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旅にも出ない、ロマンも語らない、
ただそこにバイクがあるだけの毎日

その28 憧れのバイク

ばいくらへん

思い出の品というものは、いつかどこからかふと出てくるもの。
春の引越しシーズンやら、冬物の洋服を片付けるついでの大掃除とか、春はお掃除がはかどる季節です。
掃除をしていると、「おぉ、こんなところにこんなものが!」と、意外なものがポロポロと現れては、作業のジャマをしてきます。
しかしそういうものこそが、人生においては何気に楽しい思いで引き起こし装置だったりするもんです。
そうでなくとも、掃除中にはなんだかんだと「あぁこれは」…と、ついつい出てきた本やアルバムを読みふけってしまったりしまいがち。
特に、趣味関連のものはこういう罠が非常に多く、バイクが好きとなったら、カタログやパンフの類が必ずどこかしらから出てきてしまうのです。
自分が乗ってるバイクのものや、欲しかった憧れのバイク、なんかのイベントでもらったチラシやステッカーなどなど…。
「何でこんなもん取っといてたんだ?」というようなものが、ぎゅんぎゅん当時の記憶を引きずり出してくるのです。
ン十年前のカタログを「あー、そういえばこのバイク欲しかったんだよなぁ〜」なんて軽い気持ちでめくってしまったが最後、当時の記憶がムクムクよみがえってきて、「ひょっとして今ならコレ買っちゃってもいいかも?」という、悪魔のささやきすら聴こえてくるほどになるのです。
その当時が、学生さんやら新入社員の若かりしころで、欲しくてもなかなか手に入らないものであったなら。
ン十年経った今、ちょっとしたものならがんばれば買えちゃうくらいはがんばってきてるなぁ、という立場だったりしたならば。
当時の新車もいまや中古。
しかし憧れの目で見る『当時新しかったバイク』は、現代の新車なんか足元にも及ばないほどカッコイイのです!
そう、それは初恋の女の子が、記憶の中なら大人になっても一番の美人であるかのごとく…!

春です。バイクでどこか行くならまさに今!
これで中古車屋さんに行って、憧れのバイクに奇跡の出会いでもした日にゃーですよ?
今すぐ海だの山だのにすっ飛んでって、思い出も幸せもすべて手に入れられるんですよ!

・・・と、脳内であらゆる妄想がぶわーっと巻き起こるわけですが、それはそれ。今はまだお掃除の真っ最中でありました。
「まぁとりあえずこの目の前のゴミの山をなんとかしないとな…」などと現実に引き戻されつつ、同じく大量に出てきた古本をどこに売ろうか考えなければなりませんね。
そして、バイクカタログはまた大事に仕舞われ、また思い出の扉を開ける日を

待つのでありました。

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元気な若奥様、蜷川さゆりさん(29)がある日掃除中に魔法のステッキを発見。おもちゃだと思って振ってみたら、さあ大変!
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