Hi-Compression Column

順逆無一文

“克己復礼”

(6月27日更新)

伊豆在住のフリー・ライターとして、ミスター・バイクBG誌の「XJR小隊」の連載などでもおなじみKAZU中西さんからメールが届いた。

伊豆の道から二輪事故をなくそうと有志達が活動する“伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦および伊豆スカ事故ゼロ小隊”という活動を中心となって展開していることでもおなじみの熱血ライダーだ。

その中西さんのメールの内容を見て愕然とした。BETTYさんの「狂喜乱舞!! 永遠に美しく」のコラムでも取り上げていたが、その事故の詳細を読んで、あまりの信じられないような内容に言葉を失った。以下、ちょっと長くなるが転載したい。

『各位

平素より伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦および伊豆スカ事故ゼロ小隊活動へのご理解ならびにご支援いただき感謝しております。早速ですが6月6日の死亡事故により、通行禁止案が再浮上したのでお知らせします。

6月6日12時(昼)頃、伊豆スカイライン(伊豆市徳永・26.4kmポスト付近)にて2輪車と乗用車の正面衝突事故が発生。2輪車を運転していたのは美容師のYさん(64才※実名で書いてありましたが、独断で匿名に変えさせていただきました)、乗用車を運転していたのは建設業のSさん(63才※同)でした。Yさんは全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡しました。

事故の内容は、インターネットを通じて集まった5人でマスツーリング中、先頭から2台目を走っていたYさんがセンターラインを越え対向車線を連続走行。そこへ対向してきた乗用車と正面衝突。運転ミスによるはみ出し=過失では無いとのことでした。

伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦の開始以降、死亡事故は約2年間ゼロ更新していたわけですが、今回の事故によりストップ。伊豆スカイラインは危機的状況に逆戻りした印象です。また大仁警察署管内では、今月に入り死亡事故が3件発生。うちバイクの絡む事故は2件で、そのうちの1件が伊豆スカイラインでの死亡事故になります。

前回4月24日の伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦第6弾以降、毎週土日に入ると2輪車がらみの事故発生という状況が続いており、大仁警察署では緊急対策としてパトカーや覆面パトカーを巡回させ、署長ならびに副署長も視察巡回、また速度の取締りも頻度を上げて実施していました。にも関わらず、何故このような状況になっているのかは分析中ですが、大仁警察署としてはかなりの危機感を抱いており、2輪車の通行禁止案が再浮上しています。

小宮山幸雄
komiyama
“雪ヶ谷時代”からMr.BIKEにかかわってきた団塊ライダー。本人いわく「ただただ、だらだらとやって来ただけ…」。エンジンが付く乗り物なら、クルマ、バイクから軽飛行機、モーターボートとなんでも、の乗り物好き。「霞ヶ関」じゃない本物!?の「日本の埋蔵金」サイトを主宰する同姓同名人物は“閼伽の本人”。


右上へ

伊豆スカ事故ゼロ小隊としては、従来の文字のみチラシに代えて事故現場の写真入りチラシを新規制作中ですが、それだけではとても追いつかない状況なのだと実感しています。その理由としては本日6月10日、大仁警察署へ出向いた際の署全体の緊迫した雰囲気や署長の険しい表情、交通課長の困り果てたような態度があります。また、交通安全協会大仁地区支部・内山事務局長もかなりのお怒りでした。

実は6月6日の午前、伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦第7弾の打ち合わせをしており、その直後に死亡事故が発生したため、同作戦に関係する面々が落胆したという経緯があります。まさに危機的な状況ではありますが、伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦第7弾は、予定通り7月17日に何とか開催していただけることとなりました。

伊豆スカ事故ゼロ小隊長としては、なんとも片身の狭い中にありつつも、ライダー事故ゼロ作戦および事故ゼロ小隊の活動確認をしてきたわけですが、参考までに出ていたコメントを少しだけ紹介します。コメント者はあえて控えさせていただきますことをご了承ください。

「対向車線を走り続けることはまったく理解できない。自殺行為ととられても仕方ない。交通ルールやマナー以前の問題。年齢的にもまったく信じられないことが起こっている。」

「立て続けの死亡事故。さらに言えば急増している伊豆スカイラインでの2輪車事故の中での死亡事故。まったく残念なこと。」

「事故処理の際、仲間が死亡しているにも関わらず、同行していた他のライダーは談笑しながら喫煙までしていた。ガソリンやオイルがもれている現場で、救急隊や公社の職員、署の警察官が必死に事故処理にあたっているのに、交通整理やオイル処理などを手伝うそぶり(申し出も)もなく、まったく関係ないという態度としかとれない。ライダーとはそういうものなのか? と思ってしまう。」

「伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦や伊豆スカ事故ゼロ小隊の活動を無にする行為。断固として許しえるものではない。」

最後に、「もっとも残念に感じておられるのは、事故ゼロ小隊でしょう。これからも地道な闘いは続くと思われますが、心折れずに頑張っていただきたい」と激励されてきました。ただしこれ以上、死亡事故が多発するようであれば、事故ゼロ小隊の解散=通行禁止の実行もあり得るとのコメントもいただいてきましたので、多くの2輪ライダーや関係者に対し、より一層の事故撲滅・安全啓蒙へのご協力と、事故ゼロ・もらい事故ゼロ・グッドマナーライディングをお願いします。

伊豆スカ事故ゼロ小隊長・KAZU中西』

         ※

昨今は、峠道ばかりでなく、街中でも傍若無人なすり抜けやイエローライン無視が横行している。

緊急の用事で特に急いでる風でもなく、ごくごく当たり前のごとく停車中のクルマの間を縫って先頭に出る。出にくいとなれば平気でセンターラインやイエローラインを無視してクルマの前に回り込む。それも法規を満足に覚えられなかった兄ちゃんたちばかりじゃなく、いい年取ったオヤジですら“それが何か”の体だ。クルマのドライバーや歩行者の目にどう映っているのか、一度でも考えたことがあるのだろうか。

ケツパンだのルーズソックスだの…いくら格好悪いのが格好いいとされるご時世だからと言って、公衆の面前で自分のちょっとした欲望すら抑えることが出来ないなんて。バイクは格好良くありたい、己の精神を高めたいと思って乗る乗り物ではないのですか?

まあそういう自分だって急いでいるときは路側帯側を通らせてもらってしまうことがあるのですから偉そうなことは言えませんが。

ライダーの皆様のご意見をお聞きしたいと思います。

           (小宮山幸雄)



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