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早朝の8号線は深夜同様にガラガラで走ってる車の流れも速い。快調なペースで思った以上に距離が進んでいく。上越まであと3、40キロといったところの信号待ちで一台のカブがオレの横に並びかけた。一瞬、はて? と思ったがすぐにその正体に思い至った。広島県福山市に住むカブ主の兄やんだ。
オレ主催のしまなみショットガンで宴会デビューしてからこのところ西の集会などでよく顔を合わせていた。どうやら行き先はオレと同じようだ。ずっと原付免許だった彼も最近、中型を取得してカブもエンジンを90ccに載せ換えたらしい。それにしてもよくカブでこんな所まで・・・。家を出て3日目という事だがここまででも色んな事があったのだろう。そのツラさと楽しさは走った者にしかわからない。そしてそれは旅の終りに達成感という何モノにも勝る感情でくくられる。
彼を見てると今さらながらにエイプで来てもよかったかなと思ってしまう。まぁ帰り道ではエイプにしときゃよかったとマジで思っちまったわけだが。ホーネットはどうなんだと訊かれればアレはアレで調子こいて走り回ると後でやってくるガソリン代や高速料金の請求にいつも後悔するパターンなので論外である。
カブの兄やんは今回、俺節が初めてということでオレが引っ張る形で会場までの残りの道中を一緒に走る事に。
上越から253号線に進路をとるとあとは会場までほぼ一本道である。しかし一週間前の記録的豪雨のためもう一山越えたら十日町という所で通行止め。迂回した県道でも自然の猛威に曝された爪あとが生々しく残っていた。まったく自然というやつは容赦がない。
少々、大回りさせられたが昼過ぎには17号線に辿り着き会場近くの温泉に浸かって一休み。“いい加減にしやがれ!”とツッコミが入りそうなほどのんびりと過ごした末に会場入り。途中の買出しなどでおなじみの顔と出くわしていたのですでにかなり集まって来ているのかと思ったがこの時点ではまだ人もまばら。だがこの直後から怒涛のようにバイク乗りが押し寄せてくる事となる。
日が暮れる頃には毎年のようにグジャグジャな感じなのではあるが昨年までとはちょっと様子が違う。オレ自身はまだ3回目の参加なのだが場所はともかく揃った面子に馴染みがありずぎる。いつもの事じゃねぇか!? って言われればそれまでなのだが・・・・
オレにとってホームといえる中四国地区のバイク乗りが多すぎるのだ。鳥取を除く中四国8県から軽く数えただけでも15名を越えるバイク乗りが来ている。ここが新潟であるという事を考えたら明らかに異常な光景だ。
そういえば地元の集まりでもこのところ北のバイク乗りをやたらと見かけるようになった。これは交流が深まったと見るべきか意地の張り合いがエスカレートし過ぎたと見るべきか。いずれにしてもこのままいけば近い将来、オレの行動パターンなどたいして珍しくもなくなってしまうだろう。
肝心の宴会はというと主催者須藤君の音頭で乾杯のあと毎度の如くそれぞれが好き好きに吼えまくりそこからはエンドレスな乾杯バトルロイヤル。
そして酔い潰れ、その辺に転がる者多数。
結局、オレも明け方4時辺りまで色んなやつと話しこんでいたが普段の生活における愚痴などは皆無。純粋に気分が高揚し、楽しいだけの時間が過ぎていった。