こんにちは、ピンキー高橋です。ベンリィ110の後編です。前回はベンリィ110の特徴をざっとご紹介いたしました。で、走りの方はどうなのでしょう? ボアストロークからしておそらく基本的にはDio110と設計は共通でしょうが、ベンリィ110はデリバリー業務を想定して低・中回転域を重視、ピークパワーが抑えられたセッティングになっています。ただ、エンジン型式名が違うことからトランスミッションは別物でしょう。スーパーワイドベルコンを採用した駆動系によって、Dio110に対して出だしから力強く、エキゾーストサウンドも力強い印象です。結果、当然のことながら高回転域への伸びは抑えられていますが、G2モデルとあって他の交通と遜色ない十分な最高速度も確保されております。 サスペンションは耐荷重を重視し、固めの乗り心地を想像しておりましたが、反してアタリの柔らかな印象で、とても好感もてました。バイクのキャラクター上、Dio110とは対照的に一人乗りをメインに想定しているのかもしれません。 今回、ベンリィ110と付き合う中で、いいなぁと感じたところは使い勝手の部分。デリバリー業務向け、すなわちプロユースを配慮した仕組みや装備でしょう。もっとも、サイドスタンドを使ってる状態でもエンジンが停止しなかったり、前後どちらのブレーキを握ってもセルフスターターが回ったり、シンプルなブレーキロック機構だったり、かつてのホンダ・スクーターにはほぼ全車に採用されていたものなんですけどね。 本来ベンリィはビジネス・ユースのモデルですが、今回、約400kmの試乗を通じ、コイツは前回紹介したコンセプトモデルのような遊び心の妄想も広がるバイクだと感じましたね。スーパーカブ同様、原付二種モデルとなる110はパーソナルユーザーの格好の素材になると感じました。一方で、堅牢な作りの車体に大容量10リットル燃料タンクなど、災害時に威力を発揮するタフなモデルでもあります。 都合により、だいぶご報告が遅れてしまったこと、お詫び申し上げます。写真に登場する人物の格好や風景にまるで季節感がありませんが、主役たるこのバイクは、一年通じてパフォーマンスを発揮してくれるであろう優れたモデルでした! |
↓写真をクリックする大きな写真が見られます。 |
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原付二種版のベンリィ110は低速から力モリモリの走りを披露。普通二輪の小型免許以上が必要なので、パーソナル・ユーザーに好まれそう。以前、Dio110にも跨ってもらったG2連邦支援者・ハッサン によると、ベンリィ110の方が自然で安心するポジションだそうです。※写真をクリックするとレプソル・ホンダでRC213Vに乗るダニ・ペドロサとほぼ同じ身長160cmのハッサンが見られます。 | ||
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鎌倉・湘南エリアに足を伸ばしてみました。海をバックに佇む姿、私個人的にBGMとして今年デビュー50周年を迎えたThe Beach Boysの「Hushabye」をイメージ。サーファーの足としてベンリィはバッチグーのような気がします。現代版「Little Honda」なのでしょうか? ※写真をクリックすると、ちょっと暗いですがピンキーなベンリィの兄貴が見られます。 | ||
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今回の試乗車のボディカラーはパールホワイト×ブラウン。「PRO」には大型のフロントバスケット&リアキャリアが装備されます。 |
ベンリィ110[ベンリィ110プロ]主要諸元
●全長×全幅×全高:1,805[1,815]×700[680]×1,040mm●ホイールベース:1,280mm●最低地上高:115mm●シート高:710mm●車両重量:113[116]kg●乗車定員:2人●燃料消費率(60km/h定地走行テスト値):53.0km/l●最小回転半径:1.9m●エンジン型式・種類:JA09E・空冷4ストロークOHC単気筒●総排気量:107cm3●内径×行程:50.0×55.0mm●圧縮比:9.5●最高出力:5.8kw(7.9ps)/7,000rpm●最大トルク:8.6N・m(0.88kgf・m)/5,000rpm●始動方式:セルフ式(キック式併設)●燃料供給装置形式:電子式(電子制御燃料噴射装置PGM-FI)●点火装置形式:フル・トランジスタ式バッテリー点火●燃料タンク容量:10L●変速機形式:無段変速式(Vマチック)●タイヤ:前90/90-12 44J 後110/80-10 58J●ブレーキ:前後機械式リーディング・トレーリング●懸架方式:前テレスコピック式 後ユニットスイング式●フレーム形式:アンダーボーン●車体色:パールホワイト、パールホワイト×ブラウン、オニキスブルーメタリック×ブラック[パールホワイト]●メーカー希望小売価格:239,400【248,850】円
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