一族集結! モーターサイクルニンジャフェア

Kawasaki

青い目の男達にとって、「スシ」「ゲイシャ」が男の二大欲求を叶えるものならば、「サムライ」「ブシドウ」は闘いの本能を刺激するキーワード。
ならば「ニンジャ」は、軽快にして強靱、神出鬼没なスピード感とミステリアスなロマンか。世界最速を目指し、コンパクトなスタイルで1984年に登場した初代ニンジャは、そんなイメージにぴたりとハマって世界中を虜にした。あれから30年、歴代のニンジャ一族が、神戸に集結した! 

 1984年、Z1の後を継いで登場した第二世代のカワサキフラッグシップGPZ900R。北米仕様にはニンジャのネームが付けられた。当時市販車最速の250km/hに迫るハイパフォーマンスとエッジの効いたデザインで絶大な人気を誇り、その後2003年まで約20年間の永きにわたって販売され続けた名車であることはみなさんご存知のとおり(初代GPZ900Rの歴史は GPZ900R・Ninja大全でどうぞ)。
 もうひとつ果たした大きな功績が、俊敏な走りとデザインが神出鬼没、東洋の神秘である忍者と直結、今や誰もが知るようにNinjaというネーミングをカワサキスポーツモデルの代名詞的存在として世界中に知らしめたことである。

 そんなNinjaの初代誕生から30周年を記念し、生誕の地である明石にほど近い神戸の海洋博物館内大ホールにて「モーターサイクル ニンジャフェア」が2014年3月9日まで開催されている。初代から最新2014年モデル、そしてスーパーバイク選手権で20年ぶりにチャンピオンを獲得したマシンまで、16台のNinjaが一堂に展示されるという未だかつてない大集合展である。
 展示車両を囲むように1984年から2014年まで歴代Ninjaのパネルも展示。これも一度に見られるチャンスはそうそうない。会場中央で常時放映されている歴代Ninjaのプロモーションビデオも見逃せない。
 お楽しみはまだまだある。会場の入口にはカワサキ車をデザインするKTECの特設ブースが設けられ、これも普段は目にするチャンスの少ないZ1000のクレイモデルを展示。その隣には、カワサキレーサーのカウルなどで有名なA-TEC特製のフルカーボン仕様Ninja250も展示。これは跨っての記念撮影も可能(ちなみに会場内に展示される最新Ninja1000と400も跨ることが出来る)。
 会場に隣接するおなじみのカワサキワールドにももちろんそのまま入場できる。こちらには歴代カワサキ車が常設展されている。

 時代と共に大きく進化を遂げたNinjaの軌跡を実車と貴重な映像で一覧できる喜び! 開催は2014年3月9日(日)まで(3月3日は休館)、お見逃しなく。

 神戸海洋博物館・カワサキワールドは阪神高速道路、京橋ICから約5分、鉄道の場合はJR、阪神電鉄元町駅、神戸高速鉄道花隈駅から徒歩約15分、地下鉄海岸線みなと元町駅からは徒歩約10分。駐車場はないが、周辺には有料駐車場がある。有名観光地の元町や中華街も徒歩圏内。開館時間は10時〜17時(入場は16時30分まで)で、毎週月曜日が休館。入館料は大人500円、小中学生250円。


モーターサイクルニンジャフェア

モーターサイクルニンジャフェア

モーターサイクルニンジャフェア
会場入口にはグリーンカーペットが。その先では2014年モデルのNinja250とZX-14Rのスペシャルエディションがお出迎え。 入場時にもらえるパンフにはスクラッチが付いており、削って当たりが出れば、もらって嬉しいカワサキグッズをプレゼント。

モーターサイクルニンジャフェア

モーターサイクルニンジャフェア
展示車両を囲むように歴代Ninjaのパネルを展示。なお初代Ninjaは都合により欧州仕様のGPZ900Rの展示となったが、パネルの最初には実物大で北米仕様が配置されており、欧州仕様と比較する楽しみも。 会場中央では、歴代Ninjaのプロモーションビデオを放映。海外向けのものや、初代の開発風景、トム・サイクスがチャンピオンを決めた映像などもあり、釘付け。

モーターサイクルニンジャフェア

モーターサイクルニンジャフェア
最新2014年モデルのNinja400と1000も展示。こちらは跨っての記念撮影も可能。跨ればあちこちチェックしたくなるのが人情ってものですが、記念撮影は譲りあっておねがいします。 特設会場入口に展示されていたのはカウルなどでおなじみA-TECHが製作したフルカーボン仕様Ninja250。いったいいくらかかっているのか。触るだけでも怒られそだが、跨ってもOKという太っ腹。

モーターサイクルニンジャフェア

モーターサイクルニンジャフェア
KTECのブースにはZ1000のクレイモデルも展示。製作過程のビデオも放映され近くでじっくり見ることができた。 お土産も充実。人気はサービスマニュアル型の手帳に、開催期間のみ限定発売の忍ジャーエール。

※今回は特別に展示車両を搬入前に特撮させていただきました。太陽の下で見るNinjaもまた格別です。簡単なご紹介と共に。

GPZ900R

GPZ900R

GPZ900R

GPZ900R
■GPZ900R(1984)
世界中を虜にしたZ1に代わり、新世代フラッグシップスポーツモデルとして開発された、言わずとしれた初代ニンジャ。カワサキとしては初の水冷4気筒DOHC4バルブエンジンで、当時すでに一般的であったリッタークラスではなく、Z1と同じ900ccクラスを採用した(その理由は会場で放映されている映像で証言されているので見逃さないよう)。900ながら250km/hの世界へ誘う高性能とエッジの効いたフォルムで大好評となった。初代A1から、改良と熟成を重ねつつ最終型となった2003年のA16まで永きに渡り愛され続けた。展示車は欧州仕様で、北米仕様はサイドカバーにNinjaのロゴが入るなど異なる部分がある。

ZX-10

ZX-10

ZX-10

ZX-10
■ZX-10(1988)
GPZ900R系のボア(72.5→74mm)、ストローク(55→58mm)共に拡大し排気量を89ccアップしたパワーアップバージョンが1986年に登場したGPZ1000RX。さらにその進化版がZX-10。アルミフレームやシリンダーヘッド部分は全くの新設計で12psアップの137psに。さらにフラッシュサーフェイス化が追及されたフォルムも相まって、最高速は270km/h、ゼロヨン10.5秒とパフォーマンスアップし、ニンジャ=世界最速の市販車の伝統を受け継いだ。ノーマル状態で残っているZX-10北米仕様も今や少ないので、アンダーカウルに漢字で書かれた忍者にも注目。

ZX-11

ZX-11

ZX-11

ZX-11
■ZX-11(1990)
市販車最速を追求するニンジャは1990年さらなる進化を遂げる。「世界一の動力性能」を開発目標として、排気量を1052ccにアップしたエンジンを全面新設計されたアルミ角ツインスパー+スチールダウンチューブフレームで包み込み、市販車としては初めてラムエアシステムを採用。当時市販車世界最速の290km/hをマークした。しかも、単なる最高速仕様ではなく、市街地やツーリング時での扱いやすさも兼ね備えた新世代の高速GTツアラーZX-11(北米以外ではZZR1100)の誕生は、GTツアラーのあるべき方向性を大きく変えた。

ZX-6R

ZX-6R

ZX-6R

ZX-6R
■ZX-6R(1995)
もう一度原点に戻ってコンパクトなスーパースポーツという、当時、本家Ninjaが歩んだ最高速GTツアラー路線とは異なる思想で新開発されたミドルクラスのニンジャ。兄貴分にあたるZX-9Rをさらにコンパクトにまとめた設計で、新設計の水冷4気筒DOHC4バルブ599ccエンジンをフレームはアルミペリメターフレームに搭載し、ミドルクラスのスーパースポーツに新時代をもたらし、600クラススーパースポーツの先駆けとなった。

ZX-12R

ZX-12R

ZX-12R

ZX-12R
■ZX-12R(2000)
初代Ninjaから受け継ぎZX-9Rで進化を遂げたスーパースポーツ路線と、ZX-11で新たなマーケットを拡大した超高速GTツアラー路線のいいとこ取りを狙い最強のニンジャとして開発されたスーパーNinjaともいえるニューモデルがZX-12R。178psエンジン、モノコックフレームなど全てが新設計。コンパクトでナローなエアロフォルムや、フロントに突き出したエアインテークが特徴的。

ZX-6R

ZX-6R

ZX-6R

ZX-6R
■ZX-6R(2004)
好評のZX-6Rは、`98年、`00年とモデルチェンジを行ない、’02年には排気量を636ccに拡大。一般公道での使いやすさと楽しさがさらに広がった(レース用の599ccはZX-6RRとして発売)。翌2003年には公道モデル初のラジアルマウントフロントブレーキキャリパーや、バックトルクリミッター付クラッチ、鍛造ピストン、クロスミッションなど最新のテクノロジーを満載してフルモデルチェンジを行ない、戦闘力を格段に強化した。

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R
■ZX-10R(2004)
1994年に新世代のスーパースポーツとして誕生したZX-9RはGTツアラーとしての要素も兼ね備えていたが、後継機として2004年に登場したZX-10Rでは開発コンセプトを「サーキット性能No.1」と割り切って誕生したニューモデル。伝統ともいえる900から1000へ大きな進化を遂げた998ccの水冷4気筒DOHC4バルブエンジンは、バックボーンのアルミフレームに搭載され、乾燥重量170kg、最高出力184ps(ラム加圧時)というハイパフォーマンスを実現した。円形デザインのメーターまわりも斬新。

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R
■ZX-10R(2006)
2代目10Rの大きな特徴は、印象が大きく変わったティアドロップタイプヘッドライトや、4-2-1-2構造のセンターアップマフラーの採用。この新マフラーにはキャタライザーが内蔵され、さらに厳しくなった新たな排出ガス規制(ユーロ3)をクリアしている。環境性能適合だけではなく、フリクションロスの低減やエンジンの重心位置変更など細部の改良が行なわれた。

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R

ZX-10R
■ZX-10R(2008)
エッジの効いたニューデザインとなった3代目。吸排気系を大きく変更し、センターアップマフラーから右1本出しタイプのチタンサイレンサーに変更された他、フレームやスイングアームの剛性見直しなどもおこなわれた。またバックミラーのデザインも大きく変わり、ニューZX-10Rを印象付けている。10Rのイメージともいえる円形デザインのメーターは引き続き採用。なお、現行の2014年モデルは2011年にフルモデルチェンジしている。

Ninja250

Ninja250

Ninja250

Ninja250
■Ninja250(2014)
2008年に登場し、250スポーツを復権させた立役者Ninja250Rが2013年にフルモデルチェンジ。2014年モデルはカラーリングを一新。写真は2014年モデルのスペシャルエディションABS(603,225円)。詳細はニューモデル特集新車プロファイルで。インプレッションはこちらで。

Ninja400

Ninja400

Ninja400

Ninja400
■Ninja400(2014)
アップライトなポジションのツインスポーツNinja400。写真は2014年スペシャルエディションABS(720,300円)。詳細はニューモデル特集新車プロファイルで。インプレッションはこちらで。

Ninja1000

Ninja100

Ninja1000

Ninja1000
■Ninja1000(2014)
2011年に登場した新カテゴリーのニューモデルNinja1000は海外モデル。昨年モデルチェンジを受け、3モードKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)、パワーモードセレクション、ラジアルマウントモノブロックキャリパー、リモートプリロードアジャスターなどが採用されている。詳細はニューモデル特集で。

ZX-14R

ZX-14R

ZX-14R

ZX-14R
■ZX-14R(2014)
2006年に登場した新世代高速GTツアラーZX-14R(欧州仕様はZZR1400)。写真はスペシャルカラーにゴールドの文字のゴージャスな2014年ABSスペシャルエディション。詳細はニューモデル特集で。

ZX-7RR

ZX-7RR
■ZX-7RR(2000)
ZX-7RRは、1996年に対スーパーバイク選手権用ベースマシンとして製作された輸出専用モデルで、AMAでも1996、1997年にチャンピオンを獲得するなど、サーキットで活躍を見せた。公道バージョンとしてはZX-7Rが発売された。2000年のゼッケン1番のZX-7RRは、井筒仁康選手が全日本ロードレース選手権スーパーバイクで5勝を挙げチャンピオンを獲得したマシン。

ZX-RR

ZX-RR
■ZX-RR(2003)
初のMotoGPマシン製作に苦しみ、実戦での成績は残すことができなかったが、実戦で得たデーターやノウハウを生かし、翌年は中野真矢選手が日本GPで3位入賞を果たすことに貢献している。開発当初のベース車両はZX-7RRであり、その血統は紛れもなくNinja一族である。写真の#66はアレックス・ホフマンが3、5,7,9,10戦に出場した。

ZX-10R

ZX-10R
■ZX-10R(2013)
スーパーバイク世界選手権において、1993年にスコット・ラッセルが優勝して以来、実に20年ぶりにカワサキにライダースチャンピオンをもたらしたのが、このZX-10Rレーサーとトム・サイクスのコンビ。2012年もあと一歩というところまで迫りながらも僅か0.5ポイント差で栄冠をのがしたので、勝利の美酒もまた格別であったはず。
特設会場の反対側には、常設展示の川崎重工の紹介ブース、カワサキワールドがある。二輪車コーナーには赤タンクことB8モトクロッサーから1400GTRまで歴代名車を展示中(展示車両は不定期で入れ替えられる)。また現行モデルに自由に跨ることができるコーナーも人気。

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