永遠のライバルと並んでいっそう輝く。興奮のレースシーンもよみがえる

今年WGP参戦50周年を迎えたヤマハが磐田市の本社にあるコミュニケーションプラザで開催している記念企画展示がいよいよ最終章となった。
9月10日からのパート3では4ストロークマシンで競われるようになったモトGP時代の主役、YZR-M1が中心の展示となっている。
めったに見られない特別展示品の試作車や試作エンジンに、ライバル車との比較展示などレースファンならずとも見逃せない!

パート3の展示
 YZR-M1の誕生から現在までが一同に。今では見られなくなったスポンサーカラーも貴重。

いよいよ最終章となったパート3の展示はモトGP元年となった2002年型から始まり、今シーズンを戦った2011年モデルまでが一堂に並べられ、その変遷を間近に見比べられるのはとても興味深い。

各シーズンでの実戦を経て翌シーズンのマシンがどのように進化していったのか。興味深い発見もいろいろあるかもしれない。

バレンティーノ・ロッシによってモトGP初のタイトルをヤマハにもたらした2004年シーズンのマシンはカウルが外され、エンジン、フレームなどのメカニズムの細部までが見られるようになっている。

2003モデル
2003年モデルOWN3。5バルブ。キャブレターに代わりフューエルインジェクション化。
2004モデル
2004年モデルOWN3はストリップで展示。クロスプレーンクランクシャフトと4バルブのニューエンジン。
2005モデル
2005年モデルOWP4。センターカム方式の新エンジン搭載。この'70年代のヤマハインターナショナルコーポレーションカラーはヤマハ創業50周年を記念したU.S.GP限定カラー。
2005モデル
2005モデルOWP4。これもヤマハ創業50周年を記念しヤマハワークスのイメージカラーを復刻したバレンシアGPのみの限定カラー。
2008モデル
2008年モデルOWS5。ニューマチックバルブシステムを採用。
2010モデル
2010年モデルOWS9。ヤマハの3年連続三冠達成をささえた。
ロッシ車のシートカウルに描かれた愛犬のイラスト。年式による違いも見比べられる。

YZR-M1の礎となった幻!?の試作車やOW-M1や試作エンジン001Aも

さらに、特別展示として2000年に作られたYZR-M1の試作車両、OW-M1も展示されている。

カウルを外した状態での展示は2ストロークGPマシン、YZR500をベースに設計されたというフレーム形状や並列4気筒の4ストロークエンジンなど、細部のメカニズムも見ることができる。

カーボン地そのままで塗装されていないブラックのマシンは試作車両ならではの迫力を感じさせてくれる。

001Aエンジン
1977年のモーターショーに参考出品されたYZR1000のV4エンジンをベースにした70×32.4mmの超ショートストローク。どんな音がしたのだろ。
7バルブヘッド
吸気4、排気3とバルブの花が咲いた状態な7バルブは圧巻。
6バルブヘッド
001Aエンジン用に比較検討された6、5,4の各バルブヘッドも展示。各バブル配置を一同に見比べられることなど、そうそうあるものではない。

また、そのほかに注目されるのは1980年に製作された500㏄のV型4気筒試作エンジン「001A」。

そのエンジンのバルブ数は吸気4、排気3の7バルブを採用し、約2万回転、125馬力を発生したのだそうだ。

7バルブを装備したエンジン本体に加えて4バルブのヘッドから5バルブ、6バルブ、そして7バルブまでの各ヘッドも並べて展示されているのが面白い。


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