幻立喰・ソ

はっけよいのこったのこった、のこったのはMのみ

 両国といえば何を思い浮かべますか? オールキハ17のインチキ急行やら、C57(水)+オハ61の児童臨とか、DD13×2+クハ16(千ツヌ)+153系とか、101系(西カノ)さざなみとか、113系(千マリ)青い海/白い砂とかで「はあはあ」してしまう大きなお友達もたくさんいますが、やはりお相撲さんでしょう。
 そんな両国の某マック(関西ではマクド。家庭教師をカテイキョウと最後の1文字だけ省くちょい前のヤングには、マクドナルと呼んでいただきたい。なぜなら今はなきマクダネルダグラスみたいでカッコイイから)では、白星を挙げた力士にバリューセットを無料で提供していました。マクドさんとナルドさんの二人が起こした会社、ではなく、マクドナルド兄弟が始めたお店だけのことはあるのかないのか。しかも最初はハンバーガー屋じゃなかったとか。以上はウィキ先生より受け売りですが、じゃあ、何屋さんだったのかまでは書いてありません。とても気になります。

両国 両国
両国と言えば国技館。特徴的な駅舎の奧、緑の屋根が国技館です。この地下に焼き鳥工場があるんです。(2003年4月撮影) 両国駅名物といえば、大きなお友達が大好きな113系の新聞輸送列車。2010年トラック輸送になりました。後ろが江戸博物館です。(2006年9月撮影)

 中央競馬のトレーニングセンターがある茨城県の美浦や滋賀県の栗東あたりのマック(栗東はマクド)で、勝鞍を挙げたジョッキーや厩務員に無料サービスなんて聞いたことがないです。
 さすがは国技の相撲、格の違いを見せつけられる思いです。
 素敵なサービス(勝った力士のみ)は八百長騒動の頃、へんに誤解されても困るということなのかやめてしまったようです。「マック楽しみでごわす。どすこいどすこい」と精進していた序の口力士にとって、八百長疑惑よりショッキングな出来事だったのかもしれません。無論、力士に知り合いがいるはずもないので真偽のほどはわかりません。マックさん、また再開してはいかがでしょうかというのも、余計なお世話です。 

 力士は、おすもうさんとか相撲取りとも言います。競技種目にさんをつけて競技者を表わす、よくよく考えると他にありません。野球さん、サッカーさん、水泳さんとは言いません。言うと仮定しても槍投げ選手の場合、なげやりな人みたいに思われてしまいます。
 さらに競技名に敬意を示す「お」を付けるのも相撲だけでしょう。お野球だと小田原に行く電車と、おサッカーは大阪と、お水泳は、下水処理場で泳ぐのかなと、勘違いされます。また、相撲を取る人だから相撲取りですが、野球選手をボール投げ打ち取り、サッカー選手をボール蹴り、水泳選手を水泳ぎとは……ん? 言うのかな? でも、やり投げ選手をやり投げとは言いません。このように国技たる相撲は不思議がいっぱいです。相撲の聖地、両国国技館の名物はなぜか焼き鳥で、地下には焼き鳥工場があるというのも不思議な話ですが、鶏が嫌いな私には関係ないです。と、興味も知識もない相撲話に花を咲かせかけたところで、本題に入ります。

 両国駅近くに横綱通りという、THE両国な通りがあります。相撲部屋やちゃんこ屋さんがひしめく広い通りを想像するやもしれませんが、力士が3人横に並べばいっぱいいっぱいの狭い路地で、その路地に密集していたのは、横綱とはなんのゆかりもない立喰・ソ、わずか100メートルあるかないかの路地に最盛期には4軒が切磋琢磨していたのです。
 ちゃんこ鍋のシメにうどんは似合っても、力士にはあまり似合わない立喰・ソ。相撲の町の横綱通りになぜ? 
「おおロミオよ、どうしてそんなに立喰・ソがあるの?」 
「私は知らない」
 2軒は入口と出口を固め、2軒は真ん中あたりで向き合っているという、絵に描いたようなシンメトリーを形成しておりました。なにも向かい合わなくてもいいじゃないと思うのはマーケティングの素人。私も素人なのでよくわかりません。ただ「マッハの3本マフラーはダメね〜。だからZ1は絶対4本マフラーにしてくだサ〜イ」という、シンメトリー大好きアメリカ人の策略でもないはずです。

横綱通り
この写真で衝撃の全てを理解していただけるでしょう。手前が両国駅側で奧が京葉道路側になります。①は現在も盛業中のMの本店。②がしなの家、③が富そば、④のあたりが笠置そば両国店です。(2006年9月撮影)
しなの家と富そば 笠置そば
向かい合ったしなの家と富そば。しなの家は2007年頃、富そばは2010年に惜しくも幻立喰・ソの仲間入りをしてしまいました。(2006年9月撮影) 2006年頃にできた笠置そば両国店(かどうか正式名称は不明)はいつ幻立喰・ソになったのか。2011年の初夏にはもうありませんでした。(2006年9月撮影)

 入口(両国駅側)直近のMは、今や立喰・ソでも珍しくない生そば+自家製揚げたて天ぷらを始めた元祖的存在で、週刊誌の立喰・ソ特集では、上位にランキングされる名店です。最近では支店も増加中です。出口(京葉道路側)には謎の多いチェーン店、笠置そばがありました。イニシャルではない実名とあったという過去形から、勘のいい貴方ならピンとくるように、笠置そばはすでに幻立喰・ソです。こういう言い方だと、笠置そばすべてが幻立喰・ソになったと誤解されても困ります。ということで、今後はチェーン店や支店などの場合は、店舗名をイニシャル、支店名を実名にすれば解決、かと思ってKそば両国店と書くと、小諸そばか、笠置そばか分からなくなり、さらなる混乱を招きそうです。浅知恵全開でした。
 解決策が思い浮かばないのでスルーしてください。笠置そば両国店(というのかどうかも今となっては不明)は、いつの間にか開店していて、いつの間に幻立喰・ソという印象です。だから残念ながら私は食べていません。チェーン店なんだからどこで食べても同じだろ? と思われるかも知れませんが、意外と差があったりするので軽視できません。完全に軽視してしまいましたが。
 中程で対峙していたのは、しなの家と富そば。実はここも一回行ったのみで、それほど強く印象に残っていません。
 だから、ひょっとして、横綱通りに4軒もひしめき合っていたというのは、私の脳内横綱通りが作り上げた幻惑だったのでは? とさえ思う今日この頃です。
 結局、最後まで残ったのは名店Mのみ。相撲と同じで強いモノが勝ち残るということでしょう。ちなみに横綱通りにつながる総武線のガード下には、新進気鋭系のKと、JR東日本系列のAの新店舗ができました。3減2増で定数は減りましたが、さながら力のある外国人力士が参入してきたという図式です。
 この先、両国の立喰・ソ勢力図がどう塗り替えられていくのか、目が離せません(←と言いつつ、もう1年くらいごぶさたです)。

しなの家 しなの家
しなの家のちくわ天そば(330円)とシブイ店内。無造作に置かれた天ぷらと取り放題のおろししょうが、小梅が泣けます。こんなスタンド風の立喰・ソで食べると嬉しさ3割増です。(2006年9月撮影)
富そば 跡地
立喰・ソ帖の記録では2002年2月に富そばで天丼セット(630円)を食べたらしいのですが、残っていたのはピンぼけのこの写真だけ。ホントにダメな私です。(2002年2月撮影) すでに飲み屋になったしなの家と、一見健在のように見えますが、すでに幻立喰・ソの富そば。毎度のことながら、もう一回食べておけばと後悔ばっかりです。(2011年7月撮影)

■立喰・ソNEWS

●Sそばのスタンプカード

 両国のお隣、浅草橋駅付近も立喰・ソ密集地帯です。現在は、昭和テイスト溢れるH、ちょっと高めのS、豊富なメニューで常連も多いK、おなじみNRE系列のO、新進気鋭系チェーン店のK、値段が安いチェーン店S、レベルの高いチェーン店Eなど、半径100mくらいに7店がひしめきあっています。さらにセブンアイホールディング系チェーン店のBもあったのですが、あっという間に定食屋さんに変わってしまいました。さらに300mに拡げるとあと5〜6店はありますから供給過剰なのでしょう。
 今回の話題は、安くて有名なチェーン店Sそばです。昨年10月の終わりに行ったところサービスポイントカードをくれました。最近ではこういう嬉しいサービスをしてくれる立喰・ソが増えています。でもサイフの中がポイントカードだらけになってしまうという弱点もありますが、まあ、いいじゃないですか。
 Sそばは来店一回ごとに1つ捺印してくれて、50個スタンプをもらうと、1000円分の食券をくれるという太っ腹なカードです。一番安いかけが250円ですから、50回通って12500円使えば1000円もらえることになります。単価の安い立喰・ソでは高レート交換率ではないかとおもわれます。
 ですが、裏のカード有効期限を見て愕然としました。有効期間が10月31日まで……まあ、これはもっと早く来ればよかっただけのことでスルーしますが、有効期限が6ヶ月ということは、最長期間を単純計算しても、3.6日に一回通わなければ達成できないことになります。貴方にとってこのハードルは、高いですか? それとも低いでしょうか?

スタンプカード
有効期限に注目してください。現役店なので店名とか住所とかはモザイク処理してあります。

バソ
バ☆ソ
日本全国立ち喰いそば全店制覇を目論む立ち喰いそば人。現在600店以上のデータを収集したものの、ただ行って食べただけではたいして役に立たない。立ち喰いそば屋経営を目論むも、先立つものも腕も知識も人望もなく断念。で、立ち喰いそば屋を経営ではなく、立ち喰いそば屋そのものになろうとしたが「妖怪・立ち喰いそば屋人間」になってしまうので泣く泣く断念。世間的には3本くらいネジがたりない人と評価されている。一番の心配事はそばアレルギーになったらどうしよう……。


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