セロー停めて、何十秒間、いや何分、ふたりとも声を出さずに景色を眺めた。
朝まで降り続いた雨が、気温の上昇とともに霧となり重なり合った谷の間を縫うように登っている。
ドピーカンの晴天もいいけど、水墨画のようにボンヤリしたこんな景色も悪くない。
人生は旅だ、旅は人生だ。出会う景色も一期一会。
景色を堪能した後、下っていくと、御岳山２号線との分岐となるトンネルに辿り着いた。取りあえず２号線の方へ進んでみる。まだ工事中で行き止まりだった。
アッキーの走りを見ていて最初は走りきるのは無理だと思ったけど、道連れは、徐々に慣れて、徐々に走るコツをつかんでいった。ちゃんと成長している。そういう時がいちばん楽しいだろう。
でもいちばん危険だったりもする……。
オッサンふたりの林道珍道中はまだまだ続く。お楽しみに。
