2017年8月10日

ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2

その30「何事も知識と経験を積まねば」

ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2 その30「何事も知識と経験を積まねば」

 インターネット上で「恋人はおっぱい星人じゃないと困る」という内容のエッセイを読んでいたく感銘を受けた。
 要するに、おっぱい好きを自認する男達は数多(あまた)居るけれど、それは一度見てみたいだけである事が多く、当初は目的完遂のために努力を重ねるものの、目的を果たしてしまったおっぱいに対しては落ち着いちゃうヤツラばかりである、と憤慨していらっしゃる内容だ。
 また、おっぱいは通過点ではなくそれ単体がひとつのテーマパークなのに男達の多くが全然エンジョイせずにあっさりと通り過ぎていく事にも嘆いておられた。
 なるほどそういうものなのか。

 
 ゴメン、おっぱいの話がしたかった訳ではない。
 知識がない、というのは大いなる罪なのだ、という事を言いたかった。

 
 10代で初めてバイクを所有して以来、僕は一体何台のバイクを自分の無知のせいで手放してしまったのだろう。
 中型免許を取って初めて購入したRZ250は大学時代の4年間ずっと乗り続けたけれど、上手に乗りこなすことが出来ず、オーバースピードでコーナーを曲がりきれずに大破させてしまった。ちゃんと乗りこなすことが出来ればもっと長く乗ってあげることが出来ただろうに。
 初めてのリッターバイクとしてどうしても欲しかったZX-10はその重さで上手にコーナーを曲がる事が出来ず、自分には手に負えないバイクと思って手放してしまった。今にして思えばステムベアリングがへたっていてスムースに曲がれなかったのだろうと推定出来る。

 
 つまりそういうことだ。
 正しい知識を持ってないと正しい判断が出来ず、結局手に負えずに手放してしまう羽目に陥るのだ。大好きだったバイクなのに。
 そのバイクの正しい知識を得るためには、新車の状態を知った上で、自分で可能な限りのメンテナンスを行う事が一番なのだろう。
 新車で買ってずっと自分の手を汚しながら維持していくのが自分にとってもそのバイク君にとっても一番シアワセに違いない。
 新車で買って定期点検も車検も全てディーラーにお任せというやり方もあるが、そーゆー人達は僕にとっては別世界の住人だ。
 新車からではなくても同じ車種に乗る仲間が複数いれば、自分のバイクの立ち位置も良く分かるし情報交換も出来る。

 そんなふうに考えて、僕はSR500の最終型を購入した。それまでメンテなんてほとんど自信も無くてやらなかった自分を戒め、自らの手を汚しながら維持していく事を誓ったのだ。
 知人に2人もSR500に乗っている人達がいてそれはそれは楽しそうだったことや、その2台のSR500がいつもきちんとメンテされている事がきっかけだった。SRならばキャブも自分でイジれるだろうし全てのメンテを自分で出来るだろう(後にそれはそれは甘い考えであった事を思い知る)。憧れのバイク整備生活が楽しめるぞ~、と思ったのだ。
 更に調子こいた僕は、たいしてSRのメンテも満足に出来ていないのに、25年も前のBMWを禁断の個人売買で購入する暴挙に出た。
 SRのメンテで(くどいようだが大したことはやっていない)根拠のない自信を持ってしまった僕は、外車だろうが古かろうが何でも自分で治せるぜい、と思い込んでしまったのだった。

 昨年の2月に購入したK100RSはこのバイク自身、ある意味ヘンなバイクだったけれど(縦Kファンの皆様ごめん)、僕の手元に来たこいつは更に相当変な個体だった。
 オイルポンプからオイル漏れしている~、みたいに目で見て分かる事は別に良いのだけれど(良くはないか!)、例えばABSが故障しているとかラジエターの電動ファンが故障していて作動しないとか、そんなことには全く気が付かないで乗り続けていたのだ。

 その結果(かどうかは分からないのだけれど)ちょうど丸1年経った今年の2月、某高速道路で自爆して廃車となってしまった。
 決してこのK100RS君が悪い訳ではない。このバイク君の状況に無知な僕が100%悪かったのだ。
 10代の頃からずっとバイクに載り続けて来て多少は知識も経験も積んだと思っていたのにこの無自覚・無責任は何なんだろう。
 そう思って僕はかなり落ち込んだ。
 少しバイクから離れてみようかな、とも思ったりした。

 
 3か月程が過ぎ、怪我も癒えココロも晴れてくると再びバイクへの思いが高まってきた。
 それが今までと変わらない位強い思いであった事に僕自身とても安心した。
 大げさに言えば「ああ、まだバイクが好きでいられるんだ!」って感じ。

 とゆーことで今年の5月の事ですが、再度BMWの縦Kが欲しくなり、K1100RSを入手してしまいました。
 我ながらまたしてもイバラの道を、と思わないでもないですが、だって好きなんだも~ん、しょうがないじゃない。
 しかもまた性懲りもなく、ちゃんとしたバイクショップで購入せずの変な入手経路!
 皆様のご厚意により入手出来たのでした。

 先程、2月に自爆廃車となったK100RS君について、ABSや電動ファンが故障している事を知らなかったと書いたが、実はこの新K1100RS君に乗って初めて、「あー実は前のK100RSはABSも電動ファンも壊れていたんだ~」と気が付いた次第です。
 本当に大丈夫かオレ?

 この新K1100RS君は旧K100RS君と比べるととても程度が良くてエレガントに走ってくれる。
 もちろんこれは、前のオーナーの努力と、旧K100君をきちんとメンテ出来なかった僕との差である。
 しかし、さすがにおんなじバイクを2台乗り継ぐと良さ悪さがちゃんと比較できるのでメンテするのに非常に都合がよい。
 悲しい事に現在、「走っていると突然ガス欠みたいなエンジンストップ病」を発症しているが、ブログ等で先達の皆様の知識を借りると、どうやらよくあるトラブルのようで、対策も教えて頂ける。
 ホントに、一人じゃないって素敵な事ね、と歌い出したいありがたさだ(一人だけど)。

 じっくりゆっくり、指差し確認をしながら慎重に乗り続けて行こう。バイクはやはり命を載せているのだ。
 再びバイクに乗れる事に感謝しつつ乗り続けよう。2月の事故が軽い怪我で済んだのは全くの偶然なのだ。
 バイク好きがバイクで怪我しちゃシャレにならない、とさすがに今回は思いっきり自覚致しました。

 はい、という事でこれからもよろしくお願い致します。
 「まだまだ捨てるには惜しい人生なんでね」と最後にカッコイイ決め台詞を…

K1100RS旧

新K1100RS

赤いのが旧、青いのが新K1100RS君です。


タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 


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