Hi-Compression Column

  • ヒート2の3位争いは激戦。1歩も引かない3台の水しぶき凄かったです。
    ※写真をクリックすると大きなサイズになります。
  • 2010年11月5日更新



    全日本ロードレースも最終戦が終わりました。

    季節はずれの台風に翻弄された鈴鹿サーキットでしたが、思えば去年の最終戦も雨。
     今回はJSBクラスが2ヒート制になり、ラストレースは雨も強く路面はハイドロ状態。
     日没中断か?!っていうくらいの状況で、雨しのぎにグランドスタンドはお客さんで満杯、でも皆さん寒かったでしょうね。
     なかなか普通に終われない全日本です。
    帰り道、スピンして止まってる車を3箇所で見かけましたが、みなさん無事に帰宅できましたか?

    今シーズンのレースは、全クラス最終戦でチャンピオンが決定するため、見逃せない鈴鹿になりました。
     おまけに(おまけって言っては失礼か)伊藤真一選手の卒業ということもあり……引退ではないです。

    卒業ね、全日本JSB卒業。

    正直いうと、全日本みんなの最終戦なのにポスターもプログラムも伊藤一色で、伊藤選手の凄さはわかるけど、他に頑張ってるライダーがちょっと軽視されてるな、とか感じてしまったのですが。
     伊藤さんのせいではないんだけどね。
     しかしパーティーとかセレモニーとかラストランとか、のっかりイベントみたいなのやりすぎたら、伊藤さん来年レースに出てきにくいじゃないですか?
     来年、しれーっとスポット参戦してほしいね。いつでも歓迎

    そんな伊藤さんの最後?のレースは、ズブ雨の中、秋吉を追う2位でチェッカー。
     最後は日没でド暗いなか、かつての戦友が集合しました(クリックすると写真が見られます) 全日本活動、おつかれさまでした。

    全日本の最高峰JSBクラスはポイントリーダーの中須賀がヒート1で転倒し、ポイントは横並びになり、2ヒートとも優勝した秋吉選手がシリーズチャンピオンを獲得。

    伊藤選手は2−2−で卒業レースを終えました。

    この週に行われていたモトGPポルトガルの雨の予選ライブも凄かったけど、この日の鈴鹿の雨レース、コースは水浸しで走ればはしるほどハイドロ現象だし、3位争いをしていた中須賀選手、柳川選手、亀谷選手においては水しぶきで前が全く見えないなど厳しいレースでした。
     聞くところによると、前のライダーについていってる時は、前のタイヤが水を掻いてくれてるので走れるそうですが、いったん前にでるとツルツルの路面で今度は自分が雨を掻いて走らなきゃいけないので凄く怖いそうです。

     雨になるとベテランが上位にきますね。
     雨の路面を楽しんでるかのように見える秋吉選手に対して、雨で苦い経験のある高橋巧選手は周回遅れと撃沈。
    「若手はもっと頑張らないと!」
    とチキン走りをしてしまった高橋選手に年配のライダーから激がとんでました。

    JGP-3クラスはヨーロッパ選手権帰りの尾野弘樹選手が、激戦の末ベテラン菊池選手を振り切って優勝。
    チャンピオンは開幕優勝から調子の良い大久保選手が獲得。
    めがね坊主の高校生ですが、アライヘルメットさんがわざわざ派手なヘルメットを被せたくらいに地味が光ります。
    イケメンライダーだけが注目されるわけではありません、一部に熱狂的な人気の17歳はかつて大治郎カップでもチャンピオンだったのです。

    このクラス、気づけば個性豊かなティーンズがあふれていて、今後このライダーたちが育って全日本をかき回してくれることでしょう。

    と、今から目をつけてなが~く楽しめるね。

      全日本も今シーズンのレースがすべて終了し、帰りの挨拶は

      「来年シートがあったら会いましょう」

    昨今の不況により、メーカーも困窮、スポンサー活動もままならず全日本を去っていくライダーもいることは寂しい。伊藤真一選手も去っていきます。

    ですが、未来ある若手がこれからもどんどん出てくるのです。

    才能あるライダーを育てるフィールドが全日本、ここから世界に活躍するライダーが旅立っていくのを忘れないでいてほしいです。

    サーキットに足を運んくれるレースファンの皆さんの応援のおかげで、全日本が成り立ってレース活動ができることを感謝しなくてはいけないと思います。

    かつてサーキットに通ってたという方たちには、マシンは年々速くなってライダーのスキルも上がってること、サーキットはアットホームで選手とファンの距離も近く、踏み込むほどに楽しいことをお約束したいと思います。

    だから

    レース、見にきてね!

    お、わ、り



    楠堂亜希 レースカメラマン
    楠堂亜希

    20代初期にてミスター・バイクに拾われ、好きなことをしているうちにレースカメラマンのポジションを与えられました。 モトクロス、ロードレースをこよなく愛し、愛溢れる写真で楽しさを伝えてまいります。

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    • 第一ヒートを落とした中須賀選手、逆バンクで何をおもう……?。
    • ゼッケン1番成田亮の速さは誰もが認めるところ。
    • JGP−3 チャンピオン大久保光。高校生ながら落ち着きすぎのトークで話題をさらった。自分のことを「わたくし」といい、番傘を愛用する17歳。
    • ワークス経験もある山口辰也選手はプライベーターとして参戦、チャンピオンを獲得。
    • ピットウォークでは選手会ブースで岡田さん辻本さんらレジェンドライダー、加賀山選手井筒選手らのサイン会も行われました。
    • 序盤亀谷の突っ込みにあわや、といったところ引いた柳川に場内アナウンスのピエールが「柳川、いい人だー!」と言ってしまったのにちょっと吹いた
    • だんだんと雨足が強くなってきたあたり、柳川選手は亀谷選手をかわし、おなじシケインの突っ込みで横滑りしながら中須賀をパス。
    • チャンピオンに輝いた秋吉選手。今シーズンはホンダがすべてのチャンピオンをかっさらっていきました。

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