ヤマハ YRB250 YBR125 試乗 YSPメンバーズクラブ WEB SITE

ヤマハ YRB250 YBR125 試乗
■YBR250 主要諸元■
全長2,025mm×全幅745mm×全高1,065mm、軸距1,360mm、最低地上高190mm、シート高805mm、車両重量154kg、乗車定員2人
エンジン型式・種類:JYM174FMM・空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ、総排気量249cm3、内径74.0mm×行程58.0mm、圧縮比9.8、最高出力15.4kW[21PS]/7,500rpm、最大トルク20.5N・m[2.10kg-m]/6,500rpm、燃料供給装置形式:燃料噴射装置、始動方式:セルフ式、潤滑油容量1.5L、燃料タンク容量19.2L、変速機形式:常時噛合式5段リターン、1速2.571、2速1.684、3速1.273、4速1.040、5速0.852、キャスター26°8′、トレール106mm、タイヤサイズ:前100/80-17M/C 52S、後130/70-17 M/C 62S、ブレーキ形式:前・油圧式シングルディスク、後・リーディングトレーリング、懸架方式:前・テレスコピック式、後・スイングアーム式、フレーム形式:ダブルクレードルタイプ。

ヤマハYBR250。

YBR250は弟分であるYBR125とデザインこそ似たところはあれ、125とはまったく違うモデルである。フレーム、エンジン、足周りなど実車を細かく見ると共通する部分はない。

空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンは、燃料噴射装置を装着したセロー250系を使っていて、フレームはスチールパイプのダブルクレードル。どことなく初代RZ250風に見えるキャストホイールのデザインにニヤっとした。

跨ってみると、思ったよりボリュームがあって“頼りなさ”みたいなものは感じない。40万円を楽に切っている低価格はかなり魅力的ながら、反面、日本製ではないというのもあって、「どうかな?」という思いは正直なところあった。しかし実車は堂々としたもので、タンクにシュラウドが付いていたり、現代的なメーターなど、各部のデザインも凝っていて、不安を払拭した。上から目線のようで失礼な表現だけど、ちゃんとしている。

クロームメッキされたパイプアップハンドルは、それほど手前と下方に絞られていないので、遠すぎず近すぎずの位置にあるハンドルグリップに掴まると、ヒジが少し開く感じになる。厚いシートはポワンポワンとしたクッションでちょっとだけ70年代から80年代前半のモデルを思いだした。短い時間の試乗だったが、座り心地は良好でお尻に優しい。輸出国によっては趣味で楽しむだけでなく、トランスポーテーションとしての役割も重要となるから、タンデムライダーのお尻が乗っかる座面も広いのは嬉しいところ。

セルスイッチを押してエンジンを始動させると、排気音はものすごく静か。その分、コトコトコトというエンジンの音が耳に入ってくる。ギアを1速に入れて走り出すと、スムーズに回転は上昇して、飛び抜けた速さはないが、250のSOHCシングルエンジンとしてはなかなか。高回転まで軽く回る。ただし、8500回転からレッドゾーンが始まる10000回転までは回っていてもあまり前に進まないから、粘らずに早めにシフトUPした方がいい。スロットル操作に対する反応は機敏で、右手のオン、オフでギクシャクすることはない。「扱いやすい」と表現できる特性であった。

今回の試乗は主に市街地中心。フロントブレーキの効きは必要充分。リアのドラムブレーキはまだアタリが出ていないのかそれほど強く働かない。ある程度の速度からフルブレーキしてみても、車体は適度な剛性感がありカッチリしていて、スポーツモデルとして申し分がない。

ステップの位置は上目で丁度後ろ目という、バックステップのようになっている。足をのせると膝の曲がりは大きい。ボクの身長170cmだとこれが調度よく踏み込みやすくて良いあんばい。ただこれより身体の大きい人は膝が窮屈ではなかろうか。当然、自分より大きな人の気持ちはまったく判らないので、YBR250が気になっているボクより大きな人は一度跨って確認した方がいいだろう。

左右の倒し込みは軽快そのもの。コーナー進入ではスパッと寝て気持ちよく決まる。旋回性は良好。想像したより現代的なハンドリングで楽しい。「おぬし意外とやるな」という感想。ただ、リアショックのバネが固い。特に初期に動く部分が固い。信号待ちで足を地に着いて抜重させると、ボトムリンク式のリアサスペンションはスコっと素早く上限まで伸びてしまうほど。ダンピングの効きが弱い。舗装が整っていない道での常時タンデムでの使用や、大きな荷物を積んでの走行を考慮してのセッティングなのかもしれない。

だから、ちょっとしたうねりでも車体がピッチ方向にひょこひょこと動くのが気になった。これには面白い副産物があって、フカフカのシートがこのピッチ方向の動きを吸収してくれて、お尻には控えめにしか伝わらないことである。もしかして狙ったものか!?

リアショックのプリロードは、よくあるフックレンチを使って段階調整が可能なもの。試乗車はちょうど真ん中くらいだったのでまだ弱く出来る。今回は時間的に試せなかったが、今度はもう少し弱く変更し、ワインディングも含めて乗ってみたい。

それでも総じて、この価格で、この走りと装備だったら、お買い得と胸を張って言えるバイクであった。中国では「天剣王」というペットネームがついて発売されているYBR250。盛り上がりつつある250クラスのロードスポーツモデルに新たな選択肢が増えたのは大いに歓迎したい。盛り上がれ250スポーツ!

 <試乗:濱矢文夫>

ヤマハYBR250。カラーはこのダークブルーイッシュグレーメタリック8とビビッドレッドカクテル7の2色を設定。
ヤマハYBR250。カラーはこのダークブルーイッシュグレーメタリック8とビビッドレッドカクテル7の2色を設定。
こちらの動画が見られない方はYOUTUBEのサイトhttp://www.youtube.com/watch?v=h95nAi2KkUQで直接ご覧ください。
ライダーの身長は170cm。
ライダーの身長は170cm。(写真の上でクリックすると大きな画像が見られます)

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