Hi-Compression Column

そば

■えきめんや完全制覇・前編

(2011年2月4日更新)

くるりの唄う「赤い電車」でも有名な品川から三浦半島へ向かう赤い電車の京浜急行。

快速特急(現在の表記は快特)といういかにも速そうな名前の元祖でもあります。

名前だけではなく、JR以外では唯一12両編成のながーい電車が最高速度120km/hで豪快に突っ走っています。

走り出すときに「ドレミファソラシド〜レ〜レ〜♪」と音がする、大人気の通称ドレミファ電車(音は↓で確認を。画質は最悪で……申し訳ない)も京急オリジナルですし(残念ながら機器の交換でドレミファ音の消滅も時間の問題だとか…)、ちょっと専門的な話になりますが、先頭電動車絶対主義や流行のボルスタレス台車使わない主義など我が道を歩んでいます。


※スタートボタン通すと動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeで直接ご覧ください。Youtubeの動画ページへ

運行も全面的にコンピュータ化を行なわず、いざというときは担当職員の細やかな職人技で比較的早く通常ダイヤに戻すことも自慢のひとつです。

こんな京急の系列会社が展開している立喰・ソが「えきめんや」です。

立喰・ソ界には、有名チェーン店がいくつかあります。まずくないし、高くないし、サービスも悪くないんだけれど、ゴジラ松井になる前の松井がくらった全打席連続敬遠とまではいかないものの、5打席中4打席は確実に敬遠しちゃうんですチェーン店。

でも、こんなに個性的な鉄道会社が経営する(正確にはグループ会社の京急ステーションコマースですが)チェーン店ならばきっと個性的でおもしろいんじゃないかな、とふと思ったのです。冬の海も見たい気分ですし。

えきめんや(京急ステーションコマース)の公式ホームページで調べてみましたら、京急系だから当たり前なんですが、京急の品川、川崎、鶴見、横浜、弘明寺、金沢文庫、新逗子、追浜、横須賀中央、北久里浜、久里浜、三浦海岸の各駅で営業中でした。

たしか浦賀にもあったはずと、立喰・ソ帖(ただのノート)を紐解いてみると2006年春に訪問していました。

どうやら浦賀店は幻立喰・ソの仲間入りをしてしまったようです。

よかった、よかった。いや、浦賀店が消えたのがよかったのではなく、浦賀店がなくなったから、今回の調査がこのコラムのネタに使えてよかったと言うこと。ん〜……でも、つまりは浦賀店がなくなってよかったよかったということになっちゃうのか。とりあえず、よくないけどよかった。

JR東日本系列NREが傘下に置く駅ソバ店は219店(2010年4月1日現在)。これに対してたった12店+幻立喰・ソが一軒ならば、一日でぱぱぱっと回れるでしょうと、行ってまいりました。

そば代一店舗平均400円として12店で4800円。プラス、行ったり来たりで電車賃はいくらかかるんだろう……と最大の弱点の秘孔を突かれましたが、そろそろコラムの締切だし新年だし、不景気だけど消費拡大、経済活性化だしと半べそでスタートしました。

京急には「よこすかグルメきっぷ」(ヨコスカネービーバーガーか海軍カレーの食事券+往復のきっぷ)とか「みさきまぐろきっぷ」(まぐろ料理お食事券+往復のきっぷ)なんておもしろキップがあるんですから、「えきめんや回遊きっぷ」(かけそば券12枚+品川-新逗子・三浦海岸間往復。えきめんやのある駅は途中下車可で5000円くらいでどう?)を出してくれればよかったのに。

Dr.ツルタも「そのキップにNO!」とは言わないでしょ。ちなみにDr.ツルタのお家は京急某駅から徒歩15分ほどです。

-閑話休題と書いてそれはさておきとルビを振る(業務連絡)-

結果から言います。私が間違っておりました。ソバ舐めてました。

一日じゃ無理です。

快調だったのは1店目の新逗子、2店目追浜まで。


新逗子店
1店目新逗子店。世界的にも類を見ない「浪子そば」(420円)という珍メニューがあったので迷わず注文。細麺+ダシの効いたお上品なおつゆにわかめ、揚げ玉、油揚げに生玉子とボリューミ。1杯目で早くも満腹。新逗子店メニューへ。 (2011.1.26撮影)


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えきめんや各店の紹介とメニュー

[品川店]
[京急川崎店]
[京急鶴見店]
[横浜店]
[弘明寺店]
[金沢文庫店]
[追浜店]
[新逗子店]
[横須賀中央店]
[北久里浜店]
[京急久里浜店]
[三浦海岸店]

バ☆ソ
ソ☆バ
日本全国の立ち喰いそば全店制覇を目論む立ち喰いそばな人だからー。食べた店のデータはきちんと記録するが、味の表現が「うまい/まずい」の二進法でしかできないデジタル指向(通常は味音痴という)なので生業にはできない。名前に☆を入れるとアーティストっぽくなると本気で思っているので、ただの馬鹿に違いない。


2店目追浜店。気分転換で普段はめったに手を出さない山菜そば(350円)を注文。たっぷりの山菜にたっぷりのねぎ。わかめまでたっぷり入ってたっぷたっぷにヘルシー。典型的な関東立ち喰いそばの中太ゆで麺+しょうゆ辛いおつゆ。追浜店メニューへ(2011.1.26撮影)

3店目の横須賀中央店では、ほどよく電車に揺られ膨満感の黄色信号が点滅し、早くも箸の動きが顕著に鈍りながらも冷やし系に逃げたおかげで完食。


3店目横須賀中央店にして早くも冷やし系のもりそば(300円)に逃避。茹でそばだし、はっきり言ってまったくで期待していなかったんですが、太めの麺はゆで加減が絶妙。ねぎは切り方が大胆だったもののたっぷり添付、肝心のおつゆは濃厚ながら辛すぎずダシの風味も豊か。これでそば湯があったら文句なし。やるな! ねーさん。横須賀中央店メニューへ(2011.1.26撮影)

4店目の北久里浜店は、店内の雰囲気ががらり一変。うどんは讃岐産のうどん粉を、そばは生そば(なまそばではなくて、きそばと読みます)を使用しているとのこと。

「茹で上がるまでに2分程お時間頂きます」の本格的な生そばの味わいに助けられながらなんとか完食いたしました。


4店目の北久里浜店ではコストパフォーマンス的にいつもはスルーしているたぬきそば(350円)のボタンを無意識に押していた。はやり精神が混沌としていたのだろう。茹でるのに少々時間のかかる生そばは、歯ごたえ、香りともよく、きめの細かい揚げ玉がこんぶ(だと思う)っぽいダシのおつゆと噛み合って無事完食。北久里浜店メニューへ(2011.1.26撮影)

5軒目の久里浜は鼻から出そうなそばをからっと揚がったワカメのアシスト&水で流し込みかろうじて完食……


5店目京急久里浜店では珍しいわかめの天ぷらの磯揚げ天そば(380円)を注文。満腹状態で揚げ物は危険、しかも結構な大きさ。サクサクのころもとわかめのもちもちのそば、そして細切りのねぎの食感カルテットに助けられてぎりぎり完食。京急久里浜店メニューへ(2011.1.26撮影)

人に聞いた話なんですがソバには気分を落ち着かせる成分が入っていて、度を越してあまりに食べ過ぎると鬱状態になるとか、ならないとか。その影響なのか、6店目の三浦海岸を前にテンションだだ下がり。

三浦海岸店は昭和テイスト満開の大好物なオープンタイプ。しかし期待とは裏腹に今食べると大惨事の予兆を感じたので、ぶらぶら三浦海岸までお散歩。あ〜、冬の海はいいねえ。しかも平日の午前中。こんなことしていていいのかしらという罪悪感と膨満感のダブルパンチと闘いながら小休止。


本来ならカツ丼セットなどでお店に敬意を表したかったのですが、K点越えの危険を察知したのでかけそば(270円)でご勘弁を……昭和の香りの店舗同様、そばも関東正当派醤油味の立喰・ソでありました。は三浦海岸店メニューへ(2011.1.26撮影)

ぶらぶら駅まで戻り、意を決し気分を変えて、いただきますと意気込んでも、箸が動かない……ダラダラ時間をかけなんとか腹に収めて駅に向かうと、とたん寒気とめまいが……生命の危機を感じてギブアップですわ。 (以下後編に続く)


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