「はしくれエンジニアから見た原発故障」
(2011.4.7更新しました)
東日本の皆様お疲れ様です。
大地震の余震が続いている今日この頃。北関東に住む自分は、机の上のニコンのカメラが落ちてレンズが壊れたくらいの被害でしたが、周辺では瓦屋根が崩れた家は多く、家が住めないくらい壊れた人も居ます。
やっとリーマンショックが収束したかの時に、また試練です。
さて、今回はやはり津波の被害がすごいので、過去の津波を調べてみると、三陸沖で大津波を伴う地震の発生は何度もあった。
1896年にあった明治三陸地震は強力で、22000人が亡くなっている。
どうやら50年から100年おきに地震による津波が来ているようである。
そのたびに防波堤を造るなどの工事をやっている。
海岸沿いにお住まいの方々は何百年も津波との戦いが続いているのである。
今回はそれにプラスして原発の問題が大きい。
津波被害は海岸沿いだけだが、放射能となるとその影響は広範囲に及ぶ。
農産物や魚は売れなくなり、外国人は逃げ出し始めている。非常にやっかいな事態になってしまった。
こうなると当然、原発廃止論が勢いを増してくる。
- 太田シゲオ プロフィール
[第9回|第10回|第11回] [バックナンバー目次へ]
自分は原発反対ではないが、今回の事故の原因や決死隊的な修理状況を見るといろいろな疑問が出てくる。
まず福島の原発は、建設時点で想定された津波の高さはたったの5.7メートルであったらしい。
地形が違うが、最大38メートルと云われる明治三陸津波の実績をちゃんと計算していたらこんな想定はありえないのではないか。
原発の構造図がよく新聞に載っているので見ると、その構造は水冷式の蒸気機関である事がわかる。
極論すれば、燃料が石炭からウランに変わっているだけで、そこで重要になるのが冷却装置だ。
燃料棒は常に冷やされた水中になければならないらしい。
今回は、地震の振動による冷却配管の割れや、津波による電源の水没が原因で水が回らなくなってしまった(と云われている)。
ラジエターから水が漏れて焼きついたエンジンみたいなものだ。
ここで当然指摘されるのは、もしかしたら、あと10メートルばかり高い位置に非常用ヂーゼル発電機と水ポンプがあったら、何でも無く容易に修理できたのではないか。
しかも、実はこれまでに、この事(津波に対する弱さ)を指摘していた人は多いというのが悔やまれる。
わかっちゃいるのになぜ出来なかったのか、こういう所に重要な問題、課題が詰まっているのだろう。
役所も東京電力も原発に対しもっと真面目にリスク対応してくれないと困る。
自分の事ですが、毎年夏休みを利用し東北へツーリングに行っていて、去年は喜多方といわき市に遊びに行った。
楽しかったなあ、もちろん今年も東北に行くつもりです。ポポポポーン!(AC風に)