- 礼田 計
(2011.3.7更新)
※写真をクリックすると大きなサイズになります。ライダー諸君! 突然ですが、今回は算数教室を行います。自分がネズミ捕りに掛かったつもりで考えて下さい。
わかる人は問題無いし、わからない人はわかる人に聞いて下さい。
さて、速度違反の検挙者はいったい1年にどの位いるのかご存知だろうか?
平成21年の速度違反検挙者は実に2,545,849人。
一日は86,400秒。掛ける365日=31,536,000秒で一年だ。つまり、31,536,000(秒)÷2,545,849(人)=12.3秒に一人検挙される計算だ!!
長めのアクビを一回してる間に一件の検挙。速度取締り機器は人気者だ!!
そんな人気者たちの計られるメカニズムを計算問題であらわすとどうなるのか?
愉快なマニアの写真を見ながら問題にチャレンジしてくれ!
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速度取締り問題(1)
レーダー用
制限速度60km/hの高速自動車道に速度測定用レーダーが25度の投射角で設置され、10GHzの電波を発射している。
レーダーの現認係が貴君のクルマを測定したところドプラー周波数は1690Hzになりました。
このクルマの速度は時速何キロでしょう??? また、その時、科せられる罰金と行政点数、その他不利益を記せ。
■条件:コサイン25度は0.9063
時速の小数点以下は切り捨て
(ドップラー周波数とは電波を走行しているクルマに照射し、放った電波と帰って来た電波との違いの周波数のこととする)
【公 式】
Fd =2v・COSθ/λ
Fdはドプラー周波数、vは速度、λは波長の長さ(ここでは3cm)
【方 程 式】
λを求める公式 λ=C/f
Cは光速で秒速30万キロ
fはこの場合10GHz
1000Hzで1KHz
1000KHzで1MHz
1000MHzで1GHz
よってvイコールの式に変換すると
v=λFdv/2COSθ
以下代入すると
v=0.03×1.69×1000 /2×0.9063
v=50.7/1.8126=27.97m(秒速)
27.97× 3600÷1000=100.692km/h
小数点以下切り捨てにより100km/hで速度違反がプリントされる。
【解答】 走行スピードは100km/h。
よって40km/h超過になる。
【罰金、行政点数その他不利益】
一般的に不利益としては警察や検察への出頭、行政処分の講習で会社を2日〜3日程休まなければならない。
免停講習の日は講習するまでは運転できても、帰りは運転できない(もし運転して御用になれば元々免停に達した点数に19点が加算され2年以上の取り消しは間違い無いだろう)。だからこれ以上傷口を広げないためには講習会場までは電車やバスなどの公共交通機関か、人に送ってもらうことになる。
また、罰金前科1犯という事になり事情に疎いと精神的負担もでかくなり、違反を繰り返すと更にロングな免停や取り消しが間近に迫ることになる。
問題の場合は反則行為(青キップ)ではなく違反行為(赤切符)で罰金となる。この場合罰金相場は6万円から7万円位が普通だ(光電管やレーダーとかオービスに計られたからといって機種による割引はない。どう見てもオービスで測定された方が手間暇が掛かってそうだが速度違反は機種に関係なく速度により同じ扱いを受ける)。
問題では行政点数は6点(一発免停)。前歴なしの6点から8点は行政処分講習は一日で終わり、考査の結果が優だと(−29日)となりその場で免許証を返してくれて一日だけの免停となる。
講習費は大体1万5千円以下となる。ちなみに、前歴2の累積点数なしの場合は90日の免停になる公算が高く、前歴3以上ならほぼ取り消しになる。
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速度取締り問題(2)
光電管用
制限速度60km/hの高速自動車道で速度測定用光電管のスタートセンサー、ストップセンサーのピッチ(中心から中心)が3m幅でそれぞれ反射鏡にレーザーを照射している。
この間を前輪がスタートセンサーのビームを切り、ストップセンサーのビームを前輪の同じ場所が0.107秒後に切った読者のクルマがある。このクルマの速度を求めよ???
また、その時、科せられる罰金と行政点数、その他不利益を記せ。
■条件 小数点以下は切り捨てとする。
速度=距離÷時間に代入すると
3m÷0.107(秒)=28.0373m/s
これを時速に換算すると
28.0373×3600÷1000=100.93km/h
小数点以下切り捨てにより走行スピードは100km/h。よって40km/h超過となる。
罰金行政点数、その他不利益は前記を参照の事。
速度を測定する時間等は1秒も掛からないが、計られて検挙されるとその被害は甚大であり決して軽視できない。注意しようね!
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