四輪車用駐車スペースの一部区画を二輪車に転用した東京・銀座地下駐車場の二輪車区画。
既存の自動車駐車場に二輪車の区画を設ける場合、いちばん簡単なのが四輪駐車部分を二輪車に転用することだ。
二輪車は四輪車1台分で4〜5台を収容できるので、四輪車数台分で二輪車20〜30台の駐車が可能となる。
そうした事例として仙台市の「勾当台公園地下駐車場」(定期利用専用)、東京の「中央区営銀座地下駐車場」、横浜市の「みなとみらい公共駐車場」、神戸市の「市営三宮駐車場」、八王子市の「旭町駐車場」などがある。
本来は車路のデッドスペースであった部分に設置(大阪市・長堀駐車場)した例。
目を利かせればいくらでも”発掘”できるデッドスペース。それを利用して二輪車駐車区画を設置した例がこれだ。
二輪車の場合、1台分の区画面積が少ないので、自動車駐車場の柱間スペースなどデッドスペースとなっている部分に駐車区画を設けることも可能だ。
そうした工夫を行っている自動車駐車場は多いが、前出の「中央区営銀座地下駐車場」、大阪市の「長堀駐車場」、東京都豊島区の「池袋東口公共地下駐車場」、東京都新宿区の「新宿サブナード」などがある。
埼玉県・鴻巣駅東口自転車駐車場に自動二輪車用を設置。
全国の自治体は、駅周辺での自転車駐輪場の整備を進めているが、そうした駐輪場の対象とされているのは自転車と50ccの原付までとなっている。
しかし近年では、51cc以上の自動二輪車に関しても積極的に駐輪場に収容するよう、国も全国に呼びかけを行っており、そうした動きを背景に、各地の駐輪場でも自動二輪車枠の設置例が増えてきた。
具体的な例としては、東京・新宿区の「新大久保駅自転車等駐輪場」や、同・世田谷区の「二子玉川西自動二輪駐車場」、東京都下・町田市の「森野第1バイク駐車場」、埼玉県鴻巣市の「鴻巣駅東口自転車駐車場」など。自転車と自動二輪車とでは、駐車枠として必要なサイズや重量が異なるため管理面での難しさはあるのだが、駐車枠を分離するなど工夫して実現しているのだ。
横浜市営地下鉄の高架下に設置された二輪車駐車場。
水路にふたをして空間活用した東京・用賀自動二輪駐車場。
都市部の未利用空間として意外に多いのが鉄道や道路の高架下だ。
柱がびっしりと並んでおり、なおかつ上を通過する鉄道や道路の振動などもあることから、未利用となっているケースが多い。
また、水路にふたをしてできた空間も街のなかに残っているケースがある。
都市部では、こうした高架下や水路上の空間を利用して二輪車駐車場が設置される例も増えている。
高架下を利用したケースとのひとつが、横浜市営地下鉄の駅周辺に設置されている自転車・二輪車駐車場。現在、12駅の周辺に17カ所が運営されており、自転車、原付、自動二輪車合わせて約4,500台の収容能力がある。
また、小田急線豪徳寺駅から徒歩1分の高架下には、「小田急豪徳寺第2駐車場」があり、自動車駐車場のデッドスペースを利用して、自動二輪車の一時利用9台分のスペースが設置されている。
ほかにも、首都高速道路の高架下を活用しているケースとして、横浜駅から徒歩7分ほどの「横浜北幸自動二輪駐車場」がある。
一方、水路上の空間を利用した二輪車駐車場としては、東京都世田谷区の「用賀自動二輪駐車場」がある。
東急田園都市線の用賀駅から徒歩3分ほどの場所で、一時利用20台分が設置されている。もともとは車道の横に水路があり、その水路にふたをして歩道として利用していたもので、その歩道の一部を車道から直接駐車できる二輪車駐車場として整備したケースだ。
そう、目を開いてあらゆるスペースを見つけ出すのだ!