Hi-Compression Column

フツーのおとうさんのバイク生活・シーズン2


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が……

(2010.8.27更新)

「バイクというものは乗り手によって1台1台が特別のバイクに仕上げられていく極めて個人性の高い乗り物である。だからムヤミに貸し借りをするもんじゃない。」

なんてコトをまあ誰かに面と向って言われた訳じゃないけれど、何となくそんな雰囲気も確かにあり、またもしヒトのバイクをコカしちゃったら、と恐ろしくもあるのでやっぱりお互いに「ちょっとこのバイク乗せて〜」とはナカナカ言えないものである。

これはもちろん全く正しいコトなんだけど、ワタクシ的には実に勿体無いことだよなーと思っております。

だってさ〜自分の人生の中で(というほど大げさなテーマでもないけど)乗れるバイクの数なんてほんの一握りな訳ですよ。

これが貸し借り有りならば、自分が今まで興味の無かったジャンルのバイクに乗るチャンスも一杯出来るだろうし、そうすれば食わず嫌いだったのが、目からウロコがボロボロ落ちるかも知れないし。

実は僕も先日のツーリングで、のど元まで「乗せて〜」と出掛かったのに大人の慎み深さが?ジャマをして言えなかった、という大後悔を心に抱えているのです。

これは昔、一人で四国にツーリングに行った時の宿の前の砂浜で、おねえちゃんが一人で甲羅干ししていたにもかかわらず、チラ見しながらも声を掛けられなかったあの頃の未熟な自分と同じではないか? 

あの時は「普通、女の子が一人で海水浴していたら声を掛けるのが当たり前でしょうに、なんでこのヒトは黙っているのだろうと思ってたワ。」と言われたのだっけ。

先日この東海の地で(今年の6月よりワタクシ名古屋の住人となってマス)、こちらでの数少ないバイク仲間のツーリングに混ぜてもらったのだが、その中にこれまでずっと乗ってみたいと思っていたSR500が一緒だった。

ツーリング※写真をクリックすると大きなサイズになって、一番奥に隠れている問題のSRさんのお姿がちらっと見えます。一番手前の美しいSRVさんも必見!?

SR500は僕の次期主力戦闘機候補であり、僕はヤマハ様がインジェクションSR500の発売に踏み切るのを心待ちしている者である(そのために500円玉貯金も始めているくらいだ。貯まらないけど)。

以前からずっと僕には単気筒エンジンへのとても強い憧憬があり、何しろいろいろな単コロバイクに乗ってみたくて仕方がない。

ヤマハに関して言えば、SRXは400も600も乗ってみたことあるのに(SRX600は過去に所有した最もお気に入りバイクの一つである)SRは400しか乗ったことなかったのだ。正に千載一遇の大チャーンス!






しかも話を聞けば、このSR500の持主は優れた固体を探すために他県まで出掛け、入手してからも自分で全バラして組上げたというSRマニアである。

96年車であることに全く気付かない程の新車然とした外観がすばらしい。

いろいろと手が加えられているのにノーマルのルックスにコダワった辺りもとっても好みである。乗りてえ〜。

まあそうは言っても向うは貸したくないかも知れないし(そりゃあ僕だって安心出来ないヤツには乗せたくない)、初対面で「乗せて〜」は言えないよな、と思う位の常識は僕だって持ち合わせている。

今回のツーリングは4台で行ったのだけど、たった4台でも単コロ・パラツイン・Vツイン・パラ4と多岐に渡り、排気量やタイプもみんな違うのでそれぞれがみんな面白そうだ。

互いに信頼を得られるようになれたらみんなで乗り比べする楽しみってのも出て来るのではなかろーか?

あはっ、まずは仲良しさんになって信頼を勝ち取らなきゃね。

さて、この時のツーリングは豊橋3人組に名古屋在住のワタクシが入れて貰って長野県の飯田まで行ってきたのだけれど、いいですねえ目ん玉が三角にならないツーリング。

僕は「前を走るバイクのサスの動きを見るのが好き」という妙な趣味があるのだが(これも一種の足フェチ?)、今回は全員2本サスのバイクだったので(だからサスの動きが良く見える。1本サスは見えないよね)後からバイクの挙動が確かめられて楽しかった。

「おー動いてる、動いてる」って感じね。

みんなきれいな景色の下、自分の一番気持ちいい速度で流していたので、まるでバイクのプロモーションビデオを見ているような感じである。

お気に入りのSR君も気持ち良くバンクしているのがよく分かる。いいねえSR。いつかは愛し合おうね、などと見惚れてしまう。


どーもこのSR君への思い入れが、我がCB君のご機嫌を損ねてしまったらしい。

飯田から僕だけ分かれて岐阜の3桁国道と県道を乗り継いで名古屋へ帰ろうとしたのだが、途中の夕立(と言うよりゲリラ豪雨といった方が正しいような凄まじい雨)でエンジンがストールしてしまった。

僕の今迄の体験的には、やっぱり他のバイクへの心変わりとバイクの不調とには因果関係があると思う。思わず「ヤバイ」と思った後「やっぱり!」「ごめん」と口走ったもの。

CBくん
※クリックすると機嫌を損ねる前のCBくんの勇姿が大きくなります。

で、土砂降りのなか押し歩き(おお乾燥重量230キロ!)を敢行、体力が尽きる前にガソリンスタンドに辿り着く幸運にも恵まれ、修理?を開始したのでした。

結局、むき出しのエアフィルターが雨で濡れてエアがキャブに送れなくなってたんだね。エアフィルター外してスタンドで借りたエアガンで乾かしたらなんとか動き出しました。

ホントに親切にして頂き、中津川の新日石様ありがとうございました。特に「わたしも20年前の古いクルマ乗ってますから気持ちは良く分かりますよ〜」と慰めてくれたおねーさん、大変お世話になりました。

でもさあ、GTRのR32ってもうそんな古いクルマなんだ? なんかついこの間まで巧海君のハチロクと戦ってたような気がするのにね。



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