ふつーのおとーさんのバイクライフ シーズン2

「拝啓 ヤマハ様」

 すでに35年にもなる僕の長いバイク生活において、実はヤマハとの付き合いは結構深い。
 まあ20何台もとっかえひっかえ乗り換えて来たのでヤマハ以外もかなり乗ってるけど。
 でも例えば原付免許を取得して初めて乗ったバイクはGR50だし(友人の)、初めて買ったバイクはRD50だし(もちろん中古だった)、中型免許取って買ったバイクはRZ250だったし(新古車だった)、やっと限定解除できて初めて大型バイク買ったのはSRX-6だったし、こうしてみると僕のバイク生活の要所要所はヤマハのバイクだったんだなあ、とシミジミ思う。
 ただし90年代以前のハナシである。その後90年代中盤から21世紀になっての約20年間、BMW⇒スズキ⇒カワサキ⇒ホンダ、とぜ~んぜんヤマハとのご縁が無くなってしまった。
 なんでだろうか?と考えると、ヤマハってFJとかV-Maxとかを除くと基本小振りで粋なバイクが多くて、大型全盛になった時って一歩外から眺めてた、みたいな立ち位置に居たような気がする。
 世の中大型免許が取り易くなって以来、でかくなきゃバイクじゃねえ、みたいになってたもんなあ。僕自身もフルサイズのバイクやら昔のデカイ750やらばっか興味持ってたし。

 ところがひょんな事から一昨年の秋、再びSRX-6を買ってしまったら、これがあーた、なんかすんごく良かったのですよ。
 結局エンジンの調子が悪くて今年の3月に断念、手放してしまったのだけど、今でも実は「残しといた方が良かったかなー」なんてちょっと後悔もしてたりする。

 なんでこんなにSRXが良かったのかというと、まあもちろん僕のシングルエンジンへの偏愛もあるんだろうけど、結局扱いやすいってコトなんだろうなと思う。
 実はふつーに走っていて気持ち良いって結構大事なコトなのではなかろーか?
 一般道をトコトコ走る、高速道路を巡航する、田舎の県道で気持ち良くリーン(傾く)する、こんなことがふつーに快適に出来るバイクってやっぱり楽しい。快適さを考えると足つきも良くないといけないし、重くって取り廻しがイヤになるようなバイクもダメだ。乗っていて身体が痛くなるようなポジションのバイクもあんまり乗りたくない。
 ふ~む、書いてて我ながらジジイ化してんなー、と思わざるを得ない、か。

 こーゆー風に書いていると、なるほどホンダのNCシリーズが売れているのも分かる気がするし、ハーレーが売れているのも、そーかそういう事だったのか、と合点がいく。
 ひょっとして世の中のバイク乗りは最早速いバイクなど欲していないのではなかろーか?
 ってことは、これからの(いやもう既に)バイクは旅のお供が中心になっていくんだろうねえ。
 小振りで足つきが良くて、楽な姿勢で乗れてパニアケースとか一杯付いて。こんなバイクやだというのか、これがいいというのかどっちなんだろ?

 僕個人としては昔のカマハとか言われてた頃の優美なデザインで単気筒か2気筒のツーリングバイクを作って欲しいなと思っている。
あと、これも前から思っているのだけど、SR400を卒業したヒトタチが乗るべき次のバイクを早く作ってあげて欲しい。
 せっかくSRを通じてバイクの楽しさを知った人がたくさんいるのに、同じ方向性でステップアップするバイクがヤマハにはありませんですよー。
 何もみすみすWやスポスタやトラにバトンを渡さなくっても、と思うのは僕だけでしょうか?
 2気筒位でビンテージテイスト漂う最新バイクをヤマハのセンスで作って欲しいなー。
 そんでもってSRみたいにアフターパーツもいっぱいあって、頑張ればめちゃんこ速くも出来て、イジって楽しいバイク。

 うるせえ、大きなお世話だと言われそうだけど、でも好きなんですヤマハのバイク。


タカヤスチハル
タカヤスチハル
「もう30年以上バイクに乗ってます」と威張れるくらいず~っと乗り続けているのにちっともうまくならないへたれライダー。ふつーのお父さんは逆境にも負けず、ささやかなバイク生活を営んでいます、が…… 

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