はR17、である。

初めてR17を自分で走ったのはバイクの免許を取り始めた頃だった。

16になってまず地元の警察署で原付免許を取って家のカブに堂々と乗れるようになった俺は、その後すぐに小型二輪免許を取るために、また自動二輪免許を取るために、運転免許試験場があった県都・前橋まで何度も通った。

時には電車も利用したが、カブ50や90ccのヤマハHS1で自走し、受験することが多かった。

そのとき、R17の一部を走った。

高崎〜前橋間は高前バイパスという広い道路が通っていて、当時は夜中の空いている時間にそこをカッ飛ぶクルマやバイク好きもいた。

俺もそのR17バイパスの一部短距離を試験場への往復で利用した。

小型免許を取得して間もない頃の冬場、乗っていたHS1の後ろに友を乗せて、東京まで小さな旅に出たこともある。

R254を東に走って群馬と埼玉の県境あたりからR17に入り、戸田橋を渡って東京・板橋へ。

そのコースはその後上京してからも帰省後、東京に戻る際に利用することが多かった。

18の夏に上京してから、5、6年の間は、盆や暮れに実家に帰るときにはR17を下って深谷の先くらいからR254に入り、富岡までというコースを選択した。帰路はその逆のルート、というのがほとんどだった。

当時は関越自動車道が一部開通していて、上信越道はまだできていなかった。



右上へ

現在のように練馬から富岡ICまで通っていたとしても貧乏夜学生だったから、高速なんか金がもったいなくて使えなかった。

R17〜R254を使っても、夜中や早朝の空いている時間帯であれば、それなりに飛ばせば、所要時間は2時間から2時間半ですんだし、若かったからそのほうが面白かった、ようにも思う。

深夜や早朝は交通量が少ないだけでなく、幹線道路であるR17の信号はつながりがよかった。また、大宮バイパスは車線が多くて見通しもよく、時間を稼げた。ただ、敵もお見通しで、なんどか覆面にキャッチされ、不要な切符をいただくハメになったことも。

R16との重複区間
北上する17号線は大宮付近で首都圏の外郭環状16号線とドッキング。大動脈同士の重複区間がしばらく続く。

直近でR17を利用したのは5月のGWだ。栃木〜山形へ2泊3日でツーリングし、最終日の5日に実家に寄った。

夜9時頃に帰京することにし、高速で、とも思ったが、予想以上に上信越〜関越の渋滞がひどかったので、下道で行くか、と決め、R254〜R17号で戸田まで走り、その後首都高速に乗って帰宅した。着いたのは11時半過ぎだった。

R17はその路線以外でも多用している区間がある。前橋から新潟の小出あたりまでだ。

上京した前後に、新潟の日本海沿いにツーリングしたことが何度かあったが、その往路か帰路にはR17を利用して三国峠越えをした。

越後湯沢
三国峠を越えれば冬は深い雪が降り積もる新潟県。湯沢、石打などスキーリゾートがもてはやされたのも今は昔。

また、ここ数10年も、東北方面にツーリングに行く場合、埼玉から北関東を経由して福島に入った後、以北の地を巡り、帰路は新潟から内陸部を通るコースを選択することが多く、三国峠越えをする。結構なワインディングだからコーナリングが充分楽しめる。

関越道を利用する車が多いから、平日なら交通量も少なく、走りやすい。去年のGWに山形にツーリングに行った帰りも新潟市の近くを経由して小出まで(混むので市街地を避け、小さな街をつなぐ県道を利用)。そこからR17で沼田あたりまで。その後県道をつないで実家の富岡までというコースだった。

それ以外でも、R17は多用して来た。日光への往路か帰路にも都合がいい(日光〜沼田間は金精峠があって景色がいいし、空いているとコーナリングが堪能できる)。ともあれ今後もバイクや車で、少なくとも年に数回はお世話になるであろうR17である


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野口眞一
のぐち
バイクに乗って40年、二輪雑誌の仕事をして30年、の55歳。若い頃からツーリングが好きで日本各地を旅してきた。現在の所有車はトライアンフのサンダーバード(1996年型の水冷並列3気筒)で、13年乗り続けている。

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