映画「キリン」 映画「キリン」

「そのおじさんていうの やめてくれないかな」

「うふっ そうっ」

「だったら名前ぐらい 教えてよ」

「キリン」

『キリン』のシリーズ第1部『POINT OF NO-RETURN』は、1990年8月号まで続いた。

今では“伝説の”と言われる、この『ポイント・オブ・ノーリターン』がベースとなって映画化されるのだ。

箱根ターンパイクを、深夜に借り切っての撮影。真っ暗なターンパイクに向かって、マシンが走り出す。※この夜の撮影模様は、2011年7月14日発売のミスター・バイクBG、8月号でも紹介しています。
箱根ターンパイクを、深夜に借り切っての撮影。真っ暗なターンパイクに向かって、マシンが走り出す。※この夜の撮影模様は、2011年7月14日発売のミスター・バイクBG、8月号でも紹介しています。
こちらの動画が見られない方はYOUTUBEのサイトhttp://www.youtube.com/watch?v=jqcWIoItB3Iで直接ご覧ください。

監督は大鶴義丹さん。役者であり作家であり映画監督であり、根っからのバイクフリークでもある。

「東本さんの『キリン』と初めて出会ったのは22歳の頃。いつかは映画にしたい、と思っていました」

昨年の夏頃から具体的になり、大鶴さんは、企画立案、監督、そして営業までこなした、という。

主人公“キリン”を演じるのは真木蔵人さん。奇しくも“キリン”と同い年だ。愁いを帯びたストイックな表情と、そしてマシンを操る男の強さを演じきっている。

『キリン』にとって、バイクは重要な要素だ。「嘘っぽいバイク映画にはしたくない」ということで、マシン・プロデューサーとしてテクニカルガレージRUNの杉本卓弥さんが参加している。また、月刊オートバイなどで活躍している宮崎敬一郎さんがバイクアクションの監修にあたっている。

役者にして作家、映画監督──その前にライダーである大鶴義丹さん。現在の愛車はスズキGSX1300R隼。監督としての5作目が、「いつか映画化したいと思っていた」キリンである。
役者にして作家、映画監督──その前にライダーである大鶴義丹さん。現在の愛車はスズキGSX1300R隼。監督としての5作目が、「いつか映画化したいと思っていた」キリンである。
ワゴン車のリア部分にカメラをセットする。カメラを固定し、カメラマンも振り落とされないように固定されるのだ。
ワゴン車のリア部分にカメラをセットする。カメラを固定し、カメラマンも振り落とされないように固定されるのだ。

ある日、箱根ターンパイクを借り切ってのロケが行われるという情報が入った。撮影も終盤に入り、ほとんど最後の“バイクの走りシーン”なのだという。

夜11時過ぎ、箱根ターンパイクのアプローチにマシンの咆哮が轟いた。2台のバイク──カタナとニンジャ、そしてポルシェ911が、西湘バイパス方面から駆け上がってきた。撮影隊のワンボックスやワゴンがそれらに続く。

入り口前のパーキングに20数名のスタッフがいる。それぞれが撮影の準備を始めた。ワゴン車にカメラを取り付ける。バイクやポルシェの点検が行われている。監督は、ライダーやカメラマン達と走行シーン撮影の段取りを打ち合わせている。

大鶴監督に、一言だけ訊いた。

──映画『キリン』の、どこを観てもらいたいですか? と──。

「バイクと、男と、捨てられない過去を観て欲しいですね」

公開は2012年の春になるという(配給・提供:インターフィルム/ミューズ・プランニング)。

ミニチュアを使って撮影の段取りを打ち合わせる。一番前のワゴンが撮影車、その後ろをポルシェが追い、「カタナはこのタイミングで、こう抜いてください」みたいな感じだ。
ミニチュアを使って撮影の段取りを打ち合わせる。一番前のワゴンが撮影車、その後ろをポルシェが追い、「カタナはこのタイミングで、こう抜いてください」みたいな感じだ。
マシンは、入念なチェックが行われる。
マシンは、入念なチェックが行われる。
キリンがカタナを駆る。
キリンがカタナを駆る。
チョースケがニンジャを操る。
チョースケがニンジャを操る。

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